あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 教本 

 

ロリン・ピアノコース レパートリー2    全音

すべてオリジナルの曲集、1冊目はなかなかよかったが、さて二冊目は。

曲名 難易度 評価
ソナチネ 1楽章 古典  6  C
 2楽章    5  B
 3楽章    6  C
メヌエット 1 バロック  5  B
 2    6  C
アラベスク ロマン  5  C
ピアノ・ブルース 現代

 5

 D
リトル・トッカータ ロマン  5  C
威風マーチ バロック  6  A
てんかい・ラグ 現代  6  B
Gメジャーの変奏曲 バロック  6  C
アメリカン・プレリュード 現代  5  B
タランテラ・イタリアーナ ロマン  5  B
無言歌 ロマン  6  B
ハンガリアン変奏曲 現代  6  B

○ソナチネ 1楽章はスケールの練習という感じ。3楽章の半終止の属七、規則上は不可、実はたまに見かけるのだが、ここは普通の属和音だろうと思う。

○メヌエット 対位法の練習にはあまりならない。バッハ(ペツォルト)のメヌエットを差し置いて弾かせる価値があるかどうかは疑問。

○アラベスク 本家には遠く及ばない。「バラード」にまだ近いんじゃないかな。

○ピアノ・ブルース 何がいいのか、私にはわからない。

○威風マーチ これはなかなかいい曲です。

○交差を使わないほうが易しい可能性もある。

○Gメジャーの変奏曲 「ト長調」と訳すべきだと思うが。パッヘルベルのカノンのもじり。

○無言歌 一種の変奏曲。テーマはとても美しい。分散和音にすると、やや魅力が減じる感がする。繰り返しはつける。

○ハンガリアン変奏曲 本人も記しているが、バルトークのもじり。出来はいい。

総合評価     B-

1巻に比べて、評価が大きく落ちました。残念なことです。

作曲者自らが記しているように、大半ある種の「もどき」で、できばえがまた、「もどき」の域を出ていないものがほとんど、ということで、まあやむをえない結果でしょう。

難易度が低い段階では、ロリンの手法で十分対応できたのですが、入門の終わりごろになると、それでは対応できないということなのでしょうかねえ。

教材としての適正を優先させているので、生徒にとって負担になりそうな箇所が見当たらないという「よさ」がありますが、曲自体の魅力が薄いと、抵抗が少なくても生徒のやる気を引き出すにはいたらないでしょう。

教師には使いやすいかもしれませんが、小さく書かれているテクニック的な説明で、この人独自の用語が使われているので、姉妹書の「テクニック編」を参照しておかないと、正確な意味が取れないというのも難点のひとつかな。

まあ、教師は持っていれば何かの役には立ちそう。ソナチネに入る手前で足踏みしている生徒に、一気に片付けさせるつもりで渡すというのもありかも。

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