あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

フレッシュ プログラム 4  カワイ楽譜

 前に3巻を取り上げています。今度は4巻。バルトークだけは大作曲家の項で取り上げていますが、他は取り上げていない、なかなか珍しいものばかり

番号 曲名 作曲者 難易度 評価
 1 まぬけの初めの歌 ボーカン   9  B
 2 カッコウ(連弾) アレンスキー   9  B
 3 楽しさ(連弾) プレ   8  A
 4 子守唄 清瀬保二  10  A
 5 おしゃべり風車 ベルノー   9  A
 6 夕べのうた コープランド  11  A
 7 村の夕ぐれ ミュルデ   9  A
 8 ソフィー、ワルツを踊りなさい サンカン   8  B
 9 昔話 ダッタ  10  B
10 古い田舎の踊り アルボー   8  B
11 たわむれ バルトーク   7  B
12 小練習曲 タンスマン   8  B
13 小ロンド Op.130-4 ニーマン   9  B
14 メヌエット 瀧廉太郎  10  B
15 飲めや歌え バルトーク   7  B
16 バラード バルトーク   8  B
17 最初のポジション ランスィアン   8  A
18 遊ぶこどもたち ブレッソン   8  C
19 ラプソディ バルトーク   9  C
20 やさしいパヴァーヌ ジョーム   8  B
21 ピエロのダンス ジョーム  10  A
22 小さなネグロの子守歌 ブールノワ  10  A
23 アンダンティーノ 清瀬保二  11  A
24 豚飼いの踊り バルトーク  12  A
25 チューリヒの恋人ーワルツ ヴァーグナー  14  B

1.曲名の意味がよく解らない。

2.「かっこー」の響きを追いかけさせる。

3.ロ長調、弾くこと自体はもう少し易しい。カバレフスキーの「道化師」を思い出す。

4.日本人には日本人の曲が合う、ということか。ペダルは記されているものより、もう少し細かい注意が欲しい。

5.書法は現代。好みは分かれるでしょうがね。

6.シンプルだがやはり現代。コープランドの「幻想曲」と「ソナタ」は一覧表からは洩れたが、高木東六氏などは20世紀最高の作品とまで言っている。

7.ペダルは欲しい。

8.何気ないシンプルな美しさ。Aでもいいんだけどちょっと連発気味なので・・

9.ワルツみたいに弾かないこと。速くなりすぎないように注意、一音一音語りかけるように丁寧に。

10.わざと空虚5度を使っている。にぎやかにがちゃがちゃ弾くのが良い(ペダルがある方が良い)。

11.「子どものために 2」の21番。

12.微妙にモダンな雰囲気がある。中間部の最初の小節、後半は左で取る方が楽。

13.何というか、きちんと出来ている、いかにもドイツ人の学者、という感はする。2ページ目最初の小節右手後半21とあるが、それでは次の小節につなげることが不可能、2312ときて41とするか2341ときて42にするかのいずれか。

14.瀧廉太郎という名前はもう今のこどもたちには特別の響きはしないでのしょうな。Trioのロ短調の部分に彼らしい匂いはある。10,11小節目左手大分凝った指(スタカートを全て1指で弾けということ)です、普通に弾いても良いと思うが。

15.「子どものために 2」22番。私は「どんちゃん騒ぎ」と訳した。

16.「子どものために 2」35番。

17.一種の複調。

18.好みにもよるだろうが・・私はあまり好きじゃない。

20.これも私はさほど好きではないが。

21.とても良い曲だが、日本のこどもたちには記されている指は苦しいかもしれない、6度の31は51に変える。

22.これもなかなか良い曲。イ短調だろうが途中ほとんど無調。これが表現できれば相当のセンスがある。

23.オクターブの連続は省かざるを得まい。そのまま弾くとなると極端に難しくなる(難易度16以上)。面白いが前の二曲に比べるとややイージーに作ってある感はする。

24.「子どものために 1」の最終曲。ヨーロッパの人にとって「豚」はさほど悪いイメージはないようである。

25.ヴァーグナーのピアノ曲は数少ない。ソナタもあるがプロにレパートリーにするほどのものではない。

総合評価  A-

 少し中だるみがあってBかなと思いましたが、最後に良いのが続いてまあおまけのA。

 3巻よりよほど評価が高いが、実際に良い曲が多かったのかそれとも単に私の趣味に合う曲が多かったということかもしれません。

 何というか真面目な先生及び生徒に向いている本。つまり半ば子どもに迎合するような感じで現代物を与えるというのではなく、現代の音楽もバッハやモーツアルトとおなじようにきちんと勉強しましょう、というスタイルでレッスンされる先生向きということです。

 子どもが飛びついて来るというような曲は少ない(あえていえば21,23あたり)。しかし何度も弾いているうちにその曲の魅力が解る、という感じ。一つ一つが念入りに作られているという印象は受ける。砂糖はまぶしていないが、よくかめばほんのりとした甘さを味わえる高級お菓子とでもいおうか。

 逆に言うとそういう曲集で評価Aを勝ち得たのはすごいことなのかもしれません。たとえば三善晃の「海の日記帳」も高級お菓子だが、大半の子どもにはまずいお菓子としか思えない。こちらは大抵の子どもがそれなりに評価してくれるお菓子であると思う。

 先生は持っていると発表会等でも役に立つ。もちろん普通のレッスンで使うこともできる。現代物の苦手な先生には、先生自らの学習用にもなるかもしれない。

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