あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 教本 

 

初歩から学べる入門曲集 やさしいポピュラー・ピアノ・レッスン 1 橋本晃一編  ドレミ楽譜

旧 <大人のためのポピュラーピアノ曲集>

これは結構古い本ですが、まだ店頭にあります。「ポピュラー・ピアノ曲集」とありますが、内実は大人向けピアノ教本 に近いと思われますので、教本に分類します。ただし楽典は記載されておりませんので独習には最低限の楽典の知識が必要です。 大人向けの教本というのがなかなかないので、紹介を兼ねまして検討します。なお、すべて編者が編曲している。

05年に表題を「やさしいポピュラーピアノレッスン」と改題して、中身は同じ、表紙だけ変えて出ました。

曲名 作曲者 難易度 評価
河は呼んでいる ベアール  2  A
ジャンバラヤ ウィリアムズ  3  A
トム・ドゥーリー アメリカ民謡  2  B
聖者の行進 アメリカ民謡  3  A
赤い河の谷間 アメリカ民謡  3  A
オブラディ・オブラダ レノン&マッカートニー  3  A
漕げよマイケル アメリカ民謡  3  A
ユー・アー・マイ・サンシャイン デービス&ミッチェル  3  A
アメイジング・グレース アメリカ民謡  4  A
ダイアナ アンカ  4  A
ロッホローモンド スコットランド民謡  4  A
セイリング サトバーランド  4  B
愛のロマンス イエペス  3  A
トロイカ ロシア民謡  4  A
シェルブールの雨傘 レグラン  4  A
シング・シング・シング プリマ  3  A
アンド・アイ・ラブ・ハー レノン&マッカートニー  4  A
フラッシュダンス モロダー  5  B
第三の男 カラス  4  A
ともしび ロシア民謡  4  A
峠の我が家 アメリカ民謡  4  A
黄色いリボン アメリカ民謡  4  A
デイドリーム・ビリーバー ステュアート  5  B
ハートブレイクホテル プレスリー  4  A
センチメンタル・ジャーニー ブラウン&ホーマー  4  A
マイボニー アメリカ民謡  4  A
ワルツィング・マチルダ コワン  5  B

ステップ1

○河は呼んでいる 右手は二点ハ~二点ヘ、左手にGCEとGHDの伴奏。最初から大譜表。mfがある。CEG,HDGにしなかったのは 音域が低すぎると考えたのだろうか。学校教育を受けた大人ならいきなりこれくらいから入っていける。

○ジャンバラヤ ポジションの移動あり。12のクロスあり。

○トム・ドゥーリー 左手の刻みが1小節ごとから2拍ごとになっている。

○聖者の行進 刻みが1拍ごとになり、ACFが出てきている。

○赤い河の谷間 指の縮小がある。ソロの編曲と伴奏の編曲とで、微妙に方針が違う感じがする(ソロはしっとりと、 伴奏はにぎやかに、編曲している)

○オブラディ・オブラダ 和音をつけただけだが、初心者にはこういう編曲が一番いい。伴奏をつけてやると 原曲の雰囲気が出る。

○漕げよマイケル 付点4分音符が出る。

○ユー・アー・マイ・サンシャイン 最初は不完全小節にしないほうがいいかも(こういう書き方もあるが)。 2段目右1とあるが21として次の小節を35としてもいい、3段目も。

○アメイジング・グレース 三連符が出る。子どもには疑問な指があるが、大人用だから良いんでしょう。

ステップ2

○ダイアナ 伴奏の和音の数が増える。ACEとADF。終わりから3小節目、GとHはつなげない。

○ロッホ・ローモンド この段階での伴奏ならこんなものか。

○セイリング 付点八分が出る。ドッペルドミナントを使っている。

○愛のロマンス イ短調 伴奏は簡単。これはイエペス作曲なのかな、元々あった民謡じゃなかったっけ。

○トロイカ 少し複雑なメロディー。

○シェルブールの雨傘 これは大人向きの教材。

○シングシングシング 転調がある。

○アンドアイラブハー ビートルズの名曲。13のクロスあり。

○フラッシュダンス これもこの段階ならまあ仕方がない伴奏。

ステップ3 セブンスのコードが出てくる。

○第三の男 これは二種類のコードしかなく易しい。

○ともしび これぐらいコードが使えると相当いい感じになる。

○峠の我が家 ここらへんになると、いろいろな和音付けが可能。

○黄色いリボン 割と長いので、発表会などでも使える。

○デイドリームビリーバー 和音の数がだいぶ多くなっている。

○ハートブレイクホテル こういうのは案外子供にも受ける。

○マイボニー 4和音が出てくる。

○ワルツィング・マチルダ 私の知ってるメロディーと後半が違うな。

総合評価   A

これだけAが並べばAでしょ、という感じなわけでもない。条件付きのAです。

条件とは、つまり、大人。それもたとえば将来ショパンのバラードを弾きたいと思っているような人ではなく、 ほんの趣味でピアノが弾ければいいな、と思っている大人、というか中学生以上でしょうかね、限定でA

右手メロディーで左が和音による伴奏、で徹底されている。その方向で和音の増やし方などには周到に意を払っている。 ポピュラーを弾きたい、大人の生徒には非常に良くできていると言える。ただし、それ以外の書法は全くないわけで 子どもにこの本を主教材として使うわけにはいかないだろう。

大人の生徒を扱う先生は持っているといい。

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