あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 連弾・二台ピアノ 

 

やっぱりピアノがすき 連弾曲集2  橋本晃一編  ドレミ楽譜出版社

 今回取り上げるのは高い評価を得ている「やっぱりピアノがすき」の連弾バージョン。需要の多そうな2巻から検討します。

曲名 作曲者 難易度p 難易度s 評価
気のいいアヒル ボヘミア民謡   4   4  A
トトトの歌 作曲者不明   5   5  B
美しく青きドナウ シュトラウス2世   5   4  B
おんまはみんな アメリカ民謡   4   4  A
シェリト・リンド メキシコ民謡   4   4  B
森のくまさん アメリカ民謡   5   4  A
おおスザンナ~草競馬 フォスター   4   5  A
クラリネットをこわしちゃった フランス民謡   5   5  B
森の教会 アメリカ民謡   4   5  A
アルプスの谷間 スイス民謡   5   4  B
真珠とりの歌 ビゼー   3   5  B
幸せなら手をたたこう スペイン民謡   3   4  A
スケーターズワルツ ワルトトイフェル   6   5  A
愛の夢 リスト   4   6  B
別れの曲 ショパン   5   6  A
乙女の祈り バダルジェフスカ   6   5  C
ロック:エリーゼの為に ベートーヴェン=橋本晃一   5   6  B
エンターテイナー ジョプリン   6   5  A

○気のいいアヒル サブバイエルにも良い編曲がある。こちらのほうがあっさりしている。

○トトトの歌 通常使われているものと一部旋律に違いがある。

○美しく青きドナウ 8度ポジションがある。このレヴェルではどうか。

○おんまはみんな ちょっと西部っぽい編曲。

○シェリト・リンド 1番かっこの手前の小節、右手H、1とあるが4の方がいいと思う。

○森のくまさん 8度ポジションがあるが、よほど手が小さくない限り使えるか。secondは技術的には易しいがprimoとの音のバランスを考慮に入れなければならない。 

○おおスザンナ~ すでにこの2曲を知っている子どもには良いだろう。

○クラリネットをこわしちゃった テンポにもよるが、右手の同音の処理がやや問題(特に付点の箇所)。

○森の教会 2拍目を付点にしている楽譜とそうでないものとがあるが、これは付点。行進曲っぽいと言うか、やや子どもっぽい雰囲気になる。

○アルプスの谷間 primo3,4段目、左右の受け渡しとメロディーの受け渡しが一致していないのが少々ややこしい。

○真珠とりの歌 primoとsecondのバランスが難しい。

○スケーターズワルツ 最初の繰り返しは付ける。二つ目はいらないだろう。

○愛の夢 初見用には良い(つまりprimoだけ練習してもあまり面白くないのである)。

○別れの曲 secondの一見ややこしい右手の動きは、原曲の内声を忠実になぞっているため。 

○乙女の祈り primo最後の連打の指が記されていないが、同指はやや首をひねる。25の6度もあるし、相当大きくないと使いたくない。

○ロックエリーゼ 面白いのだが、9小節目の最後の和音、構成音5個の内4個までDというのは・・その前から、ちょっと気になる音ですな。

○エンターテイナー 3小節目primoの右、4123とあるが、4134か4234の方が弾きやすいと思う(4234の場合は左も1321に変える)。

総合評価    A

 予想通りと言うべきか、例によって手慣れた編曲です。評価Bとあるものも教材としてみた場合、ほんのわずかに気になるところがあるかな、あるいはベターではあるがベストとは言い難い、というくらいのことです。このシリーズの橋本さんは他の単発ものに比べると多少気合いが入っているのかもしれません。

 橋本さんの連弾用の編曲は二冊目ですが、ひょっとしたらソロ用よりも連弾用の方が得意なのではなかろうかという節さえあります。

「やっぱりピアノがすき」シリーズonlyで進ませると、さすがにちょっと軽いのでは、という危惧をお持ちの先生には、むしろこの連弾用を、もう少し堅めの教本と共に使用するのがバランスが取れて良いかもしれません。

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