あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 教本 

 

新しいメトードローズ 1下  ヴェルド   音楽之友社

これも旧版との比較を主にするので、閻魔帳175を参照のこと。

○第4課

☆8分音符の数え方を整理している。練習の3をカットしている。

 「ばら色のメヌエット」の代わりに「ジングルベル」が入った。難易度3、評価A。

 「ああかわいい」が「まあ、なんてやさしいの」と訳を変えている。意味が大分違うと思うが。

☆8分音符の練習(続き)のかたてを2題増やして、両手は旧版の4番だけ。タイ課題はカット。

 「ガスコーニュの兵士たち」が「マーチ」に代わられた。どちらもいい曲だが、ガスコーニュよりほんの少し易しい。難易度3、評価A。

 「冬さん、さようなら」が「冬よ、さよなら」に変わった。

☆付点の練習、片手が一つカット、両手の2曲目と3曲目の順が入れ替わり、タイ課題はカット。

 「お城を攻めとられるな」が「ひつじかいの娘」に代わられた。難易度3、評価B。

 「夜の歌」が「夕ぐれの歌」に改訳。

☆フラットの練習。旧版の意味不明な予備練習(8分音符の練習?)を2題移調している。最後のタイ課題はカット。

 「私はいいもの持っているのよ」が「おじょうちゃん、なぜなくの」に代わられた。同音同指の連続が少し気になる。難易度3、評価B。

☆8分の3と8分の6、片手予備練習1題とタイ課題カット。

 「春の朝の歌」が「春がまたきたよ」と改訳。

 「ブリュターニュの小唄」が「とってもだいじなひと」に代わられた。難易度3、評価B。

☆親指をこえるの練習4題目を短くしている。

 「風車やさん、ねむっちゃだめよ」が「なんてきれいな朝焼け」に代わられた。難易度3、評価C。付点と12のクロスの 練習になっている。繰り返しはつける。

 「小さい子守歌」が「小さな子守歌」に。フレージングが細かくなっている、奏法に変わりはない。旧版のほうがわかりやすい。

○第5課

☆練習課題が「指をひろげる」と「和音をひく」に整理され、2番と7番は次に回る。

 「シラノ・ド・ベルジュラック」が「わたしの心のささえ」に代わられた。どちらもいい曲だが、新しいほうは 25の5度の練習という色彩が強い。難易度4、評価A。

 「アルザスの円舞曲」を「アルザスのワルツ」に改訳。

☆練習課題が「指をひろげる」だけになり、イ短調の2題はカット。

 4課にあった「風車やさん、ねむっちゃだめよ」が「粉ひきおじさん、ねちゃった」に改訳されてここに入る。

 「シラノ・ド・ベルジュラック」がここに入る。

☆「指をひろげる」と「イ短調」の練習課題が来る。この2ページ分増えたということになる。

 「空いっぱいのお星さま」という曲が入る。難易度4、評価A。

 「アラビアの歌」が入る。

☆「指をよせる」と「ト短調」の練習課題、ここは変わらず。

 「ごきげんよう」が「お金さん、旅しておいで」に代わられた。前の曲の方がいいと思う。難易度4、評価C。

 「むかしの歌」はそのまま。

☆練習課題は「フレージング」と「ニ短調」。旧版の3,4がカット。

 「バーゼルの思い出」が「おふねは行くよ、波こえて」に代わられた。難易度4、評価B。

 「マドロン」が「グリーンスリーヴズ」に代わられた。これはいまいちの編曲。難易度3、評価B。

 「かわいいミュゼット」が「ぼくの大すきなミュゼット」に改訳。3,11小節目の左4拍目、DがCisに改められた。 ドミナントとしての機能は強まったが、どうだろう、私は旧版の方が好きだ。

☆練習課題を「広い音程」と「連打音」に整理。3と7はカット。

 「山の歌」はそのままだが、新版の指使い2小節目322とある。下の段では321、どちらかが(おそらく前者)ミスプリ。

 「マリちゃん、パンをおあがりなさい」が「船のり仲間」に代わられる。難易度4、評価B。

○第6課 猫がピアノを弾き、お客さんも大勢になった。

☆発想記号 変更なし。「小羊」が「小さな羊」に改訳。

☆練習課題「ラジリテ(指の敏捷さ)」1曲カット。指換え課題カット。

 「羊飼いの少女」が「マイ・ボニー」に代えられた。1小節目右543432とあるが、543431で次を2でもいい。 難易度3、評価A。

 「アイルランドの歌」が「ロング・ロング・アゴー」に改訳。

☆練習課題「ラジリテ(続き)」旧版の5,6番カット。

 「チロルの歌」が「おお、スザンナ」に代わられる。これは真ん中で繰り返しをつけたほうがいいと思うが。難易度4、評価A。

 「民謡」が「セント・ジェームズ診療所」に代わられる。難易度3、評価B。

☆ここでこれまでカットされてきた「タイの練習」が「保持音」として一まとめに出てくる。

 「夕べの星」の左のリズムが変わっている。難易度・評価はそのまま。

 「お人よしの王様」が「聖者がまちにやってくる」に代わられた。難易度3、評価A。

☆最後に音階があるが、2オクターブが1オクターブに。全調あったものが初歩的な10の調に減らされている。

総合評価   A-

旧版に比べてランクが上がりました。旧版でも後半はまずまずでしたから、それが曲が半数ほど入れ替わり、 おおむねより親しみやすいものになったということです。

フランス音楽のあの微妙な感覚よりは、アメリカ音楽の方が大衆的で分かりやすいということですな。

ひょっとしたら、それを逆に気に入らないと思われる先生もいるかもしれません。これはもう好みの問題。

ただし上巻はお勧めできませんので、使うとすると、レヴェル3~4くらいで他の教本からの乗り換え、もしくは 2冊教本を使って、いいとこ取りで進める、という感じでしょうか。

練習課題が丁寧かつ多いので、これを全部宿題にすると、なかなか先へ進まない。基本的には練習課題はレッスン中に 説明をした後、初見で弾かせてしまっておしまい、でいいと思う。

練習課題の整理、挿絵の充実等、微妙にあちこち改善されている。

旧版はこれでおしまいであったが、新版はさらに2冊ある。

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