あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

カバレフスキー 35のやさしい小曲集 Op.89 こどもの冒険 全音楽譜出版社

 カバレフスキーを取り上げるのは2冊目。一番有名なOp.27を未だ取り上げていない。私の持ってる音友版は現在絶版で、全音版がそれと同じかどうかを未だ確かめていない、というのが最たる理由。まあ、それはさておき、この曲集はカバレフスキーの中でも最も易しい部類に属する曲集。

番号 曲名 難易度 評価
 1 はじめての曲   2  A
 2 はじめてのエチュード   4  C
 3 しずかな歌   3  B
 4 休み時間   3  C
 5 はじめてのワルツ   4  B
 6 ジャンプの名人   4  B
 7 光と陰   3  A
 8 かわいいハリネズミ   2  B
 9 オクターブの歌   4  B
10 遊ぶ少女   3  B
11 泣き虫   3  C
12 きむずかしや   3  C
13 やさしい歌   3  B
14 朝の歌   4  C
15 トランペットふきとこだま   2  B
16 夕暮れの歌   3  A
17 なわとび   3  B
18 氷の上で   3  C
19 びっこの子やぎ   4  C
20 トランペットとたいこ   3  B
21 かわいい手品師   4  B
22 マーチ   4  B
23 勇かんな歌   4  B
24 かわいいハープひき   4  B
25 チャストゥーシュカ   5  C
26 陽気な歌   3  B
27 わがままなおとうと   3  B
28 あやつり人形のおどり   4  C
29 メロディー   4  B
30 戦争の歌   4  B
31 子熊をからかう子うさぎ   7  B
32 チビのカバのおどり   6  C
33 ワルツのように   5  A
34 ゆううつな雨   5  B
35 川のほとりで   6  B

1.この難易度で評価Aは珍しい。

2.曲としては割と面白いのですが、教材として余り使いたくはない。特に小さい子には不向き。

3.2小節目、Gが3になっているが、Hが3の誤りだろう。

4.2音のスラーと4音のスラーを区別すること。

5.テヌートのついていない右手の2,3拍目は軽く弾くのだろう。

6.これは好みの分かれる曲だろう。面白いと思う子にはさせて上げてもいかもしれない。大して好きでもないと途中で投げ出しそうな気もする。

7、8.面白い曲です。8は結構易しい。

9.ユニゾンでなければ大分難しい。

10.スラーの切れ目は離すのでしょう。

11、12.テクニック的には二音のスラーに伴う手首のダウンアップの練習になる。使うのならば同じような形で「泣き虫」と「きむずかしや」の両方を表すということで二つともする方がいい、余り使いたいと思わないが。

13.左右の接続がばれないように。ある程度速く弾くこと。

15.右手はマルカート、一音ずつはっきりと。左手は普通にレガート。それを楽譜に表すとこうなるということ。右手を意図的に離す必要はないし、11小節目の左のドドも普通に弾けばよろしい。

16.とても良い曲ですが、最後の右手の7度が気になって、一覧表に載らないのです(手の大きい生徒なら問題ない)。

17.4段目の左はFまですべて2か3で統一する。

18.バイエルの62番を思い出す。

19.Asをこのレベルで弾かせるかどうかで意見が分かれるだろう。出だしの右の指は121です。

20.右手の1,2拍目はつながない方がいいと思う。

21.手の大きさで大分難易度が変わる。6度ぎりぎりなら5~6くらいでしょう。

22.2拍目の和音は切る手もあるだろう。

23.fisをこのレベルで弾かせるかどうかで意見が分かれる。

24.エチュードっぽい。なおハープの音をCD等で聴いたことのない生徒には、ハープの音色は明確で結構堅めの音であるということは教えて上げる方がいい(何となく柔らかなイメージを持つ人が多い)。

26.解説にもあるが、13~16小節は雰囲気を変える。

27.左手が「わがままな弟」でしょう。右手の弾き方は迷う。スラーのないところはノンレガートが正しい、と言うのが一般的解釈だろうが、スラーの頭にアクセントを付けて1小節レガートでも構わないような気もする。

28.付点の練習としては使えないこともない。

29.譜面面よりは難しい。

30.これも付点の練習に使える(曲としてはこちらの方がいい)。

31.突如難しい曲が入ってます。

32.この段階で25のクロスを扱うことには賛成できない。

33.手が小さい子には向かない。最後の右手の3和音のレガートは、541から321がよい。

34.指使いは注釈を読むこと。

35.相当手が大きくないと苦しい。

総合評価  B

 これは、という曲はほとんどないが、この難易度のオリジナル曲集ではそんなものです。

 入門教材の併用曲集になるわけだが、このレヴェルでは、当会でも相当数検討しているように、出来の良いものはどちらかといえば童謡とか、クラシック名曲の編曲集がほとんどである。雰囲気として息抜きというか、やや子どもに迎合的な感があることは否定できない。

 そういうものを嫌う先生、「楽しみ」よりも「学習」という面を強く押し出したい先生にはこの曲集はお勧めできるかもしれない。

 もちろん無味乾燥な曲が並んでいるという意味ではない。子どもの全く見知らぬ曲ばかりが並んでいるから必然的に一曲一曲「学習」せざるを得ないと言うことである。

 一部、手の小さい子にはどうかと思われるものがある。

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