あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

ピュイグ=ロジェ ピアノ教本 2  音楽之友社

極めてユニークな教材である(教本とは言いがたい感あり)ピュイグロジェ教本の二巻

番号 曲名 作曲者 難易度 評価
27 2声楽曲 スウェーリンク 15  B
28 コラール変奏曲 パッヘルベル 14  B
29 2声楽曲 ジル・ジュリアン 16  B
30 3声のカンツォーネ スウェーリンク 14  B
31 カノン ダンドリュー 14  B
32 分散オクターヴ モーツアルト 18  B
33 2つの変奏とカノン ヘンデル 16  B
34 コラール変奏曲 パッヘルベル 16  A
35 アルペッジョ ベートーヴェン 17  B
36 音階 ハイドン 14  B
37 ト調のカンツォーネ スウェーリンク 14  B
38 シャロレ風に クープラン 13  A
39 アレグロ E.バッハ 11  B
40 メヌエットのテンポで ハイドン 13  B
41 クリスマスの歌 コレット 13  B
42 喜び ラモー 11  A
43 ティエント「めでたし、海の星よ」 アンドレウ 14  B
44 アルマンド ウェーバー 12  B
45 変奏 ベートーヴェン 14  B
46 コラール変奏曲 パッヘルベル 17  A
47 シシリアンヌ クープラン 13  B
48 変奏 モーツアルト 15  B
49 クリスマスの歌 バルバストル 14  A
50 カノン バッハ 17  A

27.真ん中あたりにかなり弾き難い箇所あり。

29.装飾音がすべて実音で記されている。教師は当然元の記号が推測できるだろうが、演奏はこの実音どおりに弾かせるのがロジュ教授の意図だと思う。

30.3声とはいっても、感覚的にはほとんど2声。

31.厳格なカノンではない。装飾音を省くと構造が見やすくなるかも。

32.K.264の第6,7変奏。

33.指示速度を見れば、さほど速く弾かせる必要がないことが分かる。

35.6つの変奏曲Wo.77から。

36.ハイドンの変奏曲Hob.17-2から。

37.長短調がまだ確立されていない時代の音楽。

38.第二組曲の一曲。指示速度で装飾音をこのとおり弾くと、こんなものか。(弾き方次第で難易度11ぐらいになる)

39.テンポと装飾音を厳守させると激ムズになるが、そこまでの必要はないと思う。

40.Hob.17-3の第六変奏と第八変奏。

42.これは有名。それほど難しくはないが。

43.左手が二声。

44.Cの部分の9小節目右手最後の音の指が4になっているが、その前の音の間違いだと思われる。この本は指使い厳守をうたっているので、このミスプリは罪が重い。

45.ルール・ブリタニアによる変奏曲の第二変奏。

46.主題の賛美歌は聞き覚えのある人が多いかも。

47.トリルを指示通りの数弾く必要はないだろう。(指定速度だと1秒に17打鍵する計算になっている)。トリルの数を減らせば難しくない。

48.K.25から4つの変奏。付点のリズムを正確に。順番は変えてある。

49.短調ではあるが快活に弾くべきだろう。

50.初めの1/3ぐらい。

総合評価     B

1巻のときと評価はさして変わらない。1巻はごく初心者用の曲もいくつかあったが,この巻は中級者向きの曲ばかりという点が大きく異なっているだけ。

とても珍しい曲がかなり入っているという点をどこまで評価するのか。そして基本的にこの本の理念である、練習曲の代わりに大作曲家の曲のなかから練習曲として使えるものをピックアップした、という方針をどう評価するのか、ということになるのだろう。

前者はそれなりに評価できる。そもそもの編集方針からして、駄曲はないからである。しかしすべてがすばらしい曲であるかどうかは、なんともいえない。ハイドン・ベートーヴェン・モーツアルト等は彼らの中ではマイナーでありたいして評価されていない作品の中からの抜粋である。他の作曲家についても一級の芸術作品とまでは言えないのではなかろうかと思われる。

練習曲を使わないというのは、先生の基本方針としてその考え方に従うかどうかである。私は時々言っているように、その考え方でありもう20年以上練習曲は基本的に使用していない。しかし、その代わりにこの曲集を使うという気にはならない。

日本の子供たちの現況を考えたときに、練習曲集を省いたその時間は、私としては、ロマン派・近・現代、とりわけ日本の作曲家の優れた作品に回させてやりたい。バロック・古典については、この曲集に収録されているものは確かにほとんど日本の先生に使われていないが、しかし、バッハそしてソナチネ・ソナタと日本の先生はすでに充分子供たちに与えていると私は思う。

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