あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

ミロシ・マギン 子どものロンド 解説江崎昌子   ショパン

 1999年になくなったポーランドのピアニスト・作曲家マギンの作品集が「ショパン」から出ている。

曲名 難易度 評価
子どものロンド    
 1 なわとび   5  A
 2 失くした人形   3  B
 3 メリーゴーランド   3  B
 4 いたずらっこ   4  A
 5 さんぽ   6  B
 6 私の陽気なポニー   5  A
 7 子どもの悲しみ   5  A
 8 目かくし鬼ごっこ   5  A
ポーランドの印象     
 1 山賊   7  A
 2 刈り入れのうた    9  B
 3 気高い踊り    8    B
ポーランド小品集    
 1 バッタの踊り   8  A
 2 郷愁   8  A
 3 子どものあそび   7  C
 4 きこり   6  A
 5 待ちどおしい夢   5  B
 6 村のお祝い   8  B
小さなポーランド組曲    
 1 陽気な子馬  10  A
 5 物乞いの少女   8  B
 3 ポロネーズ   9  C
 4 村の婚礼   8  B
 2 秋のうた   7  A
 6 村人の踊り   9  A
ソナチネ  14  B
タンゴ  12  A
ポルカ  14  A

○なわとび 何ということはないのだが、弾きやすく透明感のある佳曲。繰り返しは付けた方がいいと思う。

○失くした人形 やや実験的な作品。左手が変わることによってどう雰囲気を変えるかという練習になる。

○メリーゴーランド 最初の繰り返しは付ける。

○いたずらっこ 左手はスタカートにしない方がいいと思う。

○私の陽気なポニー 繰り返しは付ける。手が小さいとやや難しい。

○子どもの悲しみ 左手の弾き方に工夫を要する(3拍目を弱く)。

○目かくし鬼ごっこ 相当速く弾きたい。繰り返しは不要だろう。ゆっくり弾けば易しいが面白くない。

 以上8曲、バルトークの「子どものために」をさらに分かりやすくしたもの、という感じです。

○山賊 中間部の右手はレガートが良いと思う。

○刈り入れの歌 題名と何となく一致しない気はする。

○バッタの踊り ピアニスティックな小品。

○郷愁 出だしの右手4とあるが1の間違いだろう。面白い和声なのだが、しみじみとした味わいがある。

○きこり 左手は重くならない程度に伸ばす。最後の右手の和音、手が小さければ下の音を省く。

○村のお祝い 3ページ1段2小節目右手の指、Cが4とある。その次の2音を見ると間違いとも言い切れないのだが、やや不可解。2にして次を45とするのが妥当かと思う。

 小さなポーランド組曲は、編集の都合上(譜めくりの関係上)順番を変えて記載されている。本の通りに従う。

○物乞いの少女 1ページ目右手最後の音、4とあるが、その小説最初から321の方がいいだろう。

○ポロネーズ 右ページ4小節目左手最初、その前の(1)の続きとして(2)を補うべきだろう。右ページ3段1小節目左手2音目、2とあるが1の誤りと思う。

○村の婚礼 跳躍の練習になる。

○村人の踊り 速く弾かないと面白くない。出来れば1小節1拍で。

○ソナチネ 1楽章がやや見劣りするように思う。私は2,3と使いたい(2,3楽章は評価A)。2楽章、10小節右手1543とあるが1542として次を1323とする方がいい。

○タンゴ 手が小さいと苦しい。何となく冗談半分という気はする。

○ポルカ ユーモアと芸術性が幸福に結合していると言えよう。 

総合評価     A

 名前も知らず、もちろんさほどの期待もなく、カタログから選んだものですが、何と、びっくりする掘り出し物。

 途中でも記したが、バルトークの子供向け作品を思わせるような書法である(加えて複調を好むようである)。簡明さという点でバルトークよりさらに使いやすいかもしれない。「子どものために」を使っている先生は、一度こちらに乗り換えてみられてはいかがかと思う。

 作曲者がピアニストだけあって、非常にピアニスティックに書かれている、いわゆる凝った書き方は少なく子供向きと言える。ただし左手がややイージーかなと思われる節はある。この曲集を使う場合は、別の曲集でそこを補う必要はあるだろう。

 同じ現代物でも日本人作曲家の手による作品とは大分異なる(アメリカやフランスとも異なる)。東欧から北欧にかけて何となく雰囲気が似ているという気はする。

 現代物の入門に誰を使うかは色々と考えられるだろうが、この曲集がその選択肢の一つであることは間違いない。

 最後の3曲がやや本格的、タンゴとポルカはちょっぴりお遊びの雰囲気がある。

 難点は、著作権の関係だろう、値段が高い。

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