あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 教本 

 

リラ・フレッチャーピアノ教本 4  中村菊子・渡辺寿恵子解説訳   全音楽譜出版社

すでに3巻まで検討したリラ・フレッチャーピアノ教本の4。6巻まであるが店頭でよく見かけるのはこの巻ぐらいまでか。

番号 曲名 作曲者 難易度 評価
 1 水兵さんのホーンパイプ 古いうた  6  A
 2 水中バレー リラ・フレッチャー  6  B
 3 我らのチーム リラ・フレッチャー  6  A
 4 クラウン カバレフスキー  6  A
 5 ノクターン シューマン  7  B
 6 ウイーンのワルツ ヨハン・シュトラウス  7  A
 7 アレグレット クレメンティ  5  A
 8 賛美歌 ヘミイ  7  C
 9 珊瑚のお城 グルリット  6  C
10 メキシコの帽子踊り フォークソング  7  A
11 デック ザ ホール クリスマスのうた  6  A
12 クリスマスの鐘が聞こえる カルキン  6  B
13 イントラーダ バッハ  6  B
14 ロマンス ベートーヴェン  7  A
15 そり ツェルニー  7  C
16 オルゴール フランス民謡  6  B
17 アメリカンパトロール ミーチャム  6  A
18 紡ぎ歌 エルメンライヒ  7  A
19 アメリカ・ザ・ビューティフル ウォード  7  B
20 バグパイプ吹きのティム アイルランド民謡  6  A
21 イギリスの古いうた    7  C
22 かがみ シューベルト  8  B
23 ブルグミュラー  8  A
25 ひばり レシュホルン  5  B
26 乙女の願い ショパン=リスト  7  B
27 夏の日 リラ・フレッチャー  5  D
28 メロディー シューマン  5  B
29 トルコ行進曲風ロンド モーツアルト  6  A

1.6小節目右3拍目4になっているが5の方がいいと思う。4の場合は少し遅いテンポ設定になるだろう。

2.ペダルをきちんと踏み変えろとある。練習としてはそうなるのだが、音楽としては実は半ペダルぐらいのほうがきれいであると思う。

3.これはなかなかいい曲です。

4.クラウンとは「道化師」のこと。あちこちで見かける曲。

5.原曲が何なのか、ちょっと不明。

6.「南国のバラ」と「ウイーンの森の物語」のメロディ。

7.ソナチネOp.36-2の2楽章の最後。付点8分のリズム練習。

8.ペダルをつけた場合の難易度。こういうのは日本の子供はよほど美しくない限りのってこない。

9.保持音の練習かな。

10.速い6拍子の練習。

11.「ひいらぎかざろう」かな。

12.前曲もそうだが、こういう片手に重音がしばしば含まれている曲が多い。旧来のブルグミュラー・ソナチネではなかなか経験できない 書法である。

13.原曲不明。2声の導入として使われている。

14.ソナチネ№5の二楽章。提示部を繰返しを使わないで二回記してある。

15.半音階の練習。

16.ペダルを多めに。1オクターブ上で弾くことを忘れないように。

17.日本でよく聞かれるメロディーと一部異なる。

18.再現の手前の2小節を省いている。

19.ぺダリングが難しいかも。

20.これも微妙にメロディーが異なる。una cordaが出てくる。

21.ペダル必須。

22.左手の指替えの練習になる。慣れないと難しい。

23.普通の楽譜と指が違うが、これはこれでいい。

24は加線の読み方の説明。

25.3連符の練習。

26.手が大きければ易しい。リストが編曲したものをさらに編曲したもの。

27.単なる同音連打の練習。

28.ここまでちゃんと学習した生徒には易しいだろう。

29.最初の部分だけ。少し易しくしてあるのだが、不要な気もする。音価が二倍になっているということはゆっくりでいいということであろう。

ここで理論の説明と移調課題があり、次に特別課題がある。特別課題はすべて編曲である(おそらく著者によるもの)。

番号 曲名 作曲者 難易度 評価
 1 ミステリー      
 2 うるさい人 スーザ  7  A
 3 動き ストリーボッグ  8  D
 4 冒険 ルモワーヌ  8  D
 5 歌の好きな私 ツェルニー  6  C
 6 トゥインクル、トゥインクル モーツアルト  6  A
 7 フレール・ジャックさん フランス民謡 16  A
 8 公園のスケーターたち ツェルニー 12  C

1.オクターブのトレモロ練習。普通の日本人はこの段階ではパス。手の大きい、9度が届く生徒だけ挑戦させてもいい。

2.トリルの練習。最後の左はオクターブ下?

3.分散和音の練習。

4.和音のスタカートの練習。

5.特別課題で最も易しい。

6.和音の上の音を響かす練習。どこまで要求するかで難易度が変わる。

7.これも手が大きい人以外はこの段階ではしない方がいい。

8.三度の練習。速さによってまるで難易度は異なるが、この段階で弾かせるのなら、かなり遅くないと無理だろう。

総合評価     A-

後半ちょっと息切れした感もありますが、堂々のA評価。

3巻でも書いたことだが、最後の特別課題だけが難しい。特にこの巻はオクターブのトレモロがあって、普通の生徒はまず不可能。 特別課題の意図は、本人の毎日の自習用、一種のハノン的な役割となっているので、まあ、いいと言えばいいのだが。特別課題だけは 別扱いにする方がいいと思う。

他の教本に比べると、和音の中にメロディがあるという形が多く出てくる。

ある意味、教本として一貫している。逆に言うと、途中からは少し割り込みにくい。割り込むのなら少し易しいかなと思えるぐらいのところに割り込むべき。この本なら難易度5~8であるが、7か8ぐらいの生徒に復習を兼ねて与える。

このシリーズを一巻からずっと使ってきた場合は、どこで打ち切るかを考えることになろう。この巻まで仕上げてブルグミュラーに移行なら、楽勝。ソナチネに移行はやや難しいかも、ぐらい。

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