あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

こどものバイエル併用曲集 4 森本琢郎・池田恭子編    ドレミ楽譜出版社

このシリーズ、取り上げるのは初めてですが、バイエル準拠教材のようです。1985年初版で版を重ねてますので、それなりに売れているのでしょう。この巻は バイエル65~86番との併用のようです。

曲名 作曲者 難易度 評価
そり ストリーボッグ  5  C
ひなぎく ツェルニー  5  C
ドイツのおどり ハイドン  5  C
子もり歌 エーステン  5  B
舞曲 チェコ民謡  5  C
子供のワルツ ケーラー  5  B
気のいいアヒル ボヘミア民謡  5  A
小品 ヴァンハル  5  C
ワルツ グルリット  5  B
ヴィヴァーツェ ディアベリ  4  C
ガボット ライネッケ  6  A
メヌエット ラモー  5  B
アレキサンダー・マーチ ツェルニー  5  A
メロディー シューマン  5  B
ワルツ ブレスラウアー  4  B
田舎のお祭り エーステン  5  C
ワルツ ケーラー  5  C
きれいなメロディー ウェーバー  4  B
メヌエット ハイドン  5  B
元気で出発 グルリット  4  B
メヌエット バッハ  6  A
ブーレ ヘンデル  8  B
ワルツ ブレスラウアー  4  C
トルコ行進曲 ベートーヴェン  5  A
メヌエット クープラン  6  B
兵隊のマーチ ランゲ  5  A
フランスのうた フランス民謡  4  B
水の精 ブレスラウアー  4  B
舞踏会 ベルリオーズ  6  A
メヌエット バッハ  9  A
別れの曲 ショパン  8  B

最初の三曲は65~67番に対応しているとある。

○そり 練習曲 Op.63-1。スケールの練習。

○ひなぎく Op.599-23。分散和音の練習かな。

○ドイツの踊り 指使いから察するに、3段目の左のスラーは重視していない。

○子もり歌 ここから68~72番に対応。バイエルの3度練習より高度。

○舞曲 変拍子。

○子供のワルツ Op.210-2。

○気のいいアヒル 最後の右の指使いはいろいろ考えられるところ。ここから8曲73~75番に対応。臨時記号の練習。

○小品 ソナチネOp.41-1 1楽章。

○ガボット 前半だけ。これはかなり難しい。

○アレクサンダーマーチ これはツェルニーは採譜もしくは編曲しただけで、作曲したわけではないと記憶している。

○メロディー どこかにも書いたが、この感覚は子どもには難しいかも。

○ワルツ ここから8曲、76~81番と対応。ト長調の練習。ブレスラウアーの作品ではこの曲だけたまに見かける。

○ワルツ(ケーラー) ト長調のスケールの練習。

○きれいなメロディー 「人魚の歌」。もっといい編曲がいくらでもある。

○元気で出発 Op.210-11。長いが易しい。

○メヌエット BWV.Anh.114。作曲者はペツォルト。装飾音は長前打音のほうがいいだろう。フレージングは、手の小さい子供向き。

○ブーレ これはバイエル段階ではほぼ無理だろう。

○ワルツ ここから4曲、82~83番に対応、ニ長調。

○トルコ行進曲 1段目の指使いは疑問。2小節4拍目を3、次を214321が一番いいと思う。

○メヌエット ちょくちょく見かける。

○兵隊のマーチ 最初の部分だけ。

○フランスのうた ここから3曲、84~85番に対応とある。よく見る民謡をイ長調に編曲してある。

○舞踏会 いい編曲。むしろ左手のほうが難しいだろう。イ長調の三曲はいずれも使える。

○メヌエット 最後の二曲、86番に対応、ホ長調。これはフランス組曲6番。バイエル段階では無理と思われる。

○別れの曲 この曲に関してはグローバーの編曲がお薦め。

総合評価     B-

使えないこともない、ぐらいか。

「バイエル併用」とあり、まさにそのとおりに作ってある。この巻の場合はいろいろな調性が出てくるが、その調の易しい曲を数多く集めてくるというった感じで。

ただ、この手の併用曲集は、まず確実に、バイエル本体よりも遥かに難しい。この曲集の場合はそれほど大きな差はないが、それでも、かなり余裕でバイエルをこなしている生徒以外は、実際に、「バイエルと併用」することは難しいだろう。

そして、バイエルと無関係に初心者用曲集としてみた場合、逆に、バイエルに準拠していることがマイナスになる。すなわち、はじめから順にとしていくには難易度がややばらついている、特に後半。

曲そのものは、「バイエルに準拠した併用曲集」にふさわしいものを集めてきている。初めて見るものもあるが、特にすばらしいものというものも、これは使えないというものもない。

バイエルを使っている出来のいい生徒向けの曲集、と結論付けられる。

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