あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

ベルティーニ 24の小品集 Op.101  全音楽譜出版社

 ベルティーニは初級から中級程度の練習曲集が何冊か出版されている、練習曲と異なるものはこの曲集くらいであろうか。年代的には初期ロマン派の人である(1798~1876)。

番号 曲名 難易度 評価
 1 ワルツ  12  B
 2 カンツォネッタ  10  B
 3 ロンディーノ  12  B
 4 アリア  11  C
 5 メヌエット   9  C
 6 主題と変奏  12  C
 7 バラード  11  A
 8 行進曲  11  C
 9 アダジオ  12  C
10 葬送行進曲  13  C
11 軍隊ポロネーズ  13  C
12 ロンディーノ  13  C
13 祈り  11  B
14 ノクターン  11  C
15 チロリエンヌと変奏  13  C
16 ロマンス  12  C
17 ロンド=ワルツ   13  B
18 山人の踊り  14  B
19 舟歌  10  C
20 チロリエンヌ  11  C
21 ワルツ  13  C
22 シチリアーノ  14  C
23 アリア  14  B
24 ポロネーズ  14  C

1.少なくともtrioの繰り返しは付ける。

2.後半は書いてある以上にペダルを使う方が良いだろう。

3.これもペダルを付ける。

4.一カ所、強烈な不協和音がある。ミスプリでもなさそうだが、Aを省いても良いかもしれない。

6,7。どうでもいいことだが、ここらへん楽譜が詰め込まれていて見にくい。

7.これは時々見かける。

8.ちょっぴり「貴婦人の乗馬」を思い出させる。

9.中間部、やや強引な転調、面白いと言えば面白い。

10.出だし、わざわざ8分音符にして8部休符を付けているからには、ペダルは1拍目は付けない方が良い。

11.超有名曲の同名曲だが。どちらが先なんでしょうね?

12.付点の練習。

13.真ん中から後、右手しばらくは指だけでレガートにする。

15.Adagioの部分のリズムに注意。

16.こういうのを見ると、この人の書法上の限界というようなものが見える気がする(ロマンスという表題ならもっとロマン的に他の有名作曲家は作っている)。

18.ここらへんがこの人にしては最も独創的か。

19.これを弾かせるのだったらメンデルスゾーンのべニスの舟歌を弾かせる方が遙かによろしい。あまりにも単調すぎるのです。

21.ワルツ、というには少々野暮ったいが・・

23.アリアというには軽い曲であるが、コロラテューラが歌うようなのを連想するのであろうか。

24.5段4小節目の右手Fisは、どちらか片一方弾けばいいということ。

総合評価   D

 マニアに類する人はどうぞ、という感じ。

この曲集の作曲年が書かれていないのだが、生年はシューベルトとほぼ同じ、没年はショパンやシューマンを飛び越えリストに近く、しかもこの曲集の作品番号はそんなに前の方ではない。ということは少なくともこれを書いた当時、ショパンやシューマンの作品に触れる機会は充分あったであろう、と思われるが、書法的にそういう趣は全くない。

 何というか陰影がないのである。

 古典派から初期ロマン派の書法の上っ面だけをなぞっているといえば言い過ぎか。

 やはり練習曲集くらいでしか生き残れないのであろう。それにしたってチェルニーの方がずっとよろしい。

 かびの生えた古い資料をわざわざ引っぱり出してきたという感はあるが、結局引っぱり出すほどの価値はなかったということ。

 よく似たレヴェルではブルグミュラーの18の練習曲がある、そちらの方がずっとよろしい。ヘラーの練習曲もまだまし。曲集としてならメンデルスゾーンの無言歌を易しいものから与える方が100倍くらいよろしい。

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