あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

物部一郎 ソナチネからソナタまで  15のピアノ曲集   全音楽譜出版社

これはもう絶版になってしまった本ですが、リクエストがありましたので取り上げます。全音が復刊してくれることを望むばかりですが、( 復刊されました)。

番号 曲名 難易度 評価
 1 ボサノバ  11  A
 2 星の夢  11  A
 3 はやく! はやく!  12  A
 4 セレナード  13  A
 5 5度円のワルツ  14  C
 6 行進曲  11  B
 7 夕ぐれ  12  B
 8 五音音階のバラード  14  A
 9 蝶々  13  B
10 スケルツオ  15  A
11 ロンド  14  B
12 舟歌  14  A
13 ト長調とニ長調のインベンション  16  C
14 モダンダンス  17  A
15 序奏とロンド  17  C

1.繰り返しはつける。2小節1単位のエイトビートで、3+3+3+3+4のところと、3+3+2+4+4のところとある。

2.ひとりぼっちのお星さまの見る楽しい夢、でも目が覚めると・・。とても美しく。

3.長三度を基調としている。ある程度速く弾くこと。

4.AsからHへ転調する非常に美しい曲。読譜とペダルのいい練習になる。

5.Cから5度圏の順に12の調性を経て回帰する、多分に実験的というか、作者が面白がって作ったという気がする。 ただ音楽としてはやはり冗長という感は免れないだろう。E durのところでポリリズムがある。

6.左手にメロディー。AsからCへの転調。

7.C durに微妙に日本的色彩が混じる。

8.繰り返しはつける。結構派手、発表会に良い。

9.完全な描写音楽。Aでもいいのだが、音楽それ自体としての魅力は一段劣るような気がする。

10.八分音符6つを2つに分けたり3つに分けたり。

11.系列的には1,3の延長上にあるが、中途半端に古典派的な感じもする。

12.初めと終わりは端正に、中間部は独特の浮遊感というか揺れがある。

13.完全な複調。

14.8分の6の箇所で、右手の記譜の仕方から3拍子と6拍子が混在していることに気付かなければならない。

15.少々強引な気がする。繰り返しはつける。

総合評価   A

日本人の手になる中級向けピアノ曲集の中の最右翼といえる作品集であろう。どうしてこの曲集が絶版になってしまったか解らない。

同レベルとしては三枝成章の「ブルドッグのブルース」があるが、あちらは少しアメリカっぽい、こちらは一部日本風味を感じさせるものもあるが、おおむねそういう~ぽさはない。

あえて言えば、いい意味でも悪い意味でも色彩感が少ないかもしれない。油彩に対して水彩という感じ。曲集中もっとも美しい4番でも、分厚いという感じはしない。

もう一つあえて言えば、前半の方が出来がいいと思う。

復刊を強く望みたい。

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