あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

バイエルからソナチネへ わたしはピアニスト 2  田中雅明編 入野義朗監修 全音

選曲良し、編曲にいまいちの感があった「わたしはピアニスト」の第二巻。

番号 曲名 作曲者 難易度 推薦
 1 魔弾の射手 ウェーバー  5  ☆
 2 ハイキング 外国曲  5  
 3 天国と地獄 オッフェンバック  5  ☆
 4 はさみとぎ イタリアのうた  4  
 5 ガボット ホーク  4  
 6 アラベスク ブルグミュラー  6  ☆
 7 マルモット ベートーヴェン  5  ☆
 8 夢のかりゅうど アメリカのうた  5  
 9 おまつり グルリット  5  
10 牧歌 ブルグミュラー  6  ☆
11 春へのあこがれ モーツアルト  5  ☆
12 牧人の歌 ベートーヴェン  5  
13 メロディー シューマン  5  
14 家路 ドヴォルザーク  5  ☆
15 ヨーデル スイスのうた  6  
16 勝利をたたえる歌 ヘンデル  5  ☆
17 闘牛士の歌 ビゼー  6  ☆
18 イタリアの古い歌 パイジェルロ  6  
19 バラード ブルグミュラー  8  ☆
20 波のりこえて ローサス  6  ☆
21 金の星 ストリーボッグ  6  ☆
22 タランテラ ブルグミュラー  9  ☆
23 ロチェスター・マーチ 外国曲  6  
24 タンブラン ラモー  6  ☆
25 ミュゼット バッハ  6  ☆
26 猟人の合唱 ウェーバー  8  ☆
27 つむぎうた エルメンライヒ  7  ☆
28 モルダウの流れ スメタナ  7  ☆
29 友よさようなら 田中雅明  6  
30 舟歌 ハック  7  ☆
31 かっこう鳥の歌 ポップ  8  
32 ガボット バッハ  5  ☆
33 小さなワルツ 田中雅明  6  
34 たのしい農夫 シューマン  8  
35 ナポリの踊り歌 チャイコフスキー  7  ☆
36 少女の願い 田中雅明  7  
37 トルコ行進曲 ベートーベン  7  
38 人形の夢と目覚め オースティン  8  ☆
39 春のワルツ 田中雅明  8  
40 人形のお葬式 チャイコフスキー  9  ☆
41 思い出 田中雅明  6  
42 小さな歌 カバレフスキー  6  ☆
43 しりとり 高橋冽子 10  
44 おやすみ 田中雅明  7  
45 ドナウ河のさざなみ イバノビッチ 9(7)  ☆
46 月曜日の音 入野義朗  8  
47 ソナチネ ベートーベン  7  ☆

1.12小節目の左は長8度を嫌ったものだろうが、ドソミソで構わないと思う。

2.3度の連続がある。

3.これは使える。子供に大人気。右ページ2段目最初の右、53とあるが54の方がいいと思う。

4.易しい。

5.ポジションの移動なし。相当古い曲のような感じもする。

6.説明の必要もないお子様名曲。

7.自分で言うのもなんだが、わたしの編曲の方が易しくかつ効果的。

8.曲そのものはいいが、指使い的にちょっと使いたくない気もする。

9.見た目よりずっと易しい。右ページ3小節目右は34○○とあるが2341がいい。

10.これも「別巻その3ブルグミュラー特別研究」の方で見てください。

11.これは使える。

12.バスティンにもう少し易しくかつうまい編曲がある。

13.こういうところに並べてみると、大分手が込んでいるのが分かる。

14.終わりから2,3小節目の右手の中声のDを省くと、小さい子でもいける。

15.4段2小節目の左はAGFisEのミスプリかと一瞬思うが、違うんでしょうなあ。

16.3度の連続あり。

17.割とよろしい。

18.ベートーヴェンがこの主題で変奏曲を書いていて、それで有名だが。最後のフェルマータの箇所の左を省いている、 難しいと思ったのだろうか? いくらなんでもちょっとまずいと思う。あと、微妙な改変あり。

19.これも別巻3参照のこと。

20.まあ使えるが、「波濤を越えて」でいいんじゃないの。何でもかんでも易しく言い換えるのがいいってもんじゃない。 子供のころは言葉をすぐ覚える。「はとう」って何のことかな、と心のどこかにくすぶっていて、ある日ふと解決するのがいい。

21.これも代表的お子様名曲。

22.これも別巻3。どうも編者はブルグミュラーをずいぶん易しいと思っているようである。

23.付点を正確に取らせると、少し難しい。

24.メロディーはそのままだが、雰囲気は大分変わっている。まあ、使えるが。

25.Anh.126。単純明快なアーティキュレーション、これもあり。

26.私は、使うときには、繰り返しの手前の左をADFis、ACisG、DFisに変える。

27.少し易しくしてある。

28.これはほとんど傷のない編曲。

29.感傷に満ちたメロディー。

30.ほんのわずか易しくしてある。

31.これもほんの少し易しくしてある。親切のつもりなんだろうが無用と言うか、この曲の場合などは むしろ有害だと思う。作曲家の思う最善の和音のポジションを勝手に変えて明らかに響きが悪くなっているのだから。

32.イギリス組曲3番のガヴォットの中間部のミュゼット。

33.はずんで。

34.これはぶち壊しに近いと思う。

35.これも微妙に味わいは変わっている。

36.これは準推薦クラス。

37.複前打音を全部省くなど、大分易しくしてある。微妙に和音の位置も変えて、準推薦クラスになっちまった。

38.定番ですな。

39.最初の和声進行は奇をてらってるんでしょうかね。

40.こういうのは初心者には難しい。

41.2段目がややみずらいか。

42.これは近代のお子様名曲。表現を大きく。

43.何がいいのかよくわからない。

44.叙情的に。

45.オクターブを省くと7.

46.日本の12音主義の大御所、入野義朗さん。私は12音主義の実験はソ連の実験と同じようなものだったと思っている。

47.ト長調のソナチネの1楽章。

総合評価    B+

推薦マークがずらっと並びました。しかしやっぱり評価Aとは言えないだろうなあ、ということですね。

一つには、やはり編曲者の編曲の腕前がいまいちであるということ。大学の試験にたとえれば60点取れるかどうか ぎりぎりくらいなのである。作品のたびにはらはらしなければならないという感じ。

それと、このシリーズの方針なのだろうが、安易に曲の改変をしすぎる。オケの編曲は当然あってもいい。ピアノ曲の編曲もそれが難易度の高い作品を初心者にも弾けるようにうまくなされたものならば、もちろんいい。しかしせいぜい難易度を一つか二つ下げるための編曲というのは、基本的に首をひねるし、ほとんど難易度の変わらないものまである。もちろん少しは弾きやすくなっているのだがそのために原作者の意図したものは壊される。ほんの少し易しくなるからといって、むやみに和音のポジションを変えてはならない。 結局それはこどもたちの音・響きに対する感性を奪うことにつながりかねないのである。

難易度と曲の順番はだいぶ無茶苦茶である。私の難易度が絶対正しいとは言わないが、それでもこの本の曲順 よりは私の難易度順に並べた方が大分ましだと思う。

選曲はいい。編者本人、およびその関係者のものを除くと、ほぼ全曲が使える曲ばかりである(編曲が優れていれば という但し書きはつく)。結局それでこのシリーズはもっている。

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