あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

ル・クッペー ピアノの練習ラジリテー  安川加寿子訳編   音楽之友社

 純然たる練習曲集はあまり取り上げるつもりはなかったのだが、会員さんの中にこれを使っているという方がいらっしゃるので (別にリクエストされたわけではないんですが)楽譜も持ってることだし(古いですけど)調べときます。なお近年全音からも出てます 。

 練習曲集を取り上げるつもりがなかったというのは、一つには難易度の決定に困るのです。つまり楽曲の場合には ある程度テンポが定まります、その曲にふさわしいテンポというものがありますから(実際は少々遅くなることが多いですが)。 ところが練習曲は、速度指定がなされている場合が多いものの、現実にはその速さで弾くことはまずないですよね。 楽曲としての芸術性がないだけに、遅く弾けば遅いなりに練習効果はあるわけです。で、指定速度で弾くのとその半分の速さで 弾くのとでは、難易度はまるで違う(チェルニー40番なんか、半分くらいの速さで弾かれていることがあります)。

 で、とりあえずこの「ラジリテ」においては指定速度の8割程度で弾くものと想定します。

番号 難易度 評価
 1  9  C
 2  9  D
 3  9  C
 4  9  D
 5  9  D
 6 10  C
 7 10  B
 8 10  C
 9 10  C
10 10  C
11 10  B
12 10  C
13 10  C
14 11  D
15 10  C
16 11  C
17 11  C
18 11  C
19 11  C
20 10  C
21 12  C
22 11  C
23 12  C
24 12  C
25 12  C

○2 譜読みは易しいが、345の独立は結構難しい。

○4 親指を支点とした旋回の練習でもある。

○5 5連符の練習。やや特殊。

○7 連打の練習。ちょっぴり曲っぽい。

○10 イ長調のスケール練習。

○11 トリルの練習

○13 変ロ長調のスケール練習。

○14 半音階の練習

○15 変ホ長調のスケール練習。

○17 終わりから3小節目の左の指かえは、A音を途中で離せという意味だが、指かえをせずに次のC音を4から1の指換えにするほうが良い。

○19 ホ長調のスケール練習。

○20 指がもつれる危険あり。

○22 As durのスケール練習。

○23 フランス式(4指を使う)半音階の練習。この段階でするべきかどうかには異論があろう。

総合評価  D

曲集としては使えない。

もちろん練習曲集としては話は別。チェルニー30番直前から前半くらいの、相当できのいい練習曲集ではある。

練習曲集を当然使うという先生ならば、うまく使えばそれなりの効果は望めるでしょう。私はこの程度の段階で 練習曲集などというものにほとんど意義を認めない人間であるが・・

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