あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

ケーラー こどものためのアルバム Op.210   全音楽譜出版社

これは古くから紹介されている曲集である。ケーラーはいわゆるソナチネアルバムの編者としても名高い、ロマン派時代の 有名なピアノ教師である。

番号 曲名 難易度 評価
 1 お庭で  4  
 2 こどものワルツ  5  
 3 こども部屋でのダンス  5  
 4 大好きなところ  5  
 5 運動場で  5  
 6 子守歌  5  
 7 兵士の歌  5  
 8 かけ足行進  6  
 9 夕べの歌  6  
10 市場で  5  
11 こどもの朝の祈り  6  
12 おばあさまのワルツ  6  
13 ポルカ  6
14 メヌエット  6  
15 ガロップ  7
16 スイスのメロディー  7  
17 夕べの祈り  6  
18 スティリア民謡  7  
19 教会にて  6  
20 学校の帰り  6  
21 ポルカマズルカ  7  
22 マズルカ  6  
23 エチュード  7  
24  7
25 クリスマスの鐘  6  
26 ワルツ  6  
27 チロルの歌  7  
28 旅人の歌  7  
29 山の歌  8  
30 小川の水車  8  

1.右手はポジションの移動なし。

2.ときどき併用曲集で見かける。

3.大きな流れを掴むこと。

4.落ち着いて。速く弾くと3度が難しくなる。

5.付点が飛び跳ねる様を表している。

6.左手がうるさくならないように。

7.同じ音型のアーティキュレーションの違いに気をつけて。

8.ケーラーは装飾音をうまく使った曲が多い。これもその一つだが、後述の推薦曲よりは劣る。

9.一日の終わりの神への感謝の祈りの曲でしょうか。こういうのは日本人は苦手だが、マスターする必要はある。ペダルの練習に使ってもいい。 準推薦。

10.後半は市場がにぎやかになってきているということですかな。

11.朝で子供ということもあって、やや活気がある感じ。9よりは劣る。

12.おばあ様だから、あまり速くは弾かないように。

13.古くから知られているお子様名曲。繰り返しはつけたほうがバランス上良い。

14.メヌエットだから落ち着いて上品に。

15.これも古くから知られている曲。

16.見た目ほど易しくはない。アルペジオの練習になるかな。

17.左手が喧しくならないように。

18.重音の練習になる。

19.完全な4声体のコラールだが、もう少しできの良いものが他にいくらでもある。

20.それなりに面白いが、やはり感覚が古いというかやぼったい感は否めない。

21.あまり速くはない。古きよき時代を思い起こさせるような感じがする。準推薦。

22.あまりマズルカらしくはない。

23.主にスケールの練習。

24.しみじみと懐かしく。

25.私は知らないが、ドイツの教会の鐘には低音でグワングワン響くものがあるのだろうか。左手はそういうものの 模写だろう。

26.ポジションの移動が少なく、割と易しい。

27.ヨーデルを知っていると、感じがわかるのでしょうが。レリホ(レシソの箇所)ですね。準推薦。

28.分析をしてみると、前半はトニックがずっと続き、後半はドミナントが長く続く。何となくまとまりが悪い と思ったのはそういうゆえですかね。

29.割と良い曲だが、中間部の伴奏型の不統一が気になる。準推薦。

30.これも妙に違和感を感じる曲である。

総合評価   C

曲集全体についての印象は、一言で言えば、野暮ったいというか、感覚が古いというか、そういう感じがする。

19世紀初期の作品だから当たり前ではないかと思われるかもしれないが、そうではない。私はモーツアルトの作品に 感覚の古さやら野暮ったさは全く感じないからである。

時代の制約はあるのが当たり前であるが、その制約の中で最高度のものを発揮した人間と、そうではなかった者の差であろう。作曲家としてケーラーが二流ないし三流としか評価されていない理由である。

中に数曲、今後とも生き残るであろう曲がある。特にポルカはピアノの先生は知っておく必要がある。ただそれらは併用曲集などによく含まれていて、わざわざこの曲集 を買う必要があるかどうかまでは疑問である。

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