あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 作品集 

 

小原孝・磯田健一郎 ねこはとってもピアニスト 2  東亜音楽社

 今回は、前に取り上げて意外な反響を呼んだ「ねこはとってもピアニスト」の続き。1巻の一部の曲が連弾になってるみたい。でも小原さんの曲集は結構出ているみたいで、順番に検討していたのではとても追いつけないかもしれない。

  曲名 難易度 評価
  ジルのロックンロール   9  B
* ジルのソリテュード   9  C
* ジル・ザ・ステップ   8  C
  ひとりぼっち   8  A
  黄昏   6  A
  ジルの涙   7  A
  じゃれ猫ジル  10  B
  お陽様の下で  11  A
  ジルの誕生日   8  A
  ジル君のリサイタル 「月光」  11  C
               「ノクターン」  16  B
               「エンターテイナー」  12  B
  仔ねこの情景(連弾)   5  C
* MAーDOーROーMI(連弾)   5  B
* ジルのペティ(連弾)   4  B
  あしあとをさがして   5  A

○ジルのソリテュード 微妙に耳障りな音があるような気がする。

○ひとりぼっち きれいな曲ですが、教材として使うときには、特に序奏の右手の指を前もって考えてやる必要あり。

○黄昏 しみじみと美しいがちょっと長いかもしれない。中学生以上の初心者の発表会用にいい。

○ジルの涙 少し長くなるが繰り返しは付けた方がいいような気がする。

○じゃれ猫ジル 子供は喜びそう。最後は、右手のアルペジオと同時に左手もアルペジオで終わるとまとめやすいのだが、まあ、文句を言っても始まらないか。上手にritするか、いっそのことクレシェンドしてffで終わるのが正解かな。

○お陽様の下で 左手がほぼすべて4和音の連続である。良い曲だが教材としては使いにくい。音を4ついっぺんに弾くというのは、入門者にはまずやらせるべきではないし、初級者もたまに出て来るくらいならともかく、ずっととなると手の疲労度が格段に増えるのである(作曲者が手が大きいせいだろうなあ)。

○ジル君の誕生日 手が相当大きくないと教材には不向き。

○ジル君のリサイタル 全部お遊びだが、ノクターンの最後には笑える。

○仔ねこの情景 良い曲ですが、教材としては指使いが初心者には不適と言わざるを得ない。

○あしあとをさがして ペダルは必須。

総合評価     A

 小原孝さんの第二弾です。結論を言うと前作と同等もしくはそれ以上。

 何が良いかといえば、おそらく前作の反響の中に一般読者から「手が小さいと弾きにくい」という類の文句不満がわんさか作曲者の元に届いたのであろう。その点が大きく改良されている。で、普通そういう制約を受けると曲そのものも若干勢いがなくなるというか、こじんまりするというか、少々劣るものになりがちなのだが、そういうことがこの作品集には、ない。

 それでも、教材として使う分には、小学校上級くらい、オクターブが届いて、ペダルが使えるというくらいは条件になりそう。

 磯田さんの作品は最後の曲を除いて、やや不満がある。結局最終的にぴったりはまる音を見つけられないままに、えいや、もういい、というような感じで決断してしまった(もつれた糸をほどくのをやめて、はさみでぶちきったような感じ)ような音が残っている感じがする。

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