あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

ピアノのひろば a サーヴァイ=ヴェスペレーミ編  加勢るり子訳  音楽之友社

1977年初版ですからずいぶん古い本です。表紙には「ピアノの学校併用曲集」とありますが、続編というべきでしょう。 ピアノの学校の2巻の次に使えるかどうか(少し飛んでいる気もします。ひょっとしたら訳されなかっただけでハンガリーではピアノの学校の続きがあるのかもしれません。それの併用曲集、というのならうなづけます)。いずれにせよ国内版のピアノの学校の併用曲集とはいえない。こちらの方が明らかに難易度が上。

番号 曲名 作曲者 難易度 評価
 1 メヌエット リュリ  7  B
 2 メヌエット パーセル  8  C
 3 前奏曲 パーセル  7  C
 4 かっこう クープラン  7  B
 5 幻想曲 テレマン  7  C
 6 幻想曲 テレマン  8  B
 7 ダンス ラモー  7  C
 8 パスピエ ヘンデル  7  C
 9 メヌエット ヘンデル  7  B
10 アリア バッハ  8  C
11 リート バッハ  7  C
12 メヌエット-トリオ バッハ  9  B
13 リゴドン ベーベル  7  A
14 メヌエット F.バッハ  6  C
15 リート C.P.E.バッハ  6  C
16 メヌエット L.モーツアルト  7  C
17 ポロネーズ L.モーツアルト  8  D
18 メヌエット ベンダ  8  A
19 メヌエット J.C.バッハ  7  C
20 メヌエット ハイドン  7  B
21 メヌエット ハイドン  8  C
22 スケルツオ ハイドン  8  A
23 アレグロ へスラー  9  A
24 満足 トュルク  6  B
25 陽気な若人 トュルク  5  C
26 メヌエット モーツアルト  9  B
27 メヌエット モーツアルト  8  C
28 メヌエット モーツアルト  7  B
29 ドイツ舞曲 ベートーヴェン  5  B
30 ドイツ舞曲 ベートーヴェン  5  B
31 エコセーズ フンメル  6  C
32 バレー ウェーバー  7  A
33 エコセーズ シューベルト  6  B
34 ワルツ シューベルト  8  B
35 レントラー シューベルト  7  B
36 ハミング シューマン  6  C
37 コラール シューマン  6  B
38 教会で チャイコフスキー  8  B
39 あたらしいお人形 チャイコフスキー  7  B
40 ハンガリー民謡 バルトーク  6  B
41 ワルツ バルトーク  6  B
42 エチュード バルトーク  7  A
43 こどものうた ウェイネル  7  B
44 民謡 ウェイネル  7  C
45 ダンス サボー  5  B
46 アンダンテ サボー  6  C
47 バルトークをたたえて カドシャ  7  A
48 ブツクサいう熊さん カドシャ  7  B
49 民謡風に セレーニイ  6  B
50 あそび場で セレーニイ  7  B
51 古いハンガリーの踊り ファルカシュ  5  B
52 ハンガリーのクリスマスの歌 ガールドニイ  7  B
53 ハンガリー民謡 コーカイ  6  C
54 ハンガリー民謡 ヴェレス  5  B
55 ハンガリーの子どもの歌 ヴェレス  6  C
56 めんどりのひとりごと ラーンキ  6  B
57 かじ屋の歌 ラーンキ  8  B
58 声部の交換 ハイドゥ  5  C
59 バッグパイプ ハイドゥ  5  C
60 とびはねる踊り タルドシュ  7  A
61 ハンガリー民謡 セルヴァーンスキー  6  B
62 熊さんの踊り シャーライ  9  C
63 こもり歌 シュガール  6  B
64 エチュード シュガール  8  B
65 とんだりはねたり ヤールダーニイ  5  B
66 マズルカ セーニイ  6  B
67 ハンガリー民謡 セーニイ  6  C
68 ジグ カルマール  7  C
69 おかし味 ソコライ  7  C
70 あそび場で ソコライ  6  B
71 はっきりしたリズムで ラーング  7  B
72 変奏曲 パップ  7  B

○1.小節構造が最後で変則になっている。

○2.最初の動機がずっと続く。

○3.ごく短い。

○4.これも単一動機でごく短い。

○5.和声感覚が微妙に今と異なるところがある。

○6.相当速く弾くこと。割と弾きにくい。

○7.小節構造が面白い。

○8.これは繰り返した方がいい、特に前半。

○9.美しいメヌエット。

○10.いやらしく弾きにくい箇所がありおすすめしない。

○11.ここらへん、原曲不明。

○12.指を滑らせるテクニックがある。

○13.これも小節構造が安定していないのが気になる向きはいるだろう。

○15.繰り返しをつけること。

○16.ここら辺から小節構造が安定してきて、古典派に近くなる。

○17.昔のポロネーズにはこういうのもある。

○18.疾風怒濤様式。いい曲だが、少し難しい。

○19.下属音のドミナントから終止形になるという、やや珍しい形。

○20.短いがそんなに易しくはない。

○21.詳細不明だが、ごく初期の作品と思われる。

○22.ソナタHob.9のフィナーレ。最後から2小節目の右、ウイーン原典版のように全部16分音符のソラシソ ファミレドでいいと思う。出だしの八分音符は、私は切りたい。なお「スケルツオ」かどうか疑問。

○23.これはあちこちでよく見かける曲。最初の右同音は私はスタカートで良いと思う。

○24.対位法的書法が大分薄らいできている。

○25.ごく短い。8分の2という変わった拍子。

○26,27.どちらも編曲と思われるが、少なくとも27は初期の作品だろう。

○28.これが3曲の中で一番すっきりしている。

○29.にぎやかに。手が小さければオクターヴを省く。

○31.ごく短い。

○32.活発に。スタカートは短めに。

○33.終わりですか? という感は残る。

○34.手の大きさで大分難易度が変わる。

○35.手が小さければオクターヴを省く。

○36.子供があまり喜ばないことは確か。

○37.どこまでこの雰囲気を伝えられるか。

○38.後半はペダルを使うといい。

○39.単独で弾いてもあまり面白くない。

○40.子供向きの作品らしく調性ははっきりしている。

○41.微妙に近代風ワルツ。

○42.これは優れた曲、ほとんどロマン派。

○43.この方がよほどバルトークっぽい。手が小さいと大分弾きにくい。

○44.ペダル必須。親指をずらすテクニックあり。

○45.気楽な感じで、明るく。

○47.和音の練習になる。単純だが面白い。

○48.一度目の二度目の和音の違いは、熊さんの機嫌が少し直ったから?

○49.しみじみ歌うこと。

○50.最後の音がHになってるが、これでいいのかな? C? B?

○51.短く易しい。

○54.左を重い感じで。

○55.手をすばやく上げること。

○56.好みが分かれる。こういうのが好きな子はどんどん現代ものを弾かせれば良い。

○57.「かじや」を説明してやらないと、最初と最後の和音の意味が分からないだろう。

○58.短く易しい。なんつうことないけど。

○59.この左手はスラーの切れ目で離すべきだろう。

○60.こういう臨時記号の多いものは、意欲のある生徒以外に渡すとイヤになる危険あり。

○61.リズム譜がちゃんと読めているかどうかの確認になる。

○62.正直、私にはよく解らない。

○63.やや対位法的な子守歌。

○64.初めと、真ん中以降の対比が必要。

○65.一種のユーモアを感じ取れるかどうか。

○66.近代風? マズルカ。

○67.やや近代っぽい。

○68.好きな子もいるかもしれないが、相当弾きこまないと味わえない。

○70.これは使おうと思えば使える。

○71.複調。ある意味お遊び。

○72.第一変奏の右の重音2とあるが、52のことですね。

総合評価   B-

近年、4期の~曲集、というのがはやっているが、それの草分けみたいな本である。

珍しい曲が多いが、残念ながらそれほどいい曲が多くない。ここら辺は日本人とハンガリー人の微妙な感性の差異であろうか。類書に比べ充実しているのは近・現代。特に類書ではいわゆる現代のものはせいぜいバルトークあたりの書法がもっともモダーンであるが、この本はさらに新しいものがいくつかある。

先生は持っていれば役にはたつ。生徒に買わすのはどうでしょうねえ、近・現代が好きな子にはいいかもしれない。 初見用にはとても良い。

なお、さほど分厚くはないが、楽譜が詰められているためで、最近の普通の本ならこの倍くらいの分厚さになる。

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