あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

レッスンに役立つピアノ曲集 虹のプロムナード1 金子勝子編  ムジカノーヴァ

 ムジカノーヴァはもうピアノの先生の必読書と言ってもいいような雑誌に成長した。金子勝子さんは同誌でよく見かける方である。3巻まであるようだが見かけない曲の多いこの1巻を検討してみる。

番号 曲名 作曲者 難易度 評価
 1 もらわれていった子ねこ 成田剛  2  B
 2 ぶらんこ ディアベリ  4  C
 3 小さいながれと大きいながれのある二声カノン ハイドゥ  3  C
 4 小さなカノン セルバーンスキ  3  B
 5 春の雨 若色充恵  4  B
 6 あたまがいたいよ! 若色充恵  3  C
 7 小プレリュード 林光  3  B
 8 メヌエット L.モーツアルト  5  A
 9 とんだりはねたり ヤールダーニ  4  C
10 カノン ヴィシュキ  4  B
11 森のカーニバル 若色充恵  4  C
12 着せかえ人形 奥村一  7  C
13 もみの木の散歩道 山下耕司  5  B
14 みつばちブンブン ワーメル  5  C
15 眠りの精 ドイツ民謡  5  B
16 きよしこの夜 グルーバー  6  A
17 星のささやき 若色充恵  4  C
18 ハミング シューマン  6  C
19 一月 藤澤道雄  5  C
20 メヌエット クリーガー  5  A
21 アレグロ ヘスラー  8  B
22 ぼくが男の子だった頃 藤澤道雄  6  B
23 声部の交換 ハイドゥ  5  C
24 みじかいおはなし 中田喜直  5  B
25 メヌエット  モーツアルト  5  B
26 ガヴォット テレマン  7  C
27 スケルツオ ハイドン  7  A
28 ふなでのうた 成田剛  6  C
29 メロディック・エチュード コンコーネ  6  C
30 トルコのおとぎ話 ハイドゥ  5  C
31 ドッジボールゲーム 山下耕司  7  C
32 小プレリュード  BWV999 バッハ 10  A
33 パスピエ キルンベルガー  9  C
34 アレグロ C.P.E.バッハ  8  A
35 サラバンド ヘンデル  8  A

2.3段3小節目左最初、4とあるが5でいい。

5.16分音符があるので難易度4としたが実質的には3くらい。

10.簡潔な佳品。

12.突然難しいのが紛れ込んでる。

15.3小節目左手、スラーの最中に「離せ」という印がある、指もそうなっている。スラーが間違いなのか、こういう書き方があるのか、よく分からない。全部つなげようと思えば、最初を5212とすれば可能。

16.15と共に対位法を学ばせるための編曲、譜面面よりは弾きにくい。

17.ほとんとエチュードです。

18.シューマンの名曲をCとは何事かと怒られそうだが、私の経験では子どもはまず喜ばない、私自身さほど良い曲だとも思わない。中間部の右手保持音をどこまで厳密に要求するかで難易度は大分変わる。

19.左のメゾスタカートとテヌートとスタカートの違い、多分それの練習でしょうからそれをきちんとさせないと無意味。

26.最後から7小節3拍目、右手1とあるがたぶん5の間違い。

27.ハイドンのソナタHob16-9の3楽章、この手の曲集によく収録されている。このフレージングでもよいが、アウフタクトを全部切ってもいいと思う。

28.和音のエチュード。

30.後半の左手に出てくるGからFisへの54は、余り子どもにはさせたくない。

35.テーマだけ。終わりから2小節目最初、右手の指41から3というのは賛成できない。52から4の方がまだましだし、21から3そして521というのがいいんじゃないかな。

総合評価  C

 いい本です、先生にとっては。

 バロックから現代まで幅広く、さまざまなテクニックを含む曲を選曲してあります。教師は余り何も考えずにこの本を隅々まで使うこともできます。

 ただ当研究会は評価の基準の重要なポイントに「子どもが喜ぶかどうか」という項目があります。おそらくこの本は子どもは余り喜ばない。

 昔からの定番の曲に良いものはあります。しかし半ば近くを占める現代物にこれといった作品がない、少なくとも私の記憶に残るものはない(あえていえば22かな)。その現代曲の中にもほとんど現代曲とは感じられないものも結構ある、よほど優れた曲ならばともかくあえて収録する意味があるのかどうか首をひねる。まだしも「ピアノの広場」のように、出来不出来はともかく完璧な現代曲を収録する方がはるかに教育的だと思う。

 版を重ねているようであり、一部の先生からは高い評価を得ているのであろうが、当研究会としては余り高い評価を差し上げることが出来ない。

 指使いは非常によく考えられている(ごく一部異論あり)。少なくともこの方がピアノ教師として相当の能力をお持ちであることはよく分かる。

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