あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 連弾・二台ピアノ 

 

ピアノ連弾曲集 <音の旅>  尾高惇忠作曲    カワイ出版

尾高惇忠さんは、名曲「ソナチネ」の作曲者である尾高尚忠さんのご子息。ピアノ曲集は他に、もう一つあるようである。

番号 曲名 難易度p 難易度s 推薦
 1 小さなコラール  7 11  
 2 森の動物たち  7 10  
 3 おもいで  8 11  
 4 優雅なワルツ  7 11  
 5 シチリアのお姫さま 10 13  
 6 エレジー  8 13  ☆
 7 前奏曲  6  8  ☆
 8 雪国の教会  9 10  
 9 なめとこ山の熊  8 11  ☆
10 注文の多い料理店  8 10  ☆
11 どんぐりと山猫 10 12  
12 古い旋法によるフガート 10 11  
13 バレリーナ 10 13  
14 フィナーレ 13 15  

1.あまり小さい子にやらせると、中間部がユニゾンでなくなり、臨時記号も多く出てきて、ねを上げるかもしれない。

2.森の動物たちの運動会、と書いてある。

3.美しく。微妙に日本的風味がある。準推薦。

4.ハ長調という調性を優雅に弾くには相当のセンスが要る。

5.優雅に、リズムのセンスが試される。準推薦。

6.しみじみと。secondoには分厚さが要求される。

7.技術的には一番易しいと思うが、7番に来ているということは、この曲の味わいを出すには、余裕のある腕前が ほしいということか。イ短調に移るときが、はっと美しい。

8.primo,secondの難易度があまり変わらない。しんしんと雪が降っているのでしょうか。

9.出だしのフレージングを正確に、そこで表情が決まる。

10.童話自体は強烈に印象に残るものだが。この曲も薄気味悪い雰囲気をなかなかうまく出している。

11.手が小さいとsecondoはきつい。

12.30小節の頭はソステヌート・ペダルを使うのかもしれない。最後のトレモロの数は、できるだけ多く、 くらいの感じでいい。

13.secondのメロディーは「春の祭典」のメロディーをちょっぴり思い出す。secondがものを言う曲。

14.オーケストラ風の厚みがあり、なかなかかっこいい曲です。相当長いので発表会向き。

総合評価     B+

尾高さんの作品は、ある意味、地に足がついているというか、日本的な感性を土台に西洋音楽の技法をしっかりと身につけた 、というような感じがする。ただ、そういうことなのかどうか、いわゆる「おしゃれな音楽」とは、微妙に違和感が 残る。

この曲集で、その長所が最もよく出ているのは宮沢賢治シリーズの5曲(7~11)。こういう古い純朴な日本 の風景というような感覚は極めてうまく作品に反映されている。これらはすべて、取り上げる価値がある。 逆に、その都会的センスというものの欠如が気になるのは、たとえばワルツなどであろう。

どれも比較的長いので、発表会等で使うことをお勧めする。

 
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