あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 教本 

 

小さいピアニストのために ラーニング トゥ プレイ 3

  メルヴィン・ステッカー/ノーマン・ホロヴィッツ/クレア・ゴードン 中村菊子解説・訳 全音楽譜出版社

「理屈は抜き」スタイルのラーニング・トゥ・プレイの第3巻。ちょっぴり期待はずれだった2巻に引き続いて、 さあ、どうでしょうか。

人形のポルカ  3  A
つなわたり  3  C
西部の峡谷  4 B(C)
メヌエット  4  B
タランテラ  3  B
ロンドン橋で踊ろう  4  B
愛の報い  4  A
手をたたいて歌おう  3  A
開拓の歌  4  A
西部を行くほろ馬車の行列  4  A
占い師  4  A
ローザ  4  B
ハロウィーン  4  B
カンガルーのかけっこ  4  B
カバさんのパリ見物  4  A
馬飛び  4  B
笛吹きのティム  5  A
アッシュの林  5  A
潮焼けした船長さん  5  C
水族館  5  B
サーカスのクラウン  5  A
イギリスの兵隊さん  5  B

最初にこれまでに出てきた記号の説明がある。

○人形のポルカ スラーの説明がある。3段目の表現は色々あるが、crescして、最後少し間を取るか、pのままで やはり少し間を取るか。

○つなわたり バイエルの62番を易しくしたような感じ。繰り返しの説明がある。

○西部の峡谷 のんびりした気分で。23の3度があり、3度クロスがあり、教材としてはいまいち。

○メヌエット D.CとFineの説明がある。あまりメヌエットらしくはない。

○タランテラ 繰り返しをつけるのなら、一回目のcrescは控えめに。

○ロンドン橋で踊ろう 加線登場。ロンドン橋のパロディー。左はバグパイプかな。

○愛の報い 連弾。イギリスの歌。secondの難易度は5。mp,mf登場。

○手をたたいて歌おう スウェーデンの歌。3和音の説明がある。Cとaの音階。自然短音階、 やや珍しいか。

○開拓の歌 アメリカの歌。自然短音階によるイ短調、というよりエオリア旋法なんだが。

自然短音階とエオリア旋法は同じではないかという御指摘がありました。もちろんそのとおりなのですが、 以下言い訳というかなぜこう書いたかと言う説明です

導音と言うものの存在は結構昔から知られていたようで、16世紀旋法音楽が主流だった頃にすでに純粋のエオリア旋法の曲は少なく 私の知る限り、部分的にせよ導音が用いられています。で、自然的短音階と言うやつは、理論の説明上作られたもので 実際に長短調というものを作曲家が意識し始めた時代には、楽曲としてはほぼ皆無ではなかったのかと私は推測しています。 ということで、この曲は私には短調には聞こえず、エオリア旋法に聞こえる、と。そういうことです。

正確に表現するなら「エオリア旋法に聞こえるんだが」ですね。

○西部を行くほろ馬車の行列 これはなかなかいい曲。pp登場。

○占い師 ホ短調。これは自然短音階オンリーではない。普通に導音が出てきている。左にメロディー。

○ローザ 連弾 オランダの歌。気楽に弾く。secondの難易度も4。

○ハロウィーン ニ短調。C(4分の4)記号が出る。

○カンガルーのかけっこ 「興奮して」という指示が何となくあっている。ff登場、ヘ音記号の下部加線登場。

○カバさんのパリ見物 D.S登場。微妙に近代的で面白い。

○馬飛び 16分音符登場。左4小節目51でもいい。

○笛吹きのティム アイルランドの歌。16分休符登場。結構有名な曲。

○アッシュの林 ウエールズの歌 ニ長調。これもどこかで聞いたことはあるかもしれない。

○潮焼けした船長さん スラーの終わりの8分音符の処置は考えておくべき。

○水族館 一番カッコと二番カッコの説明。正直繰り返すとちょっと長く感じる。

○サーカスのクラウン 縮小の練習になる。

○イギリスの兵隊さん イギリスの歌。8度ポジションが多い。

総合評価   A-

評価Aに上昇しました。ほぼ全曲使えるのと、オリジナルの曲の中にも結構出来のいいものがあったからです。

それでも比率的には、トンプソンの方が出来のいいものが多いという気はする・・でマイナスがつきます。

他はさほど変わったことはありません。あちこちの民謡をうまく散りばめているのと、アメリカ系教本の中では 軽すぎることもなく、クラシックぽすぎることもなく、中庸を得ているというところでしょう(アメリカ系の中ではですよ)。

個人的には連弾の数をもう少し増やしてもいい気はする。

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