あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

ピアノコスモス 1 テクニックと音楽性が同時に学べる 松井直子・成田稔子共編  全音

 これは古い本であるが、まだ店頭で見かける。この本のヒットで「ピアノコスモス シューレ」が誕生したものと思われる。

曲名 作曲者 難易度 評価
みつばちのマーチ がいこくの曲   3  A
アダージョ シチェイベルト   4  A
小さいお庭 マイカパル   5  B
かわいいうさぎ ガルイニン   4  B
アリア ヘンデル   5  B
わたしの仔馬 グレチャニノフ   6  A
ゆるやかなワルツ ゲディケ   6  A
ブルガリアのうた スタヤノフ   5  B
農夫 レビコフ   6  A
おまつり グルリット   5  B
おばあさんのポルカ ケーラー   6  A
わらの中の七面鳥 アメリカ民謡   7  A
メヌエット ハイドン   6  A
コラール アブラミヤン   7  B
たびびと ゴティエ   7  A
ジプシーの群れ ベール   8  A
ポルカ マイカパル   7  A
こもりうた マイカパル   7  A
兵隊の行進 シューマン   5  B
勇敢な騎士 シューマン   7  A
ポロネーズ BWV.anh.125 バッハ   8  A
ジプシーの踊り リヒナー  10  A
リゴードン ヘンデル   8  B
ワルツ 湯山昭   9  A
ゴーカート 湯山昭  11  A
ティーカップ 湯山昭  11  A
アクロバット ショスタコーヴィッチ  10  A
ソナチネ Op.157-1 スピンドラー   7  C
ロシアの歌によるヴァリエーション Op.51-1 カバレフスキー   8  C
蝶々 ゲール   8  B
マーチ(連弾) マカロフ   5  A
騎兵隊は草原を行く(連弾) クニッペル   6  A

○みつばちのマーチ ダ・カーポは不要な気もする。

○かわいいうさぎ うまくルバートさせると素敵な曲になるが・・

○わたしの仔馬 3小節目の右手がギリギリの場合は、その小節の最初からずっと真ん中の音を省いてしまうことも考えられる。

○ブルガリアのうた 5小節で小楽節を形成している。定型パターンばかり教えたくないという場合にはお薦め。

○農夫 中間部との対比が素晴らしいが、手が小さいと少し難しいかもしれない。

○おまつり 分かりやすく子どもは喜ぶが、あまりにも単純かなという感もある。

○おばあさんのポルカ これは有名な「ポルカ」。「おばあさんの~」という題名はどこから来たのかよくわからない、この曲集にもう一曲「ポルカ」があるので区別するために編者が勝手に付けたのかもしれない。

○わらの中の七面鳥 Aにはしたが、こういう左手の伴奏型は特に小さい子には非常に困難、オクターブが届くくらいの子ども以外には使用しない方がいい。

○ジプシーの群れ 指使い(特に左)は色々考えられる。

○ポルカ 右手の加線に慣れさせるのにいい。

○こもりうた この段階になればEsを学ばせるのに異論はあるまい。その意味の入門曲の一つ。

○ポロネーズ このポロネーズは類書にあまり収録されていない。

○ジプシーの踊り 最初の繰り返しは付ける。3ページ3段2拍目裏の右手EとあるがDのミスプリ。

○ゴーカート 前にも書いたが、3ページ5段2小節左手4つ目、4とあるが2の誤りだろう。

○ティーカップ こちらは前は見落としていたが、3ページ目最初の右手の指使いが逆さま。

○アクロバット 2段目左最初、3とあるが2でよい。

○騎兵隊は草原を行く 黒鍵になれていれば易しいのだが・・。なお連弾は二曲とも secondも似たような難易度。

総合評価       A

 良書である。

 入門書が終わった段階からと思えばいい。良く知られた曲とそうでない曲とのバランスもよく、何より良く知られていないものにも結構いいものが含まれているのが類書と違うところである。ほとんど丸ごと使える。

 ベテランの先生にとっては手持ちの楽譜と重複している曲も結構あるだろうから、買うにはやや抵抗があるかもしれないが、ショスタコーヴィッチの「アクロバット」1曲だけでも買う価値はあると思う。連弾の2曲も類書で見たことはない。

 譜面が大きくて子どもには見やすい。

 なおピアノコスモスは全3巻。全部揃えて良いと思う。

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