あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

ナザレー ピアノアルバム   全音

 ナザレーの作品が近年紹介されて、時々耳にするようになった。全音とカワイから出ているようであるが、私の所持しているのは全音版なので、とりあえずそちらで検討させていただくことにする。なお、これは舘野さんの解説にもあるが、楽曲の性質上原典にさほどこだわる必要はないだろう。どちらの楽譜でも一向に構わないと思う。

番号 曲名 難易度 評価
 1 アメノ・レゼダ  18  C
 2 カヴァキーニョよ、がんばれ  16  A
 3 なまいきな  20  B
 4 バンビーノ  19  A
 5 バトゥーキ  20  B
 6 ブレジェイロ  18  A
 7 カリオカ  19  A
 8 打明け  18  A
 9 鞍擦れ  18  C
10 不審な  17  B
11 滑りながら  19  C
12 エポニーナ  18  A
13 フォン・フォン  16  B
14 インプロヴィゾ  20  A
15 マリー  17  B
16 寵児  16  B
17 忘れな草  20  C
18 ネーネ  19  C
19 オデオン  16  A
20 ピエロ  17  C
21 あでびと  17  B
22 賢いひと  17  C
23 サランベーキ  21  B

2.速度表示がないが、allegroでしょうね(速すぎると装飾音が難しいが)。

3.最初の繰り返しの後3小節目右手二つ目の和音、Cis、Gis、Aになっているが、Cis、G、Aisの誤り(下の註では正しくなっている)。

4.繰り返しはほぼ任意でしょうね(3ページ目の最初のものはさすがにつけるべき)。

5.54~6小節目の装飾音をどこに入れるかだが、2拍目に引っかけるように、もしくは4つ目の16分音符と重ねる、どちらかでしょう。最後のページの右手の三回ある小さい音符、なぜ小さくしたのかはよく解らないが、他の音よりおそらく弱く弾くものと思われる。

6.テンポが速い方が調子がいいが、左手の跳躍が難しくなる。テンポによって大分難易度は変わるということ。音楽的には単純明快。

7.ここらへんは名品が並んでいる。

8.私はこの曲が一番好きです。

10.余りテンポは速くないと思う。

11.右手の連打と左手のリズムを合わせるのは存外難しい。

12.情緒綿々たるワルツ。

13.3ページ目のpara acabarはスペイン語かポルトガル語か知らないが、おそらくその小節を最後の時に限って弾く意味だと思われる。最終小節の左手はミスプリと思われる、冒頭と同じであろう。

19.gingandoは「揺れながら」という意味だそうです。私は個人的にはそれほどこの曲を評価しないが、世間一般ではナザレーの代表作ともみなされているだけに、Aにしないわけにはいかないなという感じ。

21.Este compasso servira para finalizar は「この小節は最後の時に使用する」という意味だが、繰り返しを付けるときはどうするのだろう、やっぱりこの小節を使うんじゃないの?

23.重音の連続で出来ていて、速く弾くと非常に難しくなる。

あとがき

  ブラジルの作曲家というとヴィラ・ロボスを思い浮かべるが、近年脚光を浴びているのがナザレーである。ヴィラ・ロボスは完全にクラシックの作曲家であるが、ナザレーの音楽はむしろポピュラー系と言えないこともない。中間領域というところであろうか。

 作品は大きく分けてリズミックな明るいものと、ショパンを思わせるような情緒たっぷりのものに分かれる。私がどちらかというと後者好みなので、評価にもその影響が入っている可能性はある。

 全般に余り堅苦しく、いわゆる「クラシック」という感じで弾くと、様にならない。歯切れのよいリズム感、あるいは適切なルバートなど、リズム的なセンスが要求される(生徒にも教師にも)。

 この程度の難易度になると、弾くべき曲は無数にあるが、少なくとも教師はナザレーの作品のいくつかはレパートリーにしておいて決して損はない。

 なお「中南米ピアノ音楽研究所」というサイトにナザレーの事が詳しく記されている。少なくとも中南米音楽に関しては私より遙かに詳しい方のようである。楽曲の評価は私と大分異なる。

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