あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

コンコーネ ピアノのための25の旋律的練習曲 Op.24  全音楽譜出版社

 バラヒロさんのリクエストによりコンコーネの「25の旋律的練習曲」を取り上げます。コンコーネはもちろん声楽を学ぶ人間にとっての必修教材を書いた人ですが、ピアノ曲を日本に最初に紹介したのは、私の知る限り閻魔帳でもたびたび取り上げている大村典子さんの曲集中ではなかったかと思います。もっともそれはOp.25の方。

番号 難易度 評価
 1   8  C
 2   8  C
 3   9  B
 4   9  B
 5  10  B
 6    9  C
 7   9  D
 8  10  A
 9  11  C
10   9  C
11  11  B
12  10   B
13  11  A
14  10  B
15  10  A
16  10  C
17  11  C
18  10  B
19   9  B
20  10  B
21  11  B
22  10  C
23  10   C
24  11  C
25  11  B

1.分散和音の練習。なお解説にModerato assaiを「中位の速さで充分に」とある。この日本語の意味解る人いらっしゃいます? 

2.6小節目の左手41とあるが51でしょう。また41ならその次は2じゃなしに1の方がいい。

3.旋律とリズムの練習でしょうかね。速く弾くと跳躍の練習にもなる。

4.片手の二声の練習かな。

5.素早い動きの練習とでもいうのかな。

6.4に引き続いて片手でメロディと伴奏を弾く練習、ただし今度は両手にある。なお厳密にメロディーをレガートにしようと思えば指使いに指換えなどの工夫を要する。前もって教師が書いてやらないと難しいだろう。

7.右手の重音のスタカートの練習。

8.これは記憶しておいて良いか。練習としては和音の連打(三音)、手首が硬直しないこと。チェルニー30番の28でこの手のテクニックがいきなり出てくると、大抵ガチガチになるので、この曲当たりがこのテクニックの最初としては手頃かもしれない。

9.分散オクターヴのオクターヴ移動の練習かな。この手の練習曲は珍しい(ブラームスに非常に難しいのはあるが)。

10.3度のスタカートの練習。

11.ブルグミュラーの「清い流れ」を難しくしたようなもの(アルペジオの向きは反対)。

12.ペダルが欲しい。

13.装飾音の練習。センス良く付けることが出来ればきれい。

14.6度のレガートは手の小さい子には厳密には無理かもしれない。中間部はペダルがいる。

15.単純ながら美しい佳品。

16.2音のスラーの練習。

17.重音の連打の練習。ゆっくり弾けば簡単。

18.これもゆっくりだと簡単だが、Allegro guistoだからあまりたっぷり歌わずにある程度速く弾きたい。

19.後打ちのリズムの練習かな。最初の左手の和音、421になっているが、521で良い。

22.「貴婦人の乗馬」にちょっぴり雰囲気が似ているかな。あっちの方が名曲だが。

23.この本でよく出てくる、片手でメロディと伴奏の二声を受け持つ練習。

24.チェルニー30番の1番あたりと同レベルという感じ。

総合評価   C(B

 曲集としてはC、練習曲集としてはBかなということです。

 私は練習曲を使用しない人間なので使いませんが、普通の先生は結構使えそうです。特にABCの後の教材としてぴったり。

 これまでメトードローズ-ABC-ラジリテという順を追うようにという故安川先生の言でしたが、曲集としてもまあまあ使えるABCに比べ、ラジリテは純然たる練習曲集で(チェルニーより面白くないかもしれない)子供ががくっと練習しなくなるということがありました。

 イタリア人の曲集だけあって「歌」を感じさせるものが多く、その分楽曲としても使えるというものがそこそこあります。難易度的にもABCと30番のちょうど間くらいでしょう。

 またレベル8~9くらいで30番をいきなり使うという先生にも、その前に使ってみてはどうかということは言える。あまり30番を速く導入すると、スピードが指定速度の半分以下ということになりかねない、チェルニーという奴はある程度の速さを伴わないと無意味に近い、ということで結構使い道はありそうです。

 チェルニーと微妙に違うテクニックの練習になっているものが結構ある。曲想を大切にしているが同一音型を捨てたりすることはなく、練習曲としての側面はあくまで忘れていない(ブルグミュラーなどは時々練習曲としての側面より曲としての完成度を優先させている節がある・・良い悪いを言っているのではない)。

 練習曲集としては意外に拾いものだったりして・・かな。

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