あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

こどものピアノ小品集 こどもたちへ どうぶつ編2 日本作曲家協議会編 カワイ出版

 カワイ出版から「こどもたちへ」というシリーズが出ている。もう20冊を越えているはずである。一冊につき一人の作曲家は一曲だけという方針のようで多くの日本人作曲家に出会うことが出来るが、また当たり外れが多いという事にも当然成りやすい。今回比較的良く耳にする「どうぶつ編」を調べてみることにした。

番号 曲名 作曲家 難易度 評価
 1 小鳥をつれた子象 北爪道夫   5  B
 2 おしゃれな白鳥の舞踏会 香月修   7 B(C)
 3 リスのかくれんぼ 芥川マスミ   9  C
 4 かるがもくん 羽田健太郎   9  C
 5 ボンボン 田中カレン   8  B
 6 ブルー・アイランド氏とおうむ 青島広志   6  C
 7 少年の歌 中田喜直  6(8)  B
 8 およぎつかれてプカプカういているゲタにあこがれたイルカのはなし 堀井勝美   9  A
 9 GABRIEL’S HOLIDAY 八木正生   9   B
10 ヤンバルクイナのワルツ 玉木宏樹   5  B
11 とら いのしし さる 毛利蔵人   7  B
12 緑の雨 三枝成章   9  A
13 家出したねこたち 藤家渓子   8  B
14 きつつきとうぐいす 蒔田尚昊   7  B
15 北極を吹きぬける風にアゴヒゲアザラシのひげも揺れる 池辺晋一郎   8  C
16 小鳥になったモーツアルト 湯山昭  10  C 
17 ムササビ 奥村一  10  B
18 ボンゴ 浅川春男  11  B
19 やどかりさんの家さがし 安良岡章夫   7  C
20 らくだのふね 大田桜子   6  B
21 おてんば姫の行進 すぎやまこういち   5  B
22 時は影のごとく去りゆく 萩原英彦   9  B
23 動物の行進 山本直純  10  B

1.最初の繰り返しは必要。

2.ペダルは必要。3小節目の右手は411と弾くしかないが、教材としては不適切と言わざるを得ないだろう。

4.最初は記譜通り弾くのか、ジャズっぽくスイングして弾くのか定かでないが(おそらく記譜通りだろうが)、記譜通り弾くと少し難しい。魅力的な箇所もあるのだが・・

5.ペダルは必須。美しく弾くにはトリルを相当の速さで弾ける腕前が必要。評価Aでもいいかもしれない。

6.面白いと言えば面白いが、思いつきの域を出ないという気はする。音楽はこんなに自由なものなんだ、と言うことを教えたいのなら使用も可、というところか。

8.ペダルを付けないと魅力半減。教材としては指使いを工夫する必要あり。

9.ピアニスティックな曲です。結構気に入る生徒もいるかも・・最後の三つの左手にGを補充したいのは私だけかな。

10.沖縄の音階が使われている。

11.無調だがわ分かりやすいといえば分かりやすい。

12.珠玉の一品だが、教材としてはどうか。ペダルが使えないとダメ。手が小さいとダメ。なお、なぜこれが「どうぶつ編」に収録されているのかはよく解らない。「どうぶつ」という要請を三枝さん、蹴飛ばしたんでしょうかね。

14.譜面面は難しいが、弾いてみれば大して難しくない。

17.半音階はムササビの滑空の様であろう。ある程度速く弾かないとまずいでしょうね。

18.難易度11というのは一人で弾いた場合(中間部のかっこ内はその場合弾かなくても良いのでしょう)。二人で弾けば特にsecondは大分難易度が下がる。

19.以下4曲連弾。この曲はsecondも難易度に大差なし。

20.secondはずっと難しい。

21.secondも似たようなもの。

22.secondは先生もしくは大きい生徒。

23.ソロがないと面白くないし、かといってソロを誰がするの? まあ、発表会の余興で誰かにやらしたらバカ受けするかも。secondはほんの少し難しい。

総合評価    B-

 こういう曲集はどうなんでしょう。自分一人の曲集をお持ちじゃない作曲家はがんばるのかしらん、他にもいっぱい曲集をお持ちの人は手を抜いたり・・なんてことはないか。まあ、人それぞれでしょうね。

 大勢の作曲家の寄せ集めだから、当然作風はさまざま、無調から純ロマン派まで。幅があっていいともいえるし、ごちゃごちゃとして取っつきにくいともいえるし。

 三枝さんの曲は記憶にとどめておきたい作品。他は少なくとも私の耳には、生徒用レパートリーとして身につけたいと思う曲はなかった。 

 まあ、使おうと思えば使えるかな、というくらいの曲集でしょう。

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