あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 連弾・二台ピアノ 

 

モーツアルト連弾パーティー   春畑セロリ編   音楽之友社

編者いわく「小学生の頃、モーツアルトの音楽を面白いとも天才的とも思わなかった・・それはピアノ曲からアプローチしたからであろう」 私も実はそうでしたねえ。モーツアルトの良さが分かってきたのは20を超えてからだなあ。さて、そういう轍を踏まないためにも、ということで 管弦楽、室内楽、オペラからモーツアルトの名曲をピアノ用にアレンジしてあります。

曲名 難易度primo 難易度second 難易度terzo 評価
はじめてのれんだん  6  6    A
わたしはすみれ  6  5  4  B
一卵性親子リレー  9  8    A
21世紀バリエーション 16 16    A
宴会形式による美味しいセレナーデ 14 13 13  A
優等生の時間 12 11    B
恋人はライバル 13 12    A
円熟夫婦のためのメヌエット 12 12    A
冠婚葬祭シリーズ「花嫁に捧ぐ」 14 14    A
ダンス! №40 16 16    A
トルコマーチ・ダイナマイト 18 17    B
ヴォルフガングの玉手箱        A

○はじめてのれんだん 原曲はメヌエットK.2。原曲よりよくなってるかも(笑)。子供らしい可愛さという点はなくなってしまっているが。

○わたしはすみれ 原曲はもちろん「すみれ」。この曲の優雅な感じを出すのは相当難しい。6手だとおそらくばたばたになりそう。

○一卵性親子リレー primoを途中で交代してもいいようだが、別に普通に続けていい。原曲はクラリネット5重奏曲。

○21世紀バリエーション K.331の1楽章。現代風の変奏にしている。好みは分かれるかも。ある程度、現代ものに慣れている方がいい。

○宴会形式による美味しいセレナーデ 原曲はアイネクライネ。6手にしたのは、4手だと既成のちゃんとしたものがあるからかな。 もう少し難易度を低くしてもいいのだが、ある程度速く弾けないと面白くないので高めの難易度にしてある。

○優等生の時間 原曲は弦楽四重奏曲「狩」。これもそれほど子供に受けるメロディーではないのよねえ。

○恋人はライバル 原曲はオーボエ協奏曲の3楽章。これは楽しい曲です。

○円熟夫婦のためのメヌエット 原曲はヴァイオリン協奏曲K.219,3楽章。連弾はすべてそうだが、とりわけ二人の絡みが大切。

○冠婚葬祭シリーズ フィガロの結婚ハイライト。かなり長いので弾きとおすには相当の実力がいる。50ページ2段目頭からハ長調だと考えられる。second1小節目のB、 2小節目primo、secondのEsはおそらくどちらもH,Eの誤りだろう。

○ダンス! №40 原曲は勿論シンフォニー40番。16ビートの軽音楽に大変身(笑。原曲を知っている人間には受けるだろう。 欲を言えば、ちょっと短すぎる。難易度の判定は難しい、リズムに乗れる人間なら、もう少し易しいかも。

○トルコマーチ・ダイナマイト トルコマーチにK.310が混ざっている。面白いと言えば面白いんですが、これは先生二人で弾いて 笑い転げるというための曲ですねえ。生徒には、これくらいの苦労をさせるのなら、原曲をそのまま弾かす方がずっとよろしい。

○ヴォルフガングの玉手箱 延べ23人によるリレー連弾。secondが途中弾きながらprimoに移るというのがみそ。一応3人からやろうと思えばできる。 発表会でやればバカ受けの可能性あり、参加者全員による練習時間の確保が難しいけれど。難易度は最も難しい箇所で13程度。

総合評価     A-

面白い本です。普段のレッスンより、むしろ発表会で使いたいものが多い。

マイナスが付いているのは、結局モーツアルトの音楽のエッセンスというものはなかなか子供には伝わりにくい、もしくはその良さが理解されにくい、 というところにあると思われるからです。

編者は自分がピアノ曲からモーツアルトに入ったためだと分析されていますが、おそらくそうでなくとも、やはりある程度の年齢に達するまでは、 モーツアルトのよさ、すごさは、わからなかったのではないかと思います。この本に収録されているピアノ曲以外の曲が子供たちにモーツアルトの素晴らしさを伝えてくれるかといえば、 その度合いは、モーツアルトのさまざまなピアノ曲と、別段変わらないのではなかろうかと思います。

最後の延べ23人連弾は、ぜひ一度はやってみたい。

トップへ戻る   1つ上に戻る

© 2015- 田所理央 ご意見・ご感想は t.masato@mathemarimo.bird.cx までお願いいたします。