あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 連弾・二台ピアノ 

 

ピアノ絵本館2 チャイコフスキー 白鳥の湖 編曲・文 宮本良樹 全音楽譜出版社

 ピアノ絵本館が始めて登場したのは80年代の半ばである。たちまちのうちに隠れたベストセラーとなり、現在なおこのシリーズは続いている。まあ、ほとんどが名作の焼き直しであるから、当然新しいものより初期に出された古いものに良いものが多い。

曲名 難易度p 難易度s 評価
前奏曲  10  12  A
パ・ド・トロワ  10   9  B
ワルツ   8   8  A
杯の踊り  12  12  A
情景   9  12  A
オデットの踊り   9    9  A
4羽の白鳥の踊り  11  11  A
白鳥たちのよろこびのおどり   9   9  B
お客様たちの入場  10  10  B
ナポリの踊り   8   8  A
ハンガリーの踊り  12  11  A
小さな白鳥達の踊り   8   7  B
フィナーレ   9   9  A

○前奏曲 この曲だけほとんど省略されていない。テンポのあおりの良い練習になる。

○パ・ド・トロワ 単独で弾くことは多分ないだろう。

○ワルツ 出だしが一番難しいかもしれない。後はワルツの気分を味あわせたい。

○杯の踊り ポロネーズと思われる。8分音符のフレージングは色々考えられるが、二つをレガートで結ぶのと、どちらもスタカートの2種類が基本。うまく混ぜ合わすように。

○情景 これは超有名だけに省略せずに編曲して欲しかった。私は全曲通すときこの曲だけは省略していない版に差し替えます。

○オデットの踊り 気品のある演奏、というものが求められる。

○白鳥たちのよろこびのおどり ゴージャスに。

○お客様たちの入場 初めは「お客様のおな~り~」という感じ。中間部が入場そのものですな。

○ナポリの踊り これは「こどものためのアルバム」から引っ張ってきた曲ですな。アーティキュレーションはソロ版に準じたらいいかと思われる。

○ハンガリーの踊り ラッサンの部分を速くするとそこそこ難しくなる。

○小さな白鳥たちの踊り 32分音符があるが大して難しくはない。

○フィナーレ ここはナレーションをどうするかが難しい。ナレーションを全部終えてから音楽になると気が抜けてしまう、「悪魔の悲鳴がとどろきました」で音楽に入り、Moderatoの部分にナレーションをかぶせるのが良いと思う。

総合評価    A

 今更紹介するまでもないような本だが、もし知らない先生がいたら是非買っていただきたい。発表会やクリスマス会で全曲通してすると確実に喜ばれます。

 チャイコフスキーの3大バレエの中では「白鳥の湖」がベスト。「くるみ割り人形」は音楽は良いが、話がたいして面白くなく、「眠りの森の美女」は話は良いが、音楽に魅力あるものが少ない。「白鳥の湖」はストーリーも音楽も子どもの心をとらえて離しません。

 編曲は非常に良い。

 注意すべきはナレーション、ナレーターがへたくそだとぶち壊しになります。最低でも「放送部員」程度の人間を用意すること。

 後半、ナレーションと音楽の比率が偏ります。ナレーションを適宜補っても良いと思う。

 上級の生徒を参加させたい場合は、ソロの全曲版を手に入れて(昔、東京音楽社から出てました。倒産してどうなったのかちょっと不明)、あちこちソロで補充させる手があります。特に王子とオデットのデュエットは是非補充したい。

 なお、単純に難易度だけ見ればsecondが易しい場合が多々あるが、secondはペダル必須、そしてリズムの根幹を左右するだけに余裕のある腕前の方がいい。

 評価Bとあるのは、単独では余り喜ばれないかな、という感もしますが、通すときにはもちろん必要。

トップへ戻る   1つ上に戻る

© 2015- 田所理央 ご意見・ご感想は t.masato@mathemarimo.bird.cx までお願いいたします。