あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

たのしいピアノ曲集 こどもだってジャズ&ロック  橋本晃一作曲   ドレミ楽譜出版社

やっと本が届きました。久しぶりの橋本晃一さんの登場。しかもこれは編曲ではなくてオリジナル作品集です。 難易度はブルグミュラー程度とあります。それを意識してかどうか曲数が25曲になっています。

曲名 難易度 評価
キラキラ星は夢の中  5  B
インディアン・ロック  5  A
メリーはひつじとハイキング  5  A
はじめてのブルース  5  B
アヒルくんワルツを踊る  6  A
ウォーキングブルース  6  B
ピアノオンザロック  7  A
サマータイム・メモリー  6  B
牧場は大さわぎ  7  B
やさしい気持ち  6  B
しかられちゃったブルース  6  C
おはよう!ロック  7  A
ブラックキャットブルース  7  A
サイクリング・ラグ  7  B
気楽にいこうよ  5  B
悲しい片思い  6  B
ウキウキブギウギ  6  A
星降る夜のラブソング  6  B
ポップコーン・ラグ  6  A
あやしいやつを追いかけろ  7  A
勇気とやさしさと  6  B
ランニング・ブギ  7  B
ミスター・ベースマン  7  B
ハイウェイ・ブギ  7  A
オールド・トレイン・ブギ  8  A

○キラキラ星は夢の中 前奏と後奏はペダルを使う方がきれい。

○インディアン・ロック ロックというからには少なくとも普通の強拍のアクセントをつけるべきではない。 2,4拍目に、合いの手を入れてやると感じが分かるかな。

○メリーはひつじとハイキング Aとしましたが、喜ばない子供もいるかもしれない。

○はじめてのブルース コード進行は定型だが、右手でそれを打ち破ろうとしているような、微妙な感じ。

○アヒルくんワルツを踊る 「気のいいアヒル」のパロディだが、十分別作品になっている。

○ウォーキングブルース Bにしたのは私がこの定型パターンに飽きてきているからかも。最後の小節は 本来はペダルでベースの音を残しているべき。

○ピアノオンザロック これがすいすい弾けたら、左手が独立できているということでしょう。

○サマータイムメモリー ゆったりと、かな。

○牧場は大さわぎ 面白いといえば面白いのだが、あまりにも多くの曲が混じっていて、ちと耳ざわりだなあと思うのは、 わたしの老化現象か?

○やさしい気持ち 中間部の転調がきれい。これも最後の小節はペダルがほしい。

○しかられちゃったブルース 減5度と増4度をベースにした多分に実験的な作品。

○おはようロック 微妙に弾きにくいかもしれない。

○ブラックキャットブルース アクセントやらテヌートやらをきちんと見ること。

○サイクリングラグ 軽く楽しく。

○気楽にいこうよ 左がすべて同じなので易しい。

○悲しい片思い 最後は記譜どおりの8分音符だと思う。

○ウキウキブギウギ そこそこ速い方がいい。

○星降る夜のラブソング ちょっぴりディズニーっぽい。

○ポップコーン・ラグ これはなかなかいい曲。

○あやしいやつを追いかけろ アニメのミステリーもののBGMにでも使えそう。

○勇気とやさしさと マイナー部分が勇気、メジャーの部分がやさしさ、ということではないでしょう。 多分「勇気とやさしさ」は混在しているもの。

○ランニング・ブギ いかに乗れるか、でしょうね。

○ミスター・ベースマン 結局定型しか感じさせない、ということはAとは言えないんだろうなあ。

○ハイウェイ・ブギ 左legatoとあるが、歌うレガートではない。音を離さないという意味でしかない。むしろ テヌート気味のほうがいい。

○オールドトレイン・ブギ これは蒸気機関車というものを知っている世代には名曲だろうけどなあ。

総合評価     A

25曲中半数近くが評価Aということで、文句なしの総合評価Aなんだけれど、主観的には-をつけたい気分がないわけではない。

ある意味やむをえないことなんだろうけれど、作品の傾向が偏りすぎている、というのが一つ。

教材としてみた場合、テクニック的にも偏りがありすぎる、この一冊をすべて終えるのとブルグミュラーをすべて終えるのと、 もちろん後者の方が、幅広いテクニックが身につく。

ま、しかし、それらはないものねだりというべきで、曲集としてみた場合、この本が掘り出し物とでも言うべき 作品集であることは間違いない。

先生は当然持っているべき、優秀な生徒、あるいはクラシック系以外のものを喜ぶ生徒には買わせて併用曲集として使用してもいいだろう。

ブルグミュラー程度とあるが、ブルグミュラー前半程度というべき。難易度は揃っている。外版で 「チェルニーさん万歳」という面白いジャズの曲集があり、私は国内版が出ないものかと思っていたが、 この本の出現で、もういいかな、という気になった。

どちらかといえば橋本さんは叙情的なものより、のりのいい作品の方がうまいという気はする。

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