あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

ロリン・ピアノコース レパートリー3 安田裕子訳・解説   全音楽譜出版社

曲名 時代 難易度 評価
興奮 ロマン  7  B
トランペット・マーチ  バロック  7  A
あこがれ ロマン  7  C
ハンドゲーム 現代  5  C
クラシック・ヴァリエーション 古典  6  B
アンプロムプチュ Aマイナー ロマン  7  B
Cメジャー・スケール・ヴァリエーション 現代  7  B
蓮の庭 印象  6  A
バロック・ジグ バロック  6  A
ワルツ・ヴィヴァーツェ ロマン  6  B
空飛ぶ騎手 ロマン  5  B
プレリュード C♯メジャー バロック  5  B
クロマティック・エチュード 現代  5  B

○トランペットマーチ ロ長調の初心者用の曲は珍しい。記憶にとどめていい。

○あこがれ センチメンタルなメロディー。27小節目の和音は気になる。

○ハンドゲーム ヴィラ=ロボスの「赤ちゃんの家族」のPunchを模しているのか? 他人の作品を模すとこの人はいまいちになるのよねえ。

○クラシック・ヴァリエーション 主題と三つの変奏があり、かなり長い。18ページ下の脚注は、誤訳だと思う。日本語としては意味不明。原文を見ていないので、 断言はできないが、彼の多くの作品は「純粋に古典期のスタイル」、他のいくつかの作品は「ロマン期への橋渡しをしている」であろう。(Most of~,some of others~.)

○アンプロムプチュ こちらの脚注は正しく訳されていると思う。前のものと同じ構文。ただ「シューベルトのロマン期初期の」という言い回しは誤解を招く。 シューベルト最晩年の曲なのだから。「ロマン期初期のシューベルトの」と訳すべき。

○Cメジャー~ あまり現代っぽくはないが。速く弾くと面白いが少し難しくなる。

○蓮の庭 この本で一番いい曲かも。ペダル必須。

○バロック・ジグ ピアニスティックに書かれている。バロックっぽくもないが。

○ワルツ・ヴィヴァーツェ ショパンらしさはまったくない。

○空飛ぶ騎手 これは「乱暴な騎手」の完全な模写。

○プレリュード 嬰ハ長調は珍しい。難しいのはそのことだけか。

○クロマティック・エチュード 現代らしさはない。完全にロマン。

総合評価     B

2巻で評価を落としていましたが、少し回復しました。記憶に残る曲が何曲かあります。

ただ、この人が他人の作品の動機を借りて作曲したものは、総じていまいち、といわざるを得ません。制約なしで自分で作ったものの方が、いいと思います。

この巻にしても、いいものは、「影響」を受けただけで、動機を借りてはいません。

難易度は、ほぼそろってますが、最初から順にという使い方はしないほうがいいかも。むしろ始めの数曲のほうが難しい。

様式も、あまりあてにはなりません。バロックといっても、対位法ではないし、現代といっても、機能和声からの逸脱はまったくない。

トップへ戻る   1つ上に戻る

© 2015- 田所理央 ご意見・ご感想は t.masato@mathemarimo.bird.cx までお願いいたします。