あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 教本 

 

江口寿子 ピアノの学校 2     全音楽譜出版社

狙いのはっきりした教本「ピアノの学校」の第二巻です。スタイルは前巻とまったく同じ。

番号 曲名 作曲者 難易度 評価
 1 ことりよ イエンゼン  2  
 2 和音をつけよう    2  
 3 ちょうちょ スペインのうた  2
 4 はらぺこねこちゃん ツェルニー  2  
 5 いとまき デンマークのうた  2
 6 ユニゾン ツエルニー  2  
 7 わたしのメロディー    2  
 8 わたしのワルツ    2  
 9 おほしさま コンバース  2
10 かわいいオーガスチン ドイツのうた  3
11 山の音楽家 ドイツのうた  2
12 メリさんのひつじ ドイツのうた  3
13 メリさんのひつじ ドイツのうた  3
14 しずかな夜は 江口寿子  3  
15 たからもの がいこくのうた  3  
16 そつぎょうのワルツ ツェルニー  3  

最初に「和音のきめかた」の説明がある。理論や伴奏付けの本ならともかくピアノ教本では珍しい。「和声記号」 で属7の和音の説明がある。

1.イエンゼンの「水車」のメロディをさらに易しくしたもの。

2.作曲者が記されていないが、江口さんだろう。和音をつける練習課題。

3.これも伴奏和音を自分で考える。

○「音符のいえ」で大譜表、拍子記号、小節線などの説明がある。拍子記号の説明に苦慮しているが明白に誤りの箇所がある。(初心者向きに解りやすくということだろうが、 いったんこう理解してしまうと、8分の6のときに困ることになる)

4.これも和音は自分で考える。

○拍子記号にあわせて小節線を記す課題と、加線の読譜の課題。

5.ト長調。リピートが出てくる。

○音程と模様読みの課題。

6.ヘ長調。ユニゾン。ダルセーニョが出てくる。

○音符の棒の向きの課題と、模様読みの課題。

7.模様読みから同じパターンのメロディーを作る課題、の応用でメロディーを自分で作る(正解は一通りしかないが)。

8.7と同様にメロディーを作り、ついでに伴奏和音も考える。

○ふてん4分音符の説明がある。

9.6度ポジションがあるが、メロディを左右で分けて弾くだけ。付点の練習。

10.ヘ長調。付点の練習。

11.5度ポジションですむように工夫してある。

○「いろいろな伴奏」 ここでシファソとシレソ(二種類のちょうちょの和音)の和音が登場。

12.「二種類のちょうちょの和音」の練習。

13.伴奏形を変えた。

○伴奏を考える課題と、模様読みの課題。

14.ニ短調。短二度の擬音を使っている。近代っぽくしたのかな。

15.曲としてはツエルニー的。

16.これはほんもののツェルニー

総合評価   A-

二冊検討して、だいぶ特色が明らかになってきました。まず言えることは、これは少なくとも収録されている曲に関しては古いタイプの教則本である、 ということです。

つまり機能の明確な曲に限られている。中身はバイエルのようなものです。ただそういうものを最大限、子供に受け入れられやすくする工夫を凝らしてある教本である、ということが出来ましょう。

教師にとって、特に自分がバイエルで育った世代の教師にとっては非常に使いやすい本です。

子供にとっても、その課題、進度の無理のなさ、説明の豊富さなど、とてもいい教本であるということは出来ます。ただし、マイナスがついてしまうというのは、つまり19世紀の教本の改良版という域を出ないという点にあります。そこに不満を覚えるかどうかで、この教本を使用するかどうかが決まるでしょう。

伴奏付けやら作曲の初歩やらが含まれており、好奇心旺盛な子供には向いている。

他の教本でいったん挫折した子供にも良いかもしれない。

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