あるピアニストの一生

2003/5/4(日) ピアノ・フルート発表会 @草津アミカホール 13:00開演

<第1部>

1.モルゲンレーテ(ドイツ民謡)
2.バイエル102番
3.大きな古時計(ワーク)
4.ロマンス(ランゲ)
連弾.ポルカ(物部一郎)
5(fl).ガヴォット(ゴセック)
6(fl).夕べのうた(ケーラー)
7(fl).見果てぬ夢(リー)
8.いいことがありそう(湯山昭)
9.サラバンド(ヘンデル)
10(fl).ムーランルージュの歌(オーリック)
11(fl).想いの届く日(ガルデル)
12.渚のアデリーヌ(デネヴィル)

<第2部>

✩フルートアンサンブル 
 「くるみ割り人形」より 金平糖の踊り、葦笛の踊り(チャイコフスキー)

連弾.エレガントなワルツ(オースティン)
1.象の子守唄(ドビュッシー)
2.月曜日のソナチネ(湯山昭)
3(fl).ソナタ ヘ長調(テレマン)
4.ロンド K.485
5.幻想曲 K.397
6(fl).ノニーノ(ピアソラ)
7.シンフォニア No.5,7(バッハ)
8.「ベルガマスク組曲」よりプレリュード(ドビュッシー)

☆フルート四重奏 アダージョとスケルツォ(ワルター)

<第3部>

1.即興曲Op.90の4(シューベルト)
2.銀波(ワイマン)
3.ソナタOp.13「悲愴」1楽章(ベートーヴェン)
4(fl).星のセレナーデ(シャミナード)
5(fl).ソナチネ(平尾貴四男)
6(fl).ブエノスアイレスの春(ピアソラ)
連弾.ハンガリア狂詩曲 No.2(リスト)
7.ソナタOp.53「ワルトシュタイン」1楽章(ベートーヴェン)
8.エチュード「革命」(ショパン)
9(fl).コンチェルティーノ(シャミナード)

講師(fl).イタリア民謡メドレー(田所政人)

田所政人 さすらい人幻想曲(シューベルト)

生徒数 pf 20人(昨年-8+5)、fl 14人

 基本的にソロで連弾が散在しているという、初期の頃の形式に戻った。生徒数は下げ止まらない、デイトレで言うところの厚い板が抜けたという感じ。この頃は家庭内の不和が決定的になりつつあるといったところで、音楽なんてやってられないという心境だったのかもしれない(ピアノを弾くと自分の心がむき出しになってしまうというか、普段心の底にしまってあるものが出てくるわけです。完全に潜在意識に沈んでいるものを取り出すまでに降りていくのは時間と努力がいりますが、忘れかけている数日前の嫌な思い出なんかはお呼びでないのにすぐ出てきて暴れ出す。そうなるともう音楽を作り上げるどころではなくなってしまう、私ならその日はもう練習できません。私は練習しなくても何の問題もないですが、職業音楽家は当然毎日数時間は練習しないと食っていけないわけで、苦境を苦境と思わない強靭な神経を持っているか、あるいは心にマイナスの掛け算機能が付いてるというか負の情動を正の創造性に転換できる魔法使いであることが要求される。本当に大変な生き方であると思います)。しかしお互いに何とか家庭崩壊を食い止めようとしていた跡は見えます、イタリア民謡メドレーの編曲の出来もすごくいいし、かなり時間をかけたのでしょう。
 1つ気付いたこと。この発表会、今までの流れでみると完全に衰退期に見えてしまうわけですが、もしこれが初期の頃の、それこそ自分の家を会場に、ホームコンサートを内々でやりましたという感じなのであれば、それは誰が見ても充実した立派なものであったと思います。つまり内実と外面が齟齬をきたしているというか、もはや菲薄化が明らかな内実に対して、全盛期を維持する方向の力をかけてしまっているというか、簡単に言えば残すべきは夏の発表会ではなく冬のお楽しみ会のほうではなかったか(時期の問題ではなくスタンス的な意味で)、ということです。人間の必衰の理は十二分に心得ていたはずですが、教室の年老わせ方に気付くのが微妙に遅れてしまったという、そういう解釈もできるなと思いました。

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