あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

大村典子ピアノピースセレクション 8 お祭りと踊り B  音楽之友社

 久しぶりにこのシリーズを取り上げます。この巻には一覧表に収録されているのが何曲か入っていることに気づいたので、というところでしょうか。

番号 曲名 作曲者 難易度 評価
 1 楽しいお祭り シャー   7  C
 2 田舎風の踊り ベッヘラー   8  B
 3 村祭り グルリット   9  C
 4 村の踊り ベートーヴェン   9  B
 5 人形のマズルカ 池辺晋一郎   8  B
 6 ポロネーズ シュモール   8  B
 7 サラバンド ヘンデル  12  A
 8 戦士の踊り カバレフスキー  11  A
 9 舞曲 有馬礼子   8  A
10 チャルダッシュ・ラプソディ シャー  11  A
11 ワルツ 湯山昭   9  A 
12 ピアノによる会津磐梯山 奥村一  10  B
13 ガボット(フランス組曲5番より) バッハ  12  A
14 タランテラ マクダウェル  10  B
15 ワルツ ショパン  11  B
16 メヌエット ベートーヴェン  10  A
17 シャコンヌ デュラン  12  A
18 ひょっとこおどり 高木東六  12  B

1.出だしの右は121でしょうか。

2.さわやかな佳曲。12小節目最後の右2とあるが、スラーを守る限り不可能、1としてつぎを231とする。

3.最初の譜面をよく見てメロディーの線を把握すること。2小節目のBが孤立すると何のことか分からなくなる。

4.よく見かける曲だが、私は実はこの曲の正体を知らない。ベートーヴェンのソロピアノ曲ではないはずなのだが。管弦楽用の舞曲が20ほどあるのでそのいずれかの編曲かな、という気はする。どなたかご存じの方いらっしゃいます?

5.3小節目の右手の指は少なくとも初心者にはさせたくない。その前のEsを1でとり213でしょうか。

6.これも昔からある曲、一昔前の教材、という感がしないでもない。

7.依拠している版が不明だが、テーマ6小節目終わりのスタッカートはやや首をひねる。変奏2の10小節目左手、Eが2になっているが弾きにくい、その前のAを2にする方が良い。

8.カバレフスキーの「こどものための小曲集」を取り上げたときにそこで記すのが良いのだろうが、いつになるのか分からないので、3段1小節目右手3からになっているが音が弱くなる、2からにして3拍目で2から1に指換え、後321321となる。4段2小節目右手3になっているが、その前を1にして、2。

9.閻魔帳67にあります。

10.ペダルに慣れ始めたくらいの生徒にちょうどいい。vivaceに入って1小節目と3小節目の右手は同じように弾く。

11.閻魔帳25にあります。

12.今は、この手の民謡には拒否反応を示すこどもたちが半数近くいるかもしれない。好きな子にはいい教材になる。

13.つい最近難易度13としてますね(苦笑)。やっぱりインベンションよりは弾きやすいだろうなあ、12に訂正します。

14.速さによって大分難易度が変わるが、タランテラらしく弾こうと思えばこれくらいになるかな。かなり長い手の交叉の連続がある。

15.近年発見された遺作のワルツ。ショパンの香りがほんのわずあるようなないような・・。最初の装飾音の指は弾きにくい。14323,もしくは13121でしょう。

16.最初の右手の指が逆さま。中間部のフレージングは他にも色々ある。

17.欄外のトリルの奏法が16分音符になっているが計算が合わない、32分音符の誤りだろうが、その速さで弾こうと思うと全体のスピードが損なわれる。1拍目の裏に前打音の三つを入れ、トリル本体は5つもしくは7つにするのが良いと思う。2ページ目5小節目右手4になっているが、2か1にする方が遙かに易しい。

18.和音の連打が相当難しい。

総合評価   B

 このシリーズの登場は3冊目であるが、最も評価が高くなった。半数近くがAであるが珍しいのは「チャルダッシュラプソディ」くらいか。これと「シャコンヌ」の両方をお持ちじゃない先生は購入する価値があるだろう。

 依拠している版がよく分からないが、やや弾きにくい指になっているものがある。何種類も版が出ている曲で、指使いが良いのは「メヌエット」くらいかな。

 一昔前の本だがまだまだ店頭に並んでいるし、どの巻も絶版になっていないようである。売れているのだろう。

トップへ戻る   1つ上に戻る

© 2015- 田所理央 ご意見・ご感想は t.masato@mathemarimo.bird.cx までお願いいたします。