あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

楽しく学べるバイエル併用曲集 わたしはピアニスト 1 田中雅明編 入野義朗監修   全音楽譜出版社

これは相当古くからある曲集。全曲、田中さんの作曲もしくは編曲というスタイルである。

 

番号 曲名 作曲者 難易度 推薦
 1 かっこう ドイツのうた  3  
 2 ジングルベル アメリカ曲  3  
 3 ぶんぶんぶん ボヘミア民謡  3  ☆
 4 雨上がり シュミット  2  
 5 かごめかごめ 日本わらべうた  2  ☆
 6 ちょうちょう スペイン民謡  3  ☆
 7 みずぐるま チルヒ  3  
 8 シーソーにのって ツェルニー  3  
 9 かわいいワルツ ツェルニー  3  
10 とけい 田中雅明  3  
11 そよかぜ ベーア  3  ☆
12 パパのたんじょうび フランスのうた  3  ☆
13 こもりうた ディアベリ  3  
14 むすんでひらいて フランスのうた  3  ☆
15 メリーさんのひつじ アメリカの曲  3  ☆
16 マーチ 外国曲  4  
17 おおスザンナ フォスター  4  ☆
18 きらきら星 フランスのうた  3  ☆
19 狩り パガニーニ  4  
20 人魚のうた ウェーバー  4  ☆
21 チューリップ 井上武士  3  
22 おほしさま さんびか  3  
23 アレキサンダーマーチ 外国曲  4  ☆
24 ロングロングアゴー スコットランドのうた  4  
25 シューベルトのこもりうた シューベルト  4  
26 小川のワルツ 外国曲  3  
27 みつばちのマーチ 作曲者不明  3  ☆
28 きよしこの夜 グルーバー  4  ☆
29 どんぐりころころ 梁田貞  4  ☆
30 子ぎつね ドイツのうた  3  ☆
31 スワニー河 フォスター  4  ☆
32 たき火 渡辺茂  4  ☆
33 文部省唱歌  4  ☆
34 わかれ ドイツのうた  4  ☆
35 こいのぼり 作曲者不明  4  
36 かわいいオーガスチン ドイツのうた  4  
37 春が来た 岡野貞一  4  
38 気のいいがちょう ボヘミアのうた  4  ☆
39 かけっこ 田中雅明  4  
40 よろこびのうた ベートーヴェン  4  
41 カーニバル 田中雅明  4  
42 あまだれ 田中雅明  5  
43 うるわしの河 外国曲  4  
44 白鳥のワルツ チャイコフスキー  5  ☆
45 チャップスティック ヒルスター採譜  5  ☆
46 スケーターズワルツ ワルトトイフェル  6  ☆
47 星明りのワルツ ブレイナルド  6  
48 愛のロマンス スペイン曲  5  
49 チクタクとけい ツェルニー  5  
50 ユモレスク ドヴォルザーク  5  
51 バラのおどり 田中雅明  6  
52 さくらさくら 日本古謡  5  
53 砂漠のバラ 外国曲  6  ☆
54 ト調のメヌエット ベートーヴェン  6  
55 クシコスの郵便馬車 ネッケ  7  ☆
56 ねこふんじゃった 作曲者不詳  5  ☆
57 ほたるの光 スコットランドのうた  5  ☆

1.流布されているものとメロディーが異なる。

2.7小節目に1の和音を使っているが、これは属7でしょう。

3.これは傷のない編曲。

4.併用曲集でちょくちょく見かけるが、ま、どうということない。

5.左はEのみ。付点4分の練習になる。

6.3と同じく、伴奏形を変えて2番まである。

7.4と同じく、どうってことない。

8.題名はよく考えてある。

9.まあ、ツェルニーですな。

10.没個性的というべきか、この本の流れにそのまま納まる。

11.難易度3のなかでは難しい方。繰り返しはつけること。

12.推薦にはしたが、11,15小節左頭、私ならDにする。この方は微妙な和声感覚にやや欠けているところがあるような気がする。

13.これを「こもりうた」と名づける感覚が私にはちょっと理解できない。こもりうたなら、左手は付点四分 くらいの動きになるはず。

14.一応推薦マークはつけたが、それほどいい編曲でもない。

15.付点8分が出てくるので、読譜的に難しい。

16.16分音符ということで、ある程度の速さを前提として難易度4。

17.歌を知っている人間は、前半の繰り返しがないと違和感を覚える。

18.これは傷のない編曲。

19.準推薦かな。指使いだが、9、11小節よくない。8小節終わりから132,312,321,342です。

20.バイエルに準拠しているため高音域になってしまうので、まあ、こんなものでしょう。

21.全音の黄バイエルの編曲の方がいい。

22.かわいいアウグスティンに似てる。あっちの方が子供は喜ぶ。

23.左メロディの部分が難しい。

24.3段目がちょっと苦しい編曲

25.11小節に一工夫ほしい。

26.これはワルトトイフェルの「ワルツ」で、会員の皆様には私の編曲をお配りしてありますが、自分で言うのもなんですが、 こちらのはまずいでしょ、特に11~12小節はⅤ→Ⅳの進行で、通常はありえない。11小節の和音はCのメジャー7 (副7の和音)と捕らえることが出来れば、こういう奇妙な連結にはならないのです。(3の和音と捕らえてもいいですが 左の進行が難易度的に難しくなります。)

27.ここからやっとヘ音記号が出る。

28.推薦マークはつけておきましたが、最低限の水準という感じ。この本をしている子供の半分くらいがこの程度の伴奏なら つけれるでしょう。

29.これも4段目に一工夫欲しいなあ。

30.速く弾きすぎると、左が難しくなる。

31.推薦マークは入れておくが、12小節は属7のほうがいいと思う。

32.最後の左、私ならCEにする。

33.付点8分の練習になる。

34.中間部の最後の左をEにした理由はよく解らない、Cで問題ない。少なくとも最初の繰り返しはつける。

35.これは指使いに初心者にはさせたくないことが多すぎる.教材としては不可。

36.こういうポジションを選ぶというところが、響きに対してのセンスがないなあ、と思うところ。

37.これは伴奏に傷はないが、教材としてはやや不向きな指が多い。

38.これは珍しくいい編曲。

39.どうってことない。

40.これもさほどいい編曲とは思えない。

41.どうってことない。左の指使いがあちこちひっくり返っている。

42.重音のレガートをどこまで要求しているのだろう。厳密に要求すれば相当難しい。弾く価値のある曲とは思えないが。

43.こういう題名なんですかね。

44.終わり方は気に入らないが。

45.これも私なら微妙に違う和音を使うが。

46.最も易しく編曲した部類か。

47.これは改悪。ほんの少し易しくなっただけで、和音の最適位置をずらしてしまった。

48.これは和音そのものの選択に少し首をひねる。

49.他の本でもたまに見かけた。最近の本ではさすがにあまりないが。

50.私は使う気にはなれない。

51.この人の作品のなかでは一番いいかも。

52.ユニゾンなんだろうが、平行8度のような気もするし。確かなことはこの人は編曲のセンスはあまりないなということ。

53.なんか聞いたことがあるような気もするが、あまり他で見たことのない曲。

54.右手はそのままで、左を易しくしてある、というこの方独自の編曲方式。

55.これはまあ使える。

56.これは楽譜を使わずに教えてやる方が多分習得が早い。

57.ちと苦しいが、まあ使える。

総合評価   B-

半数近くに推薦マークはついてるんですがね、あまり評価する気にはなれない曲集です。

つまり、まあ、編曲者の腕前が平均して60点程度、理論も何もまったく知らないが少し才能のある5,6歳の子供が つけるのと同じ程度の伴奏がついているという感じですね。明白な誤りというのはあまりないですが、よく見れば 微妙に傷がある、そういう編曲が多い。

当会おなじみの橋本さんあたりと比較すると、その差は歴然です。どちらもあまり装飾をつけない必要最小限の 編曲が多いですが、橋本さんのは実用品ながらすみずみまで仕上げもきちっとしている、こちらはところどころに 雑というか、収拾に困った箇所が見受けられる、ということですな。

推薦マークが多いというのは、選曲が優れているということ、その選曲で一応最低の合格ラインには達している というものが半数ほどあるということです。ちと推薦マークの基準が甘かったかもしれない。

バイエルに準拠しているため、はじめすべてト音記号。これもあまりいいことではない。

ほとんどすべて右にメロディ、左に分散和音系の伴奏、これもまあ、単純といえば単純。

バイエルが終わった子供あたりにプレゼントしてやると、それなりに喜んで勝手に全部弾くかもしれない、という気はする。 困難さを感じることはあまりないと思われる。これが長所かな。

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