あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 連弾・二台ピアノ 

 

大村典子 連弾ピース・セレクション 2 歳時記 B   音楽之友社

大村典子さんのシリーズは相変わらず売れているようです。私はソロのシリーズより、むしろ連弾のシリーズの方に だいぶお世話になった記憶があります。1冊取り上げてみます。

番号 曲名 作曲者 編曲者 難易度p 難易度s 評価
 1 滝廉太郎 吉田洋 11 12  B
 2 春の歌 メンデルスゾーン   10 12  A
 3 5月のダンス テリー    9  9  B
 4 日の光に寄す シューマン ルトハルト  9 10  B
 5 結婚行進曲 メンデルスゾーン ルトハルト 11 13  A
 6 ラグタイム「菊」 ジョプリン 吉田洋 10 10  B
 7 初秋から秋へ 中田喜直   11 11  A
 8 ヴィヴァルディ 吉田洋 12 11  A
 9 トレパック チャイコフスキー 吉田洋 11 12  A
10 アヴェ・マリア シューベルト 吉田洋 13 11  A
11 もろびとこぞりて 賛美歌 吉田洋 10 7、3  A

1.冒頭にランゲの「花の歌」を挿入しているのは面白い。primo10小節目2拍目裏右、21はおかしいだろう、次ぎどうしようもなくなる、当然42。

2.原曲を二人に分けて、primoをオクターブ重ねただけの編曲。primoほぼユニゾンだが、そんなに易しくはない。 もともとがいいから、Aになるが、私はさほど使う気にはなれない。

3.これもprimoはほぼユニゾン。付点のリズムの連続は初心者にはきわめて難しい。やらすのなら正確に 弾かせること。

4.編曲は凝ってるが、曲自体が地味。

5.こどもは大好き。中間部のリズム、原曲は複付点だが、付点に変えている、これが気に入らないと評価Bになる。 私は以前は改変のない別の編曲を使っていたが、そちらは絶版になってしまった。繰り返しはほぼ付けるが、真ん中から後ろの二つは省いてもいい。

6.これはスロー・ラグです。あまり速く弾かないように。

7.これはそもそも連弾曲。初秋から秋、といっても自作の「小さい秋見つけた」をちょろっと使い、「もみじ」 に移行しているだけなんだけどね。

8.primoとsecondの掛け合いを楽しんで。

9.テンポを速くすると面白いが難しくなる。

10.primoの14小節が難しすぎると思う場合は、左で右の下を弾き、左は省略するという手もある。

11.このシリーズは6手連弾があるのがいいのである。まったくど素人のお父さんでもterzo(一番下) なら、少し特訓すれば弾けるはず。(難易度のsecondの欄の二つめはterzoです。)

総合評価    A-

このシリーズが出てからもう20年ほどになる。それまでは連弾の本というのは極めて数が少なかったが、 現在では楽譜売り場の1割ほども占めるくらい、品が揃ってきた。その中で、このシリーズは依然として 推薦するに足るだけの内容を備えている。

といっても、オリジナルの連弾曲で掘り出し物があるというよりは、有名曲の編曲が優れているということである。 その意味でやはり-が付くのはやむをえないか。

難易度は揃っている、primoとsecondもあまり大差ないものが多い。たまには生徒にsecondをやらすのもいいだろう。

6手連弾は発表会にお父さんを引っ張り出すのに最適。

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