あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 連弾・二台ピアノ 

 

物部一郎 バイエルからブルグミュラーまで 55のピアノ曲集 2 全音楽譜出版社

 連弾の楽譜の2冊目です。物部一郎さんの「55のピアノ曲集」、75年に出た本ですからもう30年近く前になります。1巻、2巻とありますがより需要の多そうな2巻を先に検討することにします。難易度のpはprimo、sはsecondです。

番号 曲名 難易度p 難易度s 評価
31  ハ長調のワルツ   4   4  C
32 6度のポルカ   4   5  C
33 運動会   4   6  B
34 リボン   4   4  B
35 風車   4   4  C
36 二人三脚   5   5  D
37 わらべ唄   3   4  A
38 回転木馬   4   5  C
39 ホ長調のワルツ   4   4  B
40 練習曲   4   7  B
41 フォークダンス   4   5  C
42 間奏曲   4   7  A
43   5   6  B
44 子守歌   4   5  B
45 小人の行進   5   5  A
46 ロマンス   6   3  A
47 マンボ   5   6  A
48 嬉遊曲   5   6  B
49 シャッフル   5   6  A
50 ロッカ・バラード   6   9  A
51 ジャズ ワルツ   5   6  A
52 ビギン   6   7  A
53 プレリュード   6   8  C
54 タンゴ   7  11  A
55 奇想曲   7   9  B

31.secondのオクターヴを省けば小さい生徒どうしでも可能だが、さほど面白い曲でもない。

32.4小節目最後のC、2とあるのは次を41の予定か? 小さい生徒なら3にして51,その次を2に変えるのだろう。

33.スタカートとはいえ23の3度があるのが気になってBに落ちた。3段目primo左手5312とあるが、5212でも良いと思う。

35.この曲集には良くあるのだが、連弾というか、かわりばんこに弾く曲。

36.同音連打が多く使いにくい。

37.難しいのはイ長調ということだけ。

38.バイエル80番対照ということだが、交差がないぶん易しい。

39.これもバイエル82番より易しい。

40.4ページ2段2小節目からprimoの指に問題あり。左手の32は34のミスプリと見て良いと思う。次の小節の右手45は4回にわたって出てくるので、ミスプリではないだろうが、(レガーティッシモになる、アクセントが付かない等の理由があるのだろうが)教材としては賛成しがたい。43に修正して(次ページはその後も修正の必要あり)使用すべき。

42.secondは10度ポジションがある。

43.primoの初めと中間部、同じ音型で指使いが異なるが、速さの相違によるものである。

44.5小節目、primo左41とあるが、31かな。

45.2ページ目1段3小節4拍目右primo、23とあるが13でもいい。付点のリズムを正確に。

46.secondはほんの伴奏という感じ。primo3段6小節右手最初の音、5とあるが4で良い。

47.是非させてあげたい傑作。オクターヴを省けば子どもどうしで可能。

49.この曲の付点はいわゆるスイングです。3ぺーじ目primo右手Gis音、3とあるが2の方が断然易しい。

50.3連にタイの付いたリズムは初心者にはなかなか難しい(大人は極めて困難)。きちんと数えさせること。1ページ3段目primo、3小節目最初の音、3となっているが2の誤り。

51.付点は当然スイング。1ページ目primo3段目最初の音、2ページ3段5小節目最初の音、3とあるが4の方がいいと思う。3ページ1段4小節目primo最初の音、3とあるが2の方がいい。

52.マンボと並ぶ傑作。やや気になる指使いはあるのだが(7小節目左)、目をつぶって使いたい。3ページ2段2小節目primo右3拍目、3とあるが2で良い。

53.この曲集で最もユニークな和声、好きな人はいるかもしれない。

54.冒頭primoの指は左右とも321が良い(以下同型はすべて321)。これまた名曲であるが、教材としては少し長すぎる感もあり一覧表からは落ちた。発表会にはとてもいい。

55.最初の2番かっこのsecond、H音はBの誤りの可能性あり。

総合評価  A

 日本人の手になる入門者用連弾曲集の最高のもの。特に後半に傑作が目白押し。

 難点を言えば、長い曲が多い。普通の教材と言うよりは、発表会用曲集という方があたっているかもしれない。

 工夫をすれば生徒どうしでもさせることが出来る。その意味からも発表会に良い。

 先生は必携。生徒には、どうでしょう、買わしても無駄にはならない、というところでしょうか。

 指使いにちょっと妙なクセがおありのようです。

 物部一郎さんには以前全音から「15のピアノ曲集」という本が出ていた。初級から中級にかけての優れた曲集であり、復刊を強く望むものである。

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