あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

うたう指づくり ピアノ名曲レパートリー 2  原田敦子編  ヤマハ

構成は1巻と同じ。レヴェルは「ソナチネ程度/分散和音とペダルの基本技術」となっている。

番号の右横の記号は、編者によるグループ分け。A~Dの順に難しくなっている?

番号 グループ 曲名 作曲者 難易度 評価
 1 サラバンド コレルリ  9  B
 2 エア zt676 パーセル  9  A
 3 メヌエット ヘンデル  8  A
 4 エア Op.39 ヘンデル 10  B
 5 ソナティーナ Op.40 ヘンデル  9  C
 6 ガヴォット Op.222 ヘンデル 11  C
 7 小プレリュード 933 バッハ 12  A
 8 小プレリュード 934 バッハ 13  A
 9 プレアンブルム 927 バッハ 10  A
10 フゲッタ 902 バッハ 14  B
11 メヌエット(フランス組曲2番) バッハ 10  A
12 ガヴォット(フランス組曲6番) バッハ 13  A
13 ソルフェジョ E.バッハ 13  A
14 神よ、皇帝を守りたまえ ハイドン 12  A
15 ソナタ Hob16-8 ハイドン 11  C
16 ソナチネ Op.4-2 クレメンティ 12  B
17 ロンドー K.15hh モーツアルト 10  A
18 アンダンテ K.15ii モーツアルト 10  B
19 ディヴェルティメント K.439b モーツアルト 11  B
20 ソナチネ Op.20-1 ドゥシーク  9  A
21 エコセーズ ベートーヴェン 14  A
22 メヌエット WoO10 ベートーヴェン 10  A
23 ソナチネ Op.59-1 クーラウ 14  A
24 ワルツ Op.18-6 シューベルト 11  A
25 ドイツ舞曲 Op.33-10 シューベルト 10  B
26 優美なワルツ Op.77-10 シューベルト 10  A
27 子供のための小品 Op.72-1 メンデルスゾーン 13  C
28 同上 Op.72-3 メンデルスゾーン 13  B
29 ポロネーズ ト短調 ショパン 11  B
30 ポロネーズ 変ロ長調 ショパン 11  C
31 楽しき農夫 シューマン  9  A
32 追憶 シューマン 13  A
33 旗手の曲 シューマン 11  B
34 ぶどう摘みの時期 シューマン 14  B
35 オルガニスト 4番 フランク 11  B
36 オルガニスト 1番 フランク 11  B
37 春のソナチネ ハントロック 10  B
38 ソナチネ Op.59-2 ボルク  9  C
39 乙女の祈り バダジェフスカ 16  A
40 朝のお祈り チャイコフスキー  9  B
41 ポルカ チャイコフスキー  9  B
42 ワルツ チャイコフスキー  9  A
43 不安な質問 Op.17-8 レーガー  9  B
44 捕まえて Op.17-1 レーガー 10  B
45 元気よく Op.17-9 レーガー 11  A
46 東洋の踊り ハチャトゥリアン  7  A
47 高いお山にのぼったら バルトーク  9  A
48 おいらは酔っ払い バルトーク 11  B
49 農民の歌 バルトーク  5  B
50 楽しい旅 Op.39-24 カバレフスキー  8  B
51 ロンド・マーチ Op.60-1 カバレフスキー 13  A
52 スロバキア民謡の主題による変奏曲 Op.51-3 カバレフスキー 10  A
53 トルコ行進曲 ベートーヴェン 11  A
54 ピアノ協奏曲「戴冠式」2楽章 モーツアルト 16  A

○1.5小節目左最後4とあるが1のほうがいいと思う。最後の右プラルトリラーは先取音のEを付けた方がいいだろう。

○2.左手が二声になっていない楽譜もある。

○3.これは結構有名な曲。

○4.明るくあっさりと。

○5.ノンレガートになっている楽譜もあるが、私はこちらがいいと思う。

○6.古くから紹介されている曲。

○7.バッハの小プレリュードの中ではそれほどポピュラーではないと思う。

○8.2、4小節目のプラルトリラーは省いてもいいだろう。

○9,10.いずれもガチャガチャとにぎやかに。

○11.装飾音をだいぶ減らしている。

○12.少し重めのガヴォット。

○13.あちこちでお目にかかる名曲。激しく一気に。

○14.ハイドン自身の編曲なんでしょうかねえ?

○15.ハイドンの最初期の作品。分類Dというのは全楽章弾かすこと前提でしょうねえ。

○16.各種ソナチネアルバムではOp.37-1になっているもの。2楽章は長い(1楽章よりこちらの方が出来がいい)。

○17、18.いいものを掘り出してきてます。17のアーティキュレーションに少し迷う。

○19.いわゆるウイーンソナチネの2番。3楽章が省かれている。フレージングは賛成できる。

○20.フレージングは古いソナチネアルバムの呪縛にかかっているようである。

○21.私としてはこの曲はブゾーニの補筆がある方がいい。なおインテンポで全部弾くのはどうかと思う。

○22.俗に言うト調のメヌエット。中間部のフレージングはいろいろあるところ、この版はやや珍しいか。Trio3小節目 右最後Cisになっているが、他の版はC。

○23.1楽章だけ。知られざる名曲というやつか。

○24~26.シューベルトの舞曲集から拾い集めてきたもの。この舞曲集、私はめったにAをつけていないが 3曲中2曲までAで、まあ、見る人が見れば似たようなものを選ぶなという思いはある。私の難易度は手が小さい子供には やや難しく感じるかもしれない。この本での分類はどうも子供用という感じである。

○27、28.この曲集中、さほど出来がいいとも思わない。

○29、30.ショパン最初の作品。7歳の子供にしては上出来。しかしまあ単純ですわな。

○31~34.シューマンのユーゲントアルバムから拾ってきている。「旗手」は何かの間違い、「騎手」です。

○35.コラール。変ト長調。微妙に旋法を使っている気がする。

○36.「イ短調もしくはイ長調の小品」とあるが明らかに誤訳。ホ短調。

○37.この曲も最近よく見かける。鳥の声の模写がある。

○38.ロマン派の匂いはあまりしない。

○39.ちょっと異質なものが紛れ込んでいるという感はある。

○40.和音の移り変わりを丁寧に。

○41.あまり速くないほうがいい。

○42.チャイコフスキーのワルツにはいい作品が多い。

○43.レーガーはブラームスの後継者ともみなされていた作曲家。日本ではまだ出版されていない。やや晦渋な 曲が多いが、ここにあげられた3曲は分かりやすい。対位法的書法。

○44.32分音符がすばやく逃げる様であろう。

○45.3曲の中で最ものりやすいだろう。

○46.アクセントをうまく感じて。

○47.この題名、誰がつけたんでしょうね。

○48.47よりずっと難しい。千鳥足というよりは大言壮語している感じ。

○49.これなどはこの巻に収録するには易しすぎると思う。

○50.弾きやすく作ってある。

○51.これは名曲。譜面面より弾きにくい。

○52.長さの割には易しいが、Aグループですか。

○53.連弾、secondも似たようなもの。

○54.70小節のカデンツァは省いてある。出来のいい生徒ならつけさしてもいい。アーティキュレーションは 原田さんの手になるものだろう。

総合評価   A-

1巻よりは選曲がいいかなという感じでA。ただ微妙な不満は残ります。

結局、この本はどう使うんだろうなという疑問を一番感じる。テクニック養成書+(練習曲)+この本、でOKといいたいのがおそらく本音と思うのだが、それにしてはたとえばソナチネの有名どころはない、ブルグミュラーもなかった。これらは別に買えということなのか、不要ということなのか。

ブルグが不要という考え方を貫くのなら、当然「乙女の祈り」は不要であろう。ここら辺は微妙に統一が取れていない。

「楽しみ」というよりは「教養」としてのピアノ、という考えをお持ちの先生で、しかしこれまでの教材には不満を持っていらっしゃる先生にぴったり。完璧にこの本に下駄を預けてしまうことも可能かもしれません。

ただし、それなりの情熱と前もっての研究がないと、生徒が脱落する危険はある。

3巻も調べます。

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