あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 教本 

 

みんなのオルガン・ピアノの本 4   ヤマハ音楽振興会編   

第4巻。この巻が最終巻となる。3巻と同じく左のページに技術的練習、右ページに曲というのが基本形。17番以降、 曲だけになる。

番号 曲名 作曲者 難易度 推薦
 1 きつつき トンプソン  4  
 2 むかしの歌 外国曲  3
 3 きれいなながれ 高橋正夫  4  
 4 ビルおじさんのやぎ 外国曲  4
 5 ゆれるおふね グルーバー  4  
 6 マラゲーニャ 外国曲  4
 7 野いちご フィンランド民謡  4
 8 スイスの歌 ツェルニー  4  
 9 優美なワルツ メトカーフ  5  
10 アビニヨンの橋の上で フランス民謡  5  
11 タランテラ 外国曲  4  
12 ジプシーダンス リヒナー  5
13 チャイニーズセレナーデ フリーゲ  4
14 アベマリア ブルグミュラー  5  
15 つむぎ歌 エルメンライヒ  5
16 みつばち    5  
17 アマリリス  フランス民謡  5
18 子もり歌 シューベルト  5
19 さくらさくら 日本古謡  5
20 かわいいかくれんぼ 中田喜直  5  
21 おおスザンナ フォスター  5  
22 スワニー河 フォスター  5
23 かわいいクレメンティ アメリカ民謡  4
24 聖夜 グルーバー  6
25 わらの中の七面鳥 アメリカ西部民謡  5
26 トルコのマーチ ディアベリ  5

○指変えの練習がある。同音連打のことである。練習曲はABCの14番の修正。

1.これはトンプソンからの流用だが(最後の1節省略)トンプソンでは指換えは想定していない。正直指変えの 練習曲としてふさわしいとは思わない。曲としては優れているが。なお難易度は指換えをした場合、しなければ3。

○ト短調の練習がある。

2.これはメトードローズ。最後の段は原曲にはない。

○3連符の練習がある。練習曲としてバイエルの85番。これは準推薦曲。

3.7度ポジションがある。13の分散6度がある、お勧めしかねる。

○左手メロディーに、右手和音伴奏の練習がある、練習曲はブルグミュラー16の前半を変えたもの。

4.トンプソンではペダルの練習曲として、片手で弾くようにとある。まあ、こちらの方が普通かな。

○左手の練習、として左手に八分音符の動きが出ている。

5.左手のスケール練習に近い。

○スタカートの練習がある。

6.ニ短調、属和音で終わる。

○16分音符の練習がある。練習曲としてハイドンの「驚愕」の編曲があり、これは推薦。

7.お子様用名曲。14のクロスの練習。左の保持音の練習にもなる。

○ニ長調の練習 練習曲は「変奏」というものを教えることが出来る。

8.オクターブポジションがある。

9.6度はすべて51でよい。右ページのテヌートはアクセントをつけて次の音につなげるようなつもりで。

○付点音符の練習として付点8分音符が出てくる。ロンドン橋と、ベートーベンのOp.49-2の2楽章の出だしと。

10.付点8分の最初の練習として良い点は八分音符と組み合わせてあるからリズムの間違いが起こりにくい、 まずいのは6度の連続になっている箇所が正確に弾くのは相当困難になっているということ。

11.速く弾けばともかく、さほど難しくはない。

○臨時記号の練習がある。

12.原曲の出だしの部分だけ、少し易しくしてある。

○装飾音の練習がある。

13.身体の硬い人はだいたい装飾音が苦手、装飾音だけ取り出して何度も弾かせること。

○コラールの練習がある。

14.ブルグミュラーの原曲をト長調に移調して、後半を易しくしたもの。推薦でも良いんだが、ト長調というのは 微妙にこの曲にふさわしくない。

○シンコペーションの練習。練習曲としてABCの5番の一部省略がある、これは難易度5で推薦。

15.別に今ひかさずとも、一年もすれば原曲が弾けるが・・こどもはこのメロディ好きみたいですね。

○半音階の練習がある。

16.これも完全に練習曲。

17.アーティキュレーションに気をつけて。

18.3段目3~4小節右手レガートは初心者には苦しい。

19.やや弾きにくい箇所があるが、日本ものはまあ仕方がないともいえる。

20.編曲に問題はないが。この曲の付点は日本式の付点でつまりジャズのスイングと似たようなもので3:1ではない。 そこのところをどう教えるかという難問が残る。

21.題名「おお」をカタカナにしているのが意味不明というか誤解を招きそう、英語のohです。1小節目右手34○5とあるが、3545だと思う。2段目も(古い版ではミスプリがある)。2段目の終わりで繰り返した方が良い だろう。3段3小節の左の形がピアノ教材としては気に入らない。

22.2段目で繰り返すのが普通と思われる。

23.「雪山讃歌」ですな。これは正確な付点が要求される。テンポは速くないから4分音符を4等分して数えさせること。

24.3度のレガートは難しい。終わりから2小節目右、312とあるが521でも良い。

25.連弾。secondは難易度4。

26.ディアベリのOp.149-26。secondの難易度は8(secondは原曲より簡単になっている)。

○最後に「さよなら」がある。使うのなら難易度3、推薦。なお「イギリス民謡」とあるが、別の本には「ドイツ 民謡」とある。どちらが正しいか不明。

総合評価   A

この巻が一番高い評価になります。半分以上推薦で、非推薦もほとんど全部使えます。

バイエル式といいますか、バイエル(メトードローズ)改良型の教材の中では最も出来がいいもの、と考えることも出来ますし、日本式折衷型でうまくいった教材と考えることも出来るでしょう。

全巻終了時点で、ちょうどバイエル終了程度になります(ほんの少し劣っているか)。メトードローズ終了よりは明らかに進んでいます。次の教材への移行が楽ということも使いやすい点になります。

全巻通して使う場合は、やはり最初の段階の取捨選択をどうするかを生徒に合わせて臨機応変に考えることが、うまくいくかどうかの分かれ目となるでしょう。

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