あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

キャサリン・ロリン ロリン・ピアノコース レパートリー 1  安田裕子訳・解説  全音

ギロックの仲間として日本でもかなり有名になったキャサリン・ロリンは「テクニック」と「レパートリー」からなる「ロリン・ピアノコース」 という曲集を出している。バロック・古典・ロマン・現代スタイルで書かれているが、すべてロリンのオリジナル曲である。

曲名 スタイル 難易度 評価
チック・タック・ミュゼット バロック  3  A
楽しいダンス 古典  3  B
ドラム・ダンス 現代  3  A
ブルームフィールド伯爵のトリルマーチ バロック  2  C
パイオニア・ゲーム 現代  3  A
夜明け ロマン  3  B
アルベルティのアレグレット 古典  3  C
優雅なミュゼット バロック  4  B
ロシアの熊 ロマン  3  A
小さなインヴェンション 現代  4  A
バロック・マーチ バロック  3  A
悲しい人形 ロマン  3  B
プチ・クラシック 古典  4  B
西風 印象  3  B
ジーグ バロック  4  C
スペイン ロマン  4  A
バガテル 古典  4  A
鬼と妖精 ロマン  4  A
ロンディーノ 古典  4  C
楽しいテーマによる5つのヴァリエーション 現代  4  B

○チックタックミュゼット バロック風と言っても、対位法があるわけではない。

○ドラム・ダンス ドーリア旋法。

○パイオニア・ゲーム コープランドの影響を受けて、とある。

○夜明け グリーグの「朝」と主題が同じ。普通に展開するとこんな風になるんでしょうね。

○優雅なミュゼット 保持音のある分難しい。

○小さなインベンション 対位法的な作品。

○悲しい人形 ハ短調と思うのだが、終結部はト短調。

○プチクラシック ポジションの移動が頻繁にある。

○西風 ペダル必須。全音音階のみの曲。

○ジーグ 交差あり。

○スペイン イ短調、属音で終止している。

○バガテル ベートーヴェンにヒントを得てとあるが、むしろハイドン?

○5つのヴァリエーション 繰り返しはつける。

総合評価     A

掘り出しものですかねえ。すべてオリジナルでこれだけAがあれば、文句なし。

これまで調べたキャサリン・ロリンの作品集の中では最も出来がよろしい。

前半は5度ポジション、後半も、ポジションのオクターブ移動と6度ポジション程度。教材としてはまったく無理がなく、教師として使いやすい。

4期に分けてはいるが、現代はあまり現代っぽくはなく、バロックも、対位法はほとんどない。そういう意味では分けること自体に大した意味はないと思う。 「キャサリン・ロリンのさまざまなスタイルによる作品集」ということになるのだろう。あえていえば『古典』に光るものが少ない。

繰り返しは、全部つけること。

同じキャサリン・ロリンの「ロリン・ピアノコース テクニック」を使用することが前提となっているような注釈が随所にあるが、特に使用しなくとも 先生が適宜説明してやれば済むことである。

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