あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

モシュコフスキー ピアノ曲集   音楽之友社

 日本は昔から出版大国であった。私が学生の頃も、大抵の本が邦訳されていた。たとえばその頃ハイデッガーの「存在と時間」の完訳があったのは日本だけだという。それに比して楽譜の方は、素人の知らないような作曲家になるとまず外国版でなければ、手に入らなかったのだが、最近は楽譜の分野でも日本版の充実が著しいように思える。この本に含まれている「スペイン奇想曲」を大阪の「ササヤ書店」で見つけたときには、やった、と思ったものだ、もう20年以上前の話。

曲名 難易度 評価
即興的ワルツ  18  B
火花  21  B
カプリス・エチュード  25  A
秋に  25  A
ワルツ Op.15-5  16   B
愛のワルツ Op.57-5  21  A
スペイン奇想曲  25  A

○火花 派手なわりに難しくないのでアンコールなどには良いかもしれない。

○カプリス・エチュード 私はこのての曲は好きなのだが、一般の評価はむしろ「花火」の方が上なのかもしれない。

○秋に しばしば出てくる左右分割は、他の可能性も当然考えられる。

○愛のワルツ 主部に入って非常に印象的な音型で始まる。多分一度聞くと忘れられないワルツ。

○スペイン奇想曲 知る人ぞしる、モシュコフスキーの最高傑作。あまり聴かないが、生徒には少し難しいのかな。派手で演奏効果もあるし、そんなに弾きにくくもないんだけれどね。

総合評価      A

 モシュコフスキーは練習曲と(あれは中途半端だと思うんだけどなあーメカニックに徹してもないし芸術としては2級品だし)、連弾のスペイン舞曲集でくらいしか余り弾かれないのだが、その代表曲である「スペイン奇想曲」が音友から出ている事に近年気づいた。ポーランド系ドイツ人だそうだが、スペイン人じゃないの? というくらい見事にスペインの味が出ている。アルベニスの「イベリア」に匹敵する名曲である。

 他の曲は私も知らなかったのだが、なかなか良い曲も収録されているようである。上級の生徒を抱える先生ならば持つべきであろう。

トップへ戻る   1つ上に戻る

© 2015- 田所理央 ご意見・ご感想は t.masato@mathemarimo.bird.cx までお願いいたします。