あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 教本 

 

湯山昭 ピアノメソード ピアノの宇宙 2  ピアノ星座に夢のせて    全音楽譜出版社

すでに1、3巻と検討している湯山昭メソードの2巻、これでおしまいになります。途中湯山さん自作の童謡の 弾き語り用楽譜が8曲入っている。

番号 曲名 難易度 推薦
 1 春のあしおと  3  
 2 石段のぼる  3  
 3 星が空からおりてくる  3  
 4 ロバよ 歩け ゆっくりと  3  
 5 ヘイ! トライ トランポリン  3
 6 ゆびきりげんまん  4  
 7 おうむのカノン  5
 8 うずまきキャンディー  5  
 9 スピードスケート  5  
10 日ぐれのリコーダー  6  
11 おつかいいそいで  4  
12 心配なこと  5
13 日本の響き Ⅰ  4  
   日本の響き Ⅱ  4
14 さくらが咲いてさくらが散って  5  
15 ピアノは深呼吸  5  
16 ピアノは歌って深呼吸  6  
17 花のアーチ  6  
18 人魚のセレナーデ  6  
19 さざ波の子守歌  5
20 小鳥とおはなしアルベルティ  6  
21 きまじめクレメンティ  6  
  きいろいちょうちょ  6  
  ヨット  7  
22 心のハープ  6  
23 うれしい手紙  5  
24 どうしたの  6  
25 あまえるこねこ  7  
26 やる気はじゅうぶん  6  
27 アンダンテカンタービレ  6  
28 友だちアルベルティ  7  
  こんぺいとう  7  
  へい! タンブリン  7  
29 大好きな歌  7  
30 水すましのセレナーデ  6  
31 水すましの輪がゆれる  7  
32 短いプレリュード  7  
33 雨がえるのスケルツオ  7  
34 バラード  7  
35 涙のカノン  8  
36 悲しい歌  8
37 うきうきしちゃう  8  
38 踊るエコセーズ  8  
39 サイクリング・リング  8  
40 つぶらな瞳のモーツアルト  9  
  おはながわらった  8
  山のワルツ  7
  おはなしゆびさん  7
  あめふりくまのこ  7

最初に「長音階のはなし」がある。対象年齢が高いせいか、例としてイ長調が挙げられているほか、 C、E、H、F、B、Esの音階がある。後は勝手に自分で考えろということであろう。曲は5曲とも連弾。教本として 根本的に疑問なのは先生と合わせる場合はともかく、一人で家で練習する分には単純なスケール練習だけになるわけで、 生徒は確実に退屈するだろう。

1.primoはハ調長音階の練習になっている。ユニゾンで易しい。secondは8くらい。

2.primoはイ調長音階のみ。secondは7くらい。

3.primoはホ調長音階。secondは8くらいだが、相当うまく弾いてやらないと曲にのりにくい。

4.primoはロ調長音階。secondは8くらい。

5.へ長調。これだけがリズムの変化があって、primo単独でも我慢できそう。secondは7くらい。

6.「ポリフォニー入門」としてここから4曲ある。これは8分の6、譜面面よりは難しい。

7.カノンではあるが、片方が停止している時に受け継いでいるので易しい。むしろ保持音が問題。

8.交差が出てくる。

9.基本的にスケールの練習という感じ。ポリリズムがいかにも湯山さん。

「短音階のはなし」 三種類の短音階の説明がある。曲は3曲。

10.重音のレガートの練習にもなる。

11.4和音があるが易しい。

12.最後のピカルディ三度が何を表しているのか考えさせるのかな。

13.ここから3曲「日本の音階」。これはどうってことない。

   ⅡはⅠの左右を逆転させたもの(厳密にではない)。

14.いわゆる47抜き音階。この3曲、私にはあまり良いとは思えない。生徒に日本の響きって? と思われるのは 嫌だなあ。

「演奏法Ⅰ」として「速度法」「楽句法」「強弱法」「音色法」と「ペダリング」の説明がある。

15、16.16は15の変奏。

17.半音的進行が多い。

18.ペダルの練習でしょうね。

19.これもペダルの練習。日本の音階を使ってなかなかうまく表現されている。

20.「ホモフォニーのはなし」として二曲ある。これはアルベルティ・バスを使っている

21.湯山さんにしては古典派っぽいが、でもやっぱり湯山さんの曲だよなあ。

○きいろいちょうちょ 最初にも書いたように童謡が入っている。弾き語りが望ましいが、 伴奏を弾くのがまだやっとだと思われる。難易度は伴奏のみの数値。弾き語りにすると当然+1もしくは+2。

○ヨット この歌は知らないなあ。なんでイ短調なんだろ。

22.ト長調。ハーモニクスを使っている。3小節目D3とあるが、いくら何でもまずいだろう、2。7小節目も2の方がいい。

23.短前打音とプラルトリラーが出てくる。

24.6拍子から3拍子、ト長調からホ短調へのへの転換がある。音価を変えているので注意。

25.ヘ長調。あまり湯山さんの匂いのしない佳品。

26.ポリリズムがある。

27.ニ短調。やや重く。

28.どうも湯山さんの古典派もどきには違和感がある。

○こんぺいとう ニ長調。これは弾き語りはさほど難しくないかもしれない。

○へい!タンブリン これは結構有名ですよね。

「演奏法Ⅱ」として説明があり、まとめ的に12曲この項にある。

29.二声のメロディーの練習かな。

30.最後の二小節がちょっと難しい。準推薦かな。

31.30のちょっとした変奏。

32.ここら辺、ヘ長調の曲が並ぶ。雰囲気も似ている。

33.これもヘ長調だが、ちょっと雰囲気は違う。まあ、湯山さんの匂いは漂っているが。

34.ホ短調。やや重いかな、意図的かもしれないが。

35.ト短調。完全なカノンだがそれほど弾きにくくはない。

36.最後がちょっと童謡っぽい。

37.三連と二連の練習。

38.譜面面よりは大分難しい。

39.ニ長調。左手にシンコペの伴奏。

40.湯山さんはモーツアルトがお好きなようだが、これはやはり湯山さんの曲。最後だけあったやや難しい。

○おはながわらった 湯山さんは童謡の方がいわゆる「湯山さんの匂い」が少ないような気がする。

○山のワルツ 日本の童謡史に残るであろう名曲。

○おはなしゆびさん これも湯山さんなんですよね。意外な方もいるでしょう。

○あめふりくまのこ 最後の4曲は名曲ぞろいだが、ピアノの教材としては無条件に肯定できるわけではない。

総合評価   B-

評価として言うべきことは3巻の総合評価でもう言ってしまっているような気がします。

つまりこれくらいの難易度になれば色々な作品に触れさせたいということ、しかしこの教本はすべて湯山昭の匂いがありすぎてその意味の偏りが大きすぎるということ。

曲自体の価値は、決して低いものではないが、それでも湯山さんの最良の作品群、たとえば「こどものくに」などに比べると明らかに劣っていると言わざるをえないこと。

生徒が他の曲集で湯山昭のファンになっちゃったら、復習をかねてやらせてみてもいいかな、という感じ。

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