あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

大村典子ピアノ・ピース・セレクション 5 さまざまな感情 B   音楽之友社

 前に申しましたように、もう一冊このシリーズを取り上げることにします。

番号 曲名 作曲者 難易度 評価
 1 おどけたギャロップ グルリット  8  B
 2 いいことがありそう 湯山昭 11  A
 3 おすまし 矢代秋雄  9  B
 4 どうして泣いたの? 服部公一  7  C
 5 悲しみのポロネーズ ノスコフスキ  9  B
 6 ユモレスク ドヴォルザーク 15  B
 7 おやすみ、夕映え 三善晃  7  B
 8 カプリッチョ C.P.E.バッハ 11  B
 9 後悔 メンデルスゾーン 13  B
10 気まぐれ カバレフスキー 10  C
11 あきらめ グルリット  9  B
12 若いよろこび グルリット  7  B
13 スケルツオ シューベルト 14  A
14 こもりうた 中川良平  8  B  
15 さらばピアノよ ベートーヴェン 10  B
16 ワルツ「願い」 ベートーヴェン 11  B
17 心配 コンコーネ 13  C
18 熱情 メンデルスゾーン 17  B

1.手が小さいと使えない。左のオクターヴの連続に41が混じっているが、レガートにしない場合は全部51でいい。

2.閻魔帳25を参照のこと。

6.Gesの原曲をGにし、ほんの少し修正を加えて易しくしてある版。私としてはこれは原曲で弾いて欲しいが、3ページ目の右手のオクターヴ部分の修正は参考にしても良いかもしれない(原曲はそこだけ飛び抜けて難しい)。指使いは余り良いとはいえない。

7.譜面づらは7くらいですが、Desでもあり、ある程度余裕のある方がいい。こういうのは先生が範奏をしてやるのが望ましい(これを何のヒントもなしに雰囲気の出せる子どもがいたら、相当の音楽的センスがあるということです)。

8.註のeは何というか逃げた註ですな。実音で記すのをわざと避けたんでしょうね、つまりCDCと弾く人が多いでしょうが、CDCHCでもいいということ(こちらの方が望ましい)。

9.無言歌集の2番。

10.絶版となってしまったカバレフスキーの「こどものためのピアノ小曲集 Op.27」の28番。この本の絶版は惜しまれる。

11.「こども音楽会」の25番。2段2小節3拍目の右手指2と4がさかさま。

12.「こども音楽会」の20番。手が小さいと苦しい。

13.別巻ソナチネに記載。少し版が違う。困難な箇所を一部左手に振り分けている。3段目は賛成、2ページ2段目は賛成しがたい。3ページ2段3小節目最初の右1-2とあるがもちろん5-2の間違い。

14.左の中声の指は届くのなら1212がいい。3段3小節目の中声は最初右手で3拍目から左。

15.子どもには使いにくい曲です。

16.この題名はベートーヴェンがつけたものではない。3小節左2拍目3とあるが2の方がいいと思う。

18.無言歌集の17番。この巻に入れるには難しすぎると思う。

総合評価    B-

 このシリーズ二冊目なのだが、まあ、やはり同じシリーズだけあって、大して言うことに違いがあるわけではない。

 この本が最初に出されてから16年たった今となって見えてくることは、結構な配列をしているということ、一冊の中身についても、年代順でもないし、アイウエオ順でもないし、難易度順でもない。別にそのせいでこの曲集の価値が落ちるというわけではないですがね。

 全体としてみても、グレードA,B,Cというのは大分いい減。

 一冊について数曲、目新しくかつ使える曲があるということで話題を呼んだこのシリーズであるが、少なくともソロに関しては(連弾のシリーズが別にある)、現在特に光るというほどのこともないようである。

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