あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 教本 

 

アルフレッド・ピアノライブラリー 基礎コース レッスンブック レベル1B

         W.A.パーマー/M.マニュス/A.V.レスコー編著 田村智子訳 全音楽譜出版社

1Aは横長であったが、この巻から普通の製本になる。

○最初に「復習」があり、楽典と音の復習。すでに相当数の音が出現しており、読譜についてはノートを使用して 充分チェックをしないと、いつの間にか符が読めないままに先に進んでいることになりかねない。

曲名 難易度 推薦
ドぅ? ソーか  1  
メリーゴーラウンド  1  
アメリカ  1  
ブラザージョン  1
いい音だワン  1  
カッコーのかーっ子  2
お金がすべてじゃない  2
ピンポン  2  
おじいさんの大時計  2  
聖者の行進  2
バッグにGがある  1  
ウンパッパ  2  
ピエロ  2  
親指ド  1  
ワルツタイム  2  
ウェンセラスの王様  2  
 2  
Good Morning to You  2
Happy Birthday to You  2
ヤンキードゥードゥル  1
風車  2  
インディアン  2
新しいソ ポジション  1  
ペダルを使って  2  
ハープソング  2  
コンサートタイム  2  
オルゴールロック  2  
カウボーイソング  2  
手品師  2
世界で一番のサーカス  2
たつまき小僧  2  
惑星  2  
ト長調の音階の賛美歌  2  
フランスの子守歌  3  
ソナチネ  3  
元気いっぱいのマーチ  2  

○ドぅ? ソーか 「ド ポジション」として右手一点ハ~ト、ひだりは1オクターブ下。音の復習以上の意味はない。

旋律的音程の復習があって ○メリーゴーラウンド 2度から5度まで出てくるように作ってある。

○アメリカ スラーの説明がある。

○ブラザージョン fとpが出てくる。これはフランス民謡でしたかね?

和声的音程の復習があって ○いい音だワン

拍子記号の説明があって ○カッコーのかーっ子 普通に流布している「かっこう」と微妙に異なる。繰り返しは 通常はつけないというより、流布している曲ではそもそもないのだが・・

シャープの復習があって ○お金がすべてじゃない 準推薦くらい。

スタッカートの復習があって ○ピンポン 子どもが喜ぶ可能性はある。

○おじいさんの大時計 アウフタクトの復習。これは訳詞もうまい。準推薦。

○聖者の行進 おなじみです。

ソのポジション 右手が一点ト~二点ニ、左が2オクターブ下。○バッグにGがある 音を覚えるのが目的だろう。

○バタフライで泳ごう 「ちょうちょう」ですな。和音による伴奏、松葉のcrescとdim。推薦というほどではない。

○ウン・パッパ 「この題名は」別の曲を思い出す。アクセントの説明がある。

○ピエロ フラットの復習。ト短調で、一段だけト長調。

まん中ド ポジションとして中央のCに両手の1指を置いたポジション。○親指ド これも音を覚えるのが目的。

○ワルツタイム 速度記号としてAllegro、Moderato、Andante、Adagioが出てくる。左手メロディーのワルツ。

○ウェンセラスの王様 ヘ長調だが調号は使用していない。

○虹 フェルマータが出る。速度が途中で変わる。

○Good Morning to You(Happy Birthdey to You) Good(1音節)をHappy(2音節)に変えて八分音符の登場。

○ヤンキードゥードゥル 4分の2拍子登場。 ごく易しい。

○風車 ritとa tempoが出てくる。

○インディアン 繰り返しはつける。やや印象深い。

○新しいソ ポジション 前の「ソ」ポジションより左手が1オクターブ上、ヘ音記号上部加線が出る。この曲は row row row your boat。

○ペダルを使って ダンパーペダルの使い方であるが、日本では補助ペダルを使わない限り、普通の子どもはとばさざるを 得ないだろう。

○ハープソング 仮にこれらの曲を使うのなら、踏み換えということを教えてやらなければいけない。楽譜に記されて いるものとは微妙に異なる。

○コンサートタイム これもペダルがほしい。8vaが出てくる。

○オルゴールロック 何がロックなのか不明。

○カウボーイソング スイングでも弾いてみよとある。

○手品師 ト短調。リズムの処理がうまい。八分休符登場。

○世界で一番のサーカス 中央のレに両手の親指を置くポジション。難易度2でこれだけの曲が作れる。フェルマータを うまく表現したい。

○たつまき小僧 半音の説明がある。ナチュラルが出てくる。

○惑星 全音の説明がある。これはペダルがほしい。繰り返しはなくてもいいだろう。

テトラコードの説明があって、長音階の説明があります。左右分割でハ長調とト長調のスケール。

○ト長調の音階の賛美歌 ちゃんと音楽になってる。次に移調しただけのハ長調の音階の賛美歌がある。

○フランスの子守歌 ポジションの移動がある。中間部の繰り返しはつける。準推薦。

○ソナチネ ソナチネについての説明はほとんど誤りであるといってもいい。転調はやや唐突。

○元気いっぱいのマーチ まとめの曲。繰り返しはつける。子どもは喜ぶ、かな。

総合評価   A-

2冊目になって、アルフレッドが真価を発揮してきたような感じです。平均難易度が2くらいですからオリジナル曲で推薦に値するものは、通常ごくまれですが、3曲あります。他のものも純粋に理論・奏法の説明のものを覗いてまあ使えるという曲が並んでいます。

先生が注意すべきは読譜。音の範囲は1巻と比べて増えてはいない。そしていろいろなポジションの曲を集中的に何曲か弾かせてそこの読譜を仕上げるという狙いだと思われる。予習、あるいは復習で音を読ませること、ノートに書かせる、様々な工夫をして この巻の間に、少なくとも読符の第一段階(すらすらではないが、一応読める)まではいかなければなるまい。

一番ひっかかったのは「ソナチネ」の説明。「3部分からなりたち、真ん中が属調になる(この言葉は使ってないが)」 おいおい、と言いたい。とりあえず三部形式を教えて、属調を教えて、それからソナタもしくはソナチネの説明に移るべきでしょ。属調になるのは第二主題であって、真ん中の部分(つまり展開部)じゃないよ、と。いくら初心者向きでもこれはまずいでしょうが!  「ソナチネ」とは「短いソナタ」、そして「ソナタ」とは「楽器で演奏する曲」位の説明でしょ、説明するのなら、今は。

旧版のアルフレッドはそういう説明はきちっとしていた(確かレベルの7~8くらいの難易度になってからであった)。この点に関しては改悪と言わざるを得まい、残念なことである。

もう一つ、この早い段階でペダルを導入している、これは近年の傾向ではあるが。時々相当うまい人でもペダルの濁っている人を見かける。最初にきちんと教わっていないせいであろう。私としては初級の終わりくらいでいいと思うが、教えるのなら、初心者だから適当に妥協してということのないように。

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