あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

大村典子ピアノ・ピース・セレクション 歳時記 C   音楽之友社

このシリーズが出されて20年になるが、店頭では相変わらずほぼ全巻見かける。息の長いシリーズである。当会では4冊目かな。

番号 曲名 作曲者 難易度 推薦
 1 春のめざめ L.E.バッハ 16  
 2 そよ風に吹かれて 高木東六 13  
 3 春の夜曲 高木東六 18  
 4 舟歌 チャイコフスキー 16
 5 入道雲の大きな顔 池辺晋一郎 13  
 6 波のアラベスク 三善晃 13
 7 ぶどう狩りの歌 カバレフスキー 18  
 8 瓶の中の秋 Ⅱ 兼田敏 14
 9 赤とんぼ変奏曲 三宅榛名 16  
10 秋に マクダウェル 15
11 冬 Ⅰ シューマン 13  
12 冬 Ⅱ シューマン 14  
13 雪の降る夜 兼田敏 12  
14 雪に響くソリの鈴 ギロック 13
15 クリスマス チャイコフスキー 18
16 春に寄す グリーグ 17
17 さくら幻想曲 平井康三郎 18

1.L.E.バッハという人物は私の調べた限り大バッハの一族にはいない。書法がロマン派であるから、まるきり関係ない バッハさんなのか、遠い子孫の一人なのか不明。

2.これと次の曲は他では入手困難。相当古い曲のはずだが、フランス風あるいは都会風なエッセンスに満ちた おしゃれな曲。半ばポピュラー、サロン音楽ということで作曲家内部では評価が低いようだが。フォーレを解りやすく したような感。準推薦。

3.ややエチュード風。後半は大分派手で難しい。

4.一覧表では17ですが、修正しておきます。

5.描写音楽。好みは分かれそう。

6.「海の日記帳」の最終曲。この本の中では比較的分かりやすいが、それでも現代物初めての人はてこずるだろう。

7.左の10度の伴奏を省いていいというのは作曲者の言。

8.2002年に亡くなられた兼田さんの作品はブラスバンド関係が多いが、ピアノ曲でもなかなかしゃれた作品を おつくりになっている。ただし楽譜の入手が難しい。これも今はこの本でしか見られない。

9.Var.3だけが極めて異質(Var.5もやや異質)。「美しい」路線で統一しても良かったのではないかと思う。

10.マクダウェルには良質の描写音楽が多い。もっと紹介されて良い作曲家である。

11.冬枯れという言葉が似合う。

12.11に比べるとやや活発な動きがあり、後半明るさが見える、春の予兆か。

13.静かに弾くこと。

14.全音版と訳が違うだけ。

15.「四季」の12番。チャイコフスキーはワルツはお得意。

16.天下の名曲。この本が出たころは叙情小曲集の全曲の日本版はまだなかった。

17.譜面は読みやすいが、テンポ次第では相当難しくなる。

総合評価   B+

この本が出たころならAという評価になったかもしれませんが、今となってはBでしょうね。推薦に値するもので この本でしか入手できない楽譜が1曲になっちゃいましたのでねえ。

1,2,3,8,13以外の曲はたやすく入手できる。そしてグリーグやらチャイコやらは当然必須だし、ギロックもまあ、皆さんお持ちでしょう。ということで、新たに買う必然性はさほどないということです。

兼田敏、高木東六の作品は知っていれば損はありません。そういう意味で興味のある先生はやはりお買いになればいいかと。

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