あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 連弾・二台ピアノ 

 

物部一郎ピアノ連弾作品集 楽しい世界の民謡    音楽之友社

予定と順序が変わりまして、 先日取り上げた、物部一郎さんの最新作です。これは実は長大な二つの組曲から出来ていて、おのおの切れ目がないのですが、 一応表では分けて扱います。

外国民謡によるピアノ連弾組曲 推薦☆
番号 曲名 地域 難易度p 難易度s
 1 クラリネットをこわしちゃった フランス  6 10
 2 一週間 ロシア  5  7
 3 ピクニック イギリス  7 10
 4 真実の愛 ドイツ 11 17
 5 雪山讃歌 アメリカ  5  ―
 6 ホルディリア・クック スウェーデン  6  4
 7 私のボニー アメリカ  7  9
 8 さよならオーガスティン ドイツ  4  4
 9 気のいいアヒル ボヘミア  7  8
10 帰省 ドイツ  7 12
11 赤いサラファン ロシア  5 15
12 オクラホマミキサー アメリカ  8 12

1.譜面は易しいが、この曲らしく弾こうとすれば、せめてレベル7くらいは欲しい。2曲目との間にセカンドは 入れ替え可能、プリモもこの曲の終わりのところで代われないことはない(やや危険)。

2.d-es-eと転調する。面白いがこれも余裕のある腕前が欲しい。3曲目との間で入れ替えは不可能。

3.プリモは次の曲との間に長い休みがある。発表会等では、ここで交代するというのが作者の予定だろう。

4.これって民謡でしたっけ。ブラームスじゃなかったのかしらん、ドイツ民謡を元にしていたのかな? ブラームスっぽく 分厚い編曲です。プリモは次の曲との間に入れ替え可能。

5.一番だけでごく短い。セカンドがない、ここで入れ替え可能。

6.セカンドは後半に入ってくる。

7.ここのスタート部分でプリモもセカンドも代わろうと思えば代われないこともない(やや危険)。

8.これが一番易しく一番当たり前の編曲。

9.ここの前半でプリモは交代可能。プリモのトリルは16分音符が良い。

10.Des。プリモは見た目より弾きにくい。次の曲との間にプリモは交替可能。

11.プリモはユニゾン、セカンドは細かい。次の曲との間に長い移行部があり、プリモは交替可能。

12.スイングすること。コーダがついている。

○あまり凝ったことはしていません。無難な編曲で、プリモはあまり難しくなく、それなりに派手な演出もあり充分推薦なのですが・・。問題はこれをどう使うのか という点にありそうです。表では分けていますが、音楽としての切れ目はありません。全部通すと15分くらいかかりそうですので、 レッスンでは使いづらいんですよね。発表会等で複数の人数でするというのが最も考えられます。セカンドは先生、もしくは 中級者1~3人で、プリモは5~7人で。

日本民謡によるピアノ連弾組曲 推薦★
番号 曲名 地方 難易度p 難易度s
 1 谷茶前 沖縄  9 12
 2 五木の子守歌 熊本 11 13
 3 黒田節 福岡 15 13
 4 よさこい節 高知 13 11
 5 金比羅船々 香川 17 14
 6 中国地方の子守歌 広島  8 11
 7 串本節 和歌山 12  9
 8 木曽節 長野 14  8
 9 ちゃっきり節 静岡 12 12
10 えんこ節 山梨 13
11 お江戸日本橋 東京 12  8
12 八木節 群馬 15 15
13 会津磐梯山 福島 15  9
14 真室川音頭 山形 10 13
15 そうらん節 北海道 17 15

1.プリモとセカンドがポリリズムになっていて、双方きちんとできてないと合わすのが難しい。なお言うまでもないが 日本民謡の付点はスイングの感じになる。

2.大分凝ってる。情緒たっぷりに。交替しようと思えば初めの部分でプリモもセカンドも可能。

3.頭の部分でも次の曲との移行部でもプリモは交替可能。プリモの連続4度は相当難しい。分厚い響きで、慌てないこと。

4.後半はもう次の「金比羅」のメロディーが出ている。前曲までと一転してやや軽く、ちょっとしゃれた感じで。 移行部でプリモは交替可能。

5.すばやい分散オクターブがある。移行部でプリモ交替可能。

6.他に比べれば易しいが、ギリギリで弾かせたくはない。移行部でセカンドは交替できる。

7.カノンになっている。ゆっくり目で力強く弾く。

8.プリモは手が硬直してくる可能性あり、指使い考慮の必要あり。セカンドのメロディーを壊してしまうようではいけない。 セカンドはのびのび、朗々と歌っているような感じで。

9.時代劇で言う「きっぷがいい」という感じの演奏がほしい。移行部でプリモ交替可能。

10.「島原の子守歌」と同じメロディーですな。別名なのかしらん。セカンドがない。もちろん交替可能。

11.プリモの走句を琴のように。移行部でセカンド交替しようと思えば可能。

12.セカンドの右の指は51,42の方が易しいかもしれない。セカンドは太鼓のイメージ。

13.これもプリモに分散オクターブがある。途中でプリモ、移行部でセカンドが代わろうと思えば代われる。

14.3拍子に編曲している。ある種の力強さがいる。後半はうまく息を合わしてアッチェすること。

15.プレストなので相当速く弾きたい。

○こちらは中級向きで結構凝っていて、しかも日本民謡のよさを充分引き出している。もう一つと同じようにプリモ4~6人、 セカンド3~5人で、交替して通すか、もしくは先生どうしで全曲通してみても結構受けると思う。20分以上かかるが。

総合評価   A

だいたいのことはすでに書きましたが、とてもいい曲集です。ただし普段のレッスンには使いにくいです。というまとめになるのでしょう。

世界の方は、普通の編曲がされているので、初心者にピアノの楽しさを教えるという感じ。日本のほうは相当凝っているので 連弾の楽しさ、そして最近の子どもたちがほとんど知らなくなった日本の旋律に親しませてあげて欲しいものです。

プリモにほとんど指使いが記されていない。前もって先生がある程度つけてやる方が、特に余り余裕のない生徒の場合は望ましいだろう。

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