あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 連弾・二台ピアノ 

 

ピアノ連弾曲集 2     全音楽譜出版社

これは連弾曲集の草分けに近い本で、今出版されている連弾曲集では最も古いかもしれない。1巻と2巻があるが 2巻の方を調べることにする。

曲名 作曲者 難易度p 難易度s 推薦
クシコス ポスト ネッケ 12 10  ☆
軍隊行進曲 シューベルト 13 13  ☆
トルコマーチ モーツアルト 15 14  
ハンガリアンダンス第5番 ブラームス 12 12  
モーメントミュージカル シューベルト 10  9  
セレナーデ シューベルト 11 12  ☆
春の歌 メンデルスゾーン 12 13  
メヌエット ボッケリーニ 11  9  ☆
ホフマンの舟歌 オッフェンバッハ  9 12  ☆
ワルツ ブラームス  8 10  
春の声 シュトラウス 16 13  
華麗なる大円舞曲 ショパン 16 12  
アメリカンパトロール ミーチャム 13 12  
こどものマーチ シューベルト 10 11  ☆

○クシコスポスト これは本来ソロ曲なのだが、この連弾で弾かれることの方が多いのではなかろうか。 それくらいの古典的編曲である。ソロ曲としては難易度が上がるしその難易度では他に弾かしたい曲もいくらでもあるので、 ソナチネ終わり程度のこの編曲がよく使われるということになる。secondは手さえ大きければprimoより易しいのだが、 人前で弾くとなれば、少なくともprimoと同等以上の腕前はほしい。

○軍隊行進曲 ほぼ原曲どおりだが、微妙に和音の改変がある。

○トルコマーチ 原曲より音が増えていて、その分透明度が減っている。

○ハンガリアンダンス イ短調にしてある。私は使いたくない。

○モーメントミュージカル 昔は教材が少なく、小さい子にクラシックの本物の香りを味あわせるために使ったものですが、 今となってはねえ・・

○セレナーデ 今はもう幾通りもの編曲がありますが、これがオーソドックスな形かな。

○春の歌 これは二人で分けるとリズムのずれが目立つ危険が大。

○メヌエット ソロ版の編曲でいいのがいくらでもあるが、これも悪くはない。

○ホフマンの舟歌 これも古典的編曲。secondに難しさが集中しているから、ある意味使いやすい。

○ワルツ 微妙に原曲をいじっている。大きく難易度が変わっているわけでもない、こういうのは好きではない。

○春の声 原曲にかなり忠実な編曲だが、やはりオケの方がいいなあ。

○華麗なる大円舞曲 原曲で弾かすべき。

○アメリカンパトロール サブバイエルにずっと易しいいい編曲がある。これも悪い編曲じゃないが、この難易度で やらせたい内容の曲でもないだろう。

○こどものマーチ 原題は「マーチ」。シューベルト最晩年の曲。これは改変してない。

総合評価     B

非常に古くからある連弾曲集。年配の先生ならまず持っていると思われる本。

そして古い割りに編曲そのものはきちんとしていて、編曲のせいで使えないというものは一つもない。

にもかかわらず、評価がBにしかならない理由というのは、つまり選曲そのものにある。

たとえばモメントミュージカルや華麗なる大円舞曲は当然原曲で弾かすべき。ハンガリアンダンスもそう。 有用なのはオケ曲の編曲と、むしろ編曲の方が有名になったクシコスポストくらい。

昔は紹介されている教材の数が今の10分の1もなく、こういう編曲にも大いに意味があったが、今は少し調べれば 各難易度それにふさわしいソロ曲連弾曲が山ほどある。収録曲の半数くらいがもはや不要になりつつあるといえよう。

とはいえ、それはあくまで筆者の主観。編曲そのものにほとんど傷はないので、筆者と意見を異にする方は 大いに使われるがよろしかろう。

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