あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

ロマン派ピアノ小品集 4    ヤマハ

5冊あるシリーズの4冊目、ヤマハの難易度表ではチェルニー30番クラスとある。校訂は神野明氏

曲名 作曲者 難易度 評価
野ばらによす マクダウェル  9  A
はじめての悲しみ シューマン  8  A
勇敢な騎手 シューマン  7  A
狩りの歌 シューマン  8  A
シチリアの踊り シューマン  9  A
甘い夢 チャイコフスキー  9  B
ワルツ チャイコフスキー  9  A
お爺さんの踊り カルガノフ  9  B
ロンド シューマン 12  B
イタリアの水夫の歌 シューマン 11  B
野外での舞踏曲 クラック  9  B
ロンドミニヨン バウムヘルダー  9  B
ベニスのゴンドラの歌 Op.30-6 メンデルスゾーン 12  A
小さい狩人 クラック  9  B
ムソルグスキー 12  B
ドイツ舞曲 D.783-10 シューベルト 10  B
ワルツ Es ショパン 12  A
ワルツ a ショパン 12  B
カンタービレ B ショパン 12  A
プレリュード №4 ショパン 12  A
感情 グリンカ 10  A
ギャロップ グリンカ 11  B
ボーイズ メリーゴーラウンド ゲーゼ 11  B
暖炉のお化け クラック 10  B
妖精の踊り グリーグ  9  A
魔女 チャイコフスキー  9  B
ひばりの歌 チャイコフスキー 10  C
綱渡り クラック 12  C
ワルツ A ウェーバー 11  C
ファンタジーダンス シューマン 13  B
ワルツ Op.38-7 グリーグ 12  A
子守歌 Op.124-6 シューマン 10  A
ロマンス Op.201-12 グルリット  8  A
嘆き Op.201-18 グルリット 10  B
(無題) Op.20-1 キュイ  9  B
マズルカ グリンカ 11  B
仲直り レーガー 11  C
生意気 レーガー 11  B
アリエッタ グリーグ 11  A
タンゴ アルベニス 14  A
子どものための小品集より Op.72-2 メンデルスゾーン 12  B
マズルカ Op.68-3 ショパン 14  A
サンタクロースのおじいさん シューマン 13  A
追憶 シューマン 12  B
愛しい五月よ シューマン 14  B
春の歌 シューマン 12  A
ポロネーズ ト短調 ショパン 11  B

○野ばらによす これは定番だが、見た目より弾きにくい。

○はじめての悲しみ シューマンの「こどものためのアルバム」から多く取られている。そちらを参照のこと。

○勇敢な騎手 「乱暴な騎手」とも訳される。

○狩りの歌 「小さい」という形容詞が入っている場合がある。

○甘い夢 チャイコの「こどものためのアルバム」から4曲入っている。

○ワルツ これは名曲。華やかにね。

○お爺さんの踊り 付点8分と32分音符のリズムに注意。「お爺さんの」だから、少しゆっくりめに弾くンでしょう。

○ロンド 突然難しくなる。

○野外での舞踏曲 ピアニスティックに書かれている。

○ロンドミニヨン 軽快に。

○ベニスのゴンドラの歌 一番有名なもの。

○涙 知る人ぞ知る、古くから知られている曲であるが、楽譜を見るのは久しぶり。

○ドイツ舞曲 D.733とあるが783の誤り。思い切った転調がある。

○ワルツEs いい曲をひっぱり出してきましたね。これはダカーポして、前半部分をもう一度弾くのが妥当と思われる。

○ワルツa この方が前曲より有名かも。でもできばえは前曲の方が上だろう。

○カンタービレ 短いのが残念、という曲。

○プレリュード 言わずと知れた名品。

○感情 感傷に満ちている。

○ギャロップ 軽く弾くのは結構難しい。

○ボーイズメリーゴーラウンド ゲーゼ(ガーデ)の曲が最近日本に多く紹介されている。これはピアニスティックに書かれていて 割と面白い。

○暖炉のお化け 全音では「煙突の中のお化け」。

○妖精のおどり これはあちこちで見かける。

○魔女 「パパヤガ」です。不気味に。

○ワルツ 歴史的にみた最初の「ワルツ」はウェーバーの「舞踏への勧誘」だそうなんですが、これはそれより 後の作品なんですかねえ。まだ、あまりワルツらしくはないんですが。

○ファンタジーダンス これは「音楽帳」の一曲。速く弾くと難しい。

○子守歌 これも「音楽帳」。その中で一番いい曲じゃないかな。

○ロマンス 音楽としてはA。ただ教材としては相当手が大きくない限り使いづらい。

○(無題) 昔はキュイの作品なんぞお目にかかることはなかったが、近年春秋社からロシア5人組集が出たりして、 ちょくちょく見かける。

○仲直り レーガーの曲もよく紹介されるようになった。ただ子ども向きの曲が結構あるとはいえ、レーガーの書法は 難解というか、微妙に弾きにくい。この曲は後半の32分音符が印象に残る。

○生意気 非ピアニスティックな曲。レーガーという人はピアノはうまかったのだろうか?

○追憶 「想い出」とも訳される。

○愛しい五月よ ここらへんがシューマンの「子どものためのアルバム」の中で一番難しい曲。

○ポロネーズ 最後に持ってくるほどの曲とは思えないが。

総合評価      A-

ちょっと迷いました。目新しい曲もあるけれど、評価するほどのものはないから結局Bかなとも思ったんですが、この難易度のロマン派の優れた曲を一冊にまとめてあるような本というのは、他に心当たりがなく、まあ、便利な本かと思うので、 おまけのAです。

先生にとっては、シューマン、グリーグあたりは個別に必携の本。ショパンの遺作の優れたものをうまく集めてあるところが 嬉しいかも。

これくらいの(9~13)難易度は従来、ソナチネからソナタへの移行期で、教材に恵まれていない部分であったが、この本の出現で、生徒たちにたくさんの本を買わさずとも、うまく移行できるかもしれない。

難易度順ということに気を配ってあるのかどうかがやや不明、順番にほいほい与えていくようなことはやめたほうがいいかも。

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