あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

マクダウェル 森のスケッチ   

 アメリカの作曲家マクダウェルを取り上げます。アメリカの作曲家の中では最も有名でしょうか、それでも余りポピュラーとは言えないようです。紹介されている楽譜もこの「森のスケッチ」だけだと思います。なお参照した楽譜は1967年発行の古い全音版とアメリカのCopa版ですが、全音版は英語をイタリア語に変えているだけで中身は全く同じです。他に日本では音友からも出ています。

番号 曲名 難易度 評価
 1 のばらに寄す   9  A
 2 鬼火  16  A
 3 懐かしき思い出の場所で  12  B
 4 秋に  15  A
 5 インディアンの小屋から  10  B
 6 すいれんの花に寄す  12  B
 7 リーマスおじさんから  16  B
 8 荒れはてた農園  11  B
 9 牧場の小川で  15  B
10 夕べの語らい  14  C

1.簡素で透明な美しさ。ペダルは欲しい。

2.指定速度は極めて速く、その速さで弾こうとすれば難易度16どころの騒ぎではない。

4.この指定速度は信じられないくらい速い。何かの間違いじゃないのかなあ。

5.初心者のオクターヴの練習になるかもしれない。

10.私にはなにがいいのかよくわからない曲です。

総合評価 B

 Bというのは教材としての評価。曲集としてはもう少し評価が上がる。

 マクダウェルの作品はアメリカの大自然をテーマにした小品がほとんど。この曲集もその中の一冊。ただこの曲集の中の優れた作品は、余り自然描写というものとは関係がない。(そういうもので優れた作品もあるが日本版ではないと思う)

 教材として使いにくいのは、10度ポジションあたりを要求するものが多いということ。19世紀後半のアメリカの音楽事情が今ひとつ定かでないが、マクダウェルの使っていたピアノがいわゆるスピネット、鍵盤の幅の小さいものであったという可能性もある。

 それからゆったりとした曲はともかく、速いものは、指定速度が異常に速い。その速さで弾けたならばセミプロクラスの腕前であろう。もっと遅くしても十分に味わいは出る。 

 評価Aの3曲は先生方には是非知っておいてほしい。

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