あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

やさしく・たのしい ピアノアルバム 2  千蔵八郎編  共同音楽出版社

 共同音楽出版社は老舗の音楽出版の一つ。今回初登場(遅くなってすみません)。千蔵八郎さんはあちこちでおなじみの方。この本は初版が昭和54年とあるから、もう20年以上も前になる。

曲名 作曲者 難易度 評価
すてきなワルツ ビーダーマン  4  C
みんな仲よく フレーリッヒ  4  C
野みちの花 チェルニー  4  C
メヌエット ジルヒャー  4  C
羊かいのうた ベール  3  C
マーチ 作者不詳  3  C
森のこだま フレーリッヒ  4  B
春の花 ビーダーマン  5  C
おばあさんのワルツ ケーラー  5  C
皮のがいとうを着たおじいさん ビーダーマン  5  B
ロンディーノ ギャロップ ルンメル  5  C
小さなうた モーツアルト  5  C
じてんしゃのり チェルニー  6  C
フィナーレ シュタイベルト  6  C
こもりうた クラック  7  C
ドイツ舞曲 ハイドン  5  C
メヌエット プレイエル  5  C
ソナチネ スピンドラー  7  D
秋のとりいれ ランゲ  5  B
はずむ心に テュルク  6  D
メヌエット プレイエル  6  D
アレグロ  Anh.109-1 モーツアルト  6  B
はちどり ボルク  6  C
インテルメッツォ ピッチカート ライネッケ  6  B
イギリス舞曲 ディタースドルフ  7  C
五月の朝 ビーダーマン  7  A
ジーグ ヘルツ  6  C
タランテラ リー  6  C
村のおどり グレトリ=クーペ  7  C
たのしい思い出 テュルク  7  C
ロンド ディアベリ  7  C
アレグロ シュテルケル  6  C

○羊かいのうた ポジションの移動がない、が16分音符があるしやや弾きにくい。難易度3か4か微妙。

○マーチ これもほとんどポジションの移動はないが、16分音符がある。

○小さなうた 正体不明

○フィナーレ 2小節目のフレージングは他にも考えられる。2ページ4段目最後の小節の左手の音はこれでいいんですかね。

○こもりうた この題名からして遅く弾くんでしょう。題名がないと結構速く活発に弾いちゃいそうな曲ではあります。

○ソナチネ これだけDにするというのもなんなんですが、別巻ソナチネでDにしてましてね・・。つまりこの本の評価は大分甘いということです。

○五月の朝 この曲に限らないが、左手の端の音は無理に4を使う必要は全くない、5でいい。

○アレグロ 難易度6はPurimo、Secondは弾くだけなら7か8だが、テンポを速くすると難しい。

総合評価      D

 千蔵八郎さんは、私、わりと好きな人で、著作など何冊か持ってるんですが、残念な結果です。

 たとえてみれば、買ってはみたものの誰も食べようとしない古いお菓子を、菓子箱の底からかき集め引っぱり出してきて並べたという感じ。

 そのほとんどが知られていない曲でしょう。そういう曲をこれだけ集められたことには敬意を表しますが、結局どれもこれも使いものにはほとんどならない。一曲だけあるA、これは他の本にも入っています。数曲あるB、これはおまけだね、今、私ほとんど記憶に残ってないから。

 古典派からロマン派前期の入門者向けの曲というものは、結局ほとんどすべて開拓され尽くした、良い曲はやはりとっくにみなが知っている、余り知られていないということは、つまりやはりそれだけの曲でしかないということなんでしょう。この本は改めてそういうことを教えてくれたようです。

 このレヴェルの知られざる名曲を発掘しようと思えばやはり近代以降に限られるということでしょう。

 この本をバイエルの副教材に使うよりは、むしろ他の入門者用の教本を主教材にし、バイエルの60番以降を適当に副教材にする方が遙かによろしいかと思います。

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