あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

カバレフスキー 子どもピアノ名曲集 Ⅲ     レッスンの友社

ごく初期に1巻を取り上げました。今回3巻を取り上げます。2巻をとばしているのは他意はありません。単に私が以前 この巻に載っている「ロンド」を調べるために3巻を購入したという理由によるものです。その昔レッスンの友社の楽譜は値段が高いと思っていたが 近年他の出版社のものが結構高くなり、あまり高いという印象がなくなってしまった。いいことなのかどうなのか。

  曲名 難易度 推薦
子どものための変奏曲集    
  1 ロシア民謡変奏曲 Op.51-2  9  
  2 ウクライナ民謡変奏曲 Op.51-4 11
  3 ウクライナ民謡による6つの変奏曲 Op.51-5 12  
  4 やさしい変奏曲(トッカータ) Op.40-1 11  
子供のための6つの小曲集 Op.88    
  1 12
  2 どちらがおしゃべり 11  
  3 手回しオルガンのおじいちゃんのお話  9
  4 コントラスト 10  
  5 風変わりなワルツ 10  
  6 いたずらっ子  9  
三つのロンド Op.30    
  1 ぶどうがりの歌 18  
  2 フォーク・ダンス 15  
  3 マーチ 17  
ロンド Op.59 21

Ⅰ-1 3ページしかない短い変奏曲。でも子どもにとっては初めての大曲となるかもしれない。

2 4小節目右頭2とあるが3のミスプリの可能性あり。左はバグパイプ。発表会に良い。

3 変奏2の5小節右2拍目の指番号が一音ずつずれている。

4 テーマの前にプレリュードがあり(これが最も近代的)、変奏5、6で突然叙情的になる。後半なかなかいいので準推薦。

Ⅱ-1 自由に想像を膨らませて。

2 交差の練習曲という感じ。速くすると難しくなる。

3 カバレフスキーのロマンティシズムがよく出ている。

4 どうもどこかで見たような曲が並んでいるな思っていたらOp.88だけは全音から出ていて前に調べてますねえ。ここまでで難易度の差が 1しかなかったのが嬉しい。(揃えました)。「夢」は今回は準推薦くらいかなと思っていたら前は推薦にしてますので これも揃えました(私の評価なんてその程度のものですので、あまり絶対視しないように)。

5 弾きこなさないと味は出せないでしょうね。

6 これは相当速く弾くこと。16分音符はいわゆるローリング奏法で(手首の回転運動で一気に5音弾いてしまう)。

Ⅲ-1 以前難易度17としていたが18に修正しておきます。

2 段々踊りがにぎやかに派手になる。

3 モデラートのマーチだから、あまり速く弾かずに堂々と行進するように。

Ⅳ カバレフスキーのペーソスが感じられる傑作。極めてピアニスティックに書かれている。これの次はソナタの2番あたりになるだろう。

総合評価   A-

カバレフスキーの中級程度の作品集になります。これくらいになると曲集は無数にあって、このカバレフスキーのものが特に傑出しているというわけでもない。まあ、使える曲集の一つくらいの位置づけでしょう。

にもかかわらず評価Aとなったのは、これはひとえに最後の「ロンド」のおかげ。以前調べた時もなかなかいい曲だなと思ったのですが、 今回弾いてみてこれは傑作だなと評価がさらにアップ。20世紀の作品でこの程度の難易度のものは数が少ないだけによけいに貴重です。

他、近現代の変奏曲というのは数が少なく、これもカバレフスキーが圧倒的に多い。教材としては役に立つでしょう。

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