あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 教本 

 

小さいピアニストのために ラーニング トゥ プレイ 1

  メルヴィン・ステッカー/ノーマン・ホロヴィッツ/クレア・ゴードン 中村菊子解説・訳 全音楽譜出版社

初版はずいぶん以前に出ていますが(1980)、近年ようやく使う人が増えてきたでしょうか。「ラーニング・トゥ・プレイ」 を調べてみることにします。最大の特徴は入門書の中ではおそらく最も「薄い」という点でしょうか。(笑)

曲名
難易度 評価
へいたいさんのマーチ
 1  C
のぼる
 1  C
おりる
 1  C
ふたりでおどろう
 1  C
ホットクロスバン イギリスのうた  1  B
インディアンのおどり
 1  B
びっくりばこ
 1  C
りょうしのおじさん
 1  B
うちゅうせん
 1  B
ヤンキードゥードル アメリカのうた  1  A
ノアのはこぶね
 1  B
アヴィニヨンのはしの上で フランスのうた  1  A
ショートニング ブレッド アメリカのうた  1  B
ねむいうた
 1  B
ローローロー ユア ボート アメリカのうた  1  A
ふるどけい
 1  C
メリーゴーランド
 1  B
楽隊
 1  A
グリーンスリーヴス イギリスのふるいうた  2  A
あめの日
 1  C
バンジョウ
 1  B
ちょうちょう ドイツのうた  2  A
おまどのそとで
 2  B
チェロキー インディアン
 2  B
こだま
 2  C
風車
 2  B
みつばち
 2  C

最初に譜表の説明と音符の説明、大譜表を使って中央のCの説明。四分、二分、全音符でC音のみで早速一曲。

レの説明があり、一曲。

シ(ヘ音記号)の説明があり、1曲。

○ふたりでおどろう これまでの総合練習。

○ホットクロスバン ミの説明。ちょっと曲らしくなる。

○インディアンのおどり ラの説明。シを使わないところが曲としてはうまい。

○びっくりばこ これまでの総合練習。

○りょうしのおじさん 付点2分音符の説明。4分の3拍子。

○うちゅうせん ファの説明。ヘ長調だが無論調号もフラットもない。

○ヤンキードゥードル ソ(ヘ音記号)の説明。

○ノアのはこぶね 4分の2拍子。

○アヴィニヨンのはしの上で 連弾。ソ(ト音記号)の説明。secondは難易度3。

○ショートニング ブレッド ファ(ヘ音記号)の説明。

○ねむいうた これまでの復習。ヘ長調かと思う一段目が見事に裏切られる。教師にとって面白いかも。最後に両手奏がある。

○ローローロー ユア ボート タイの説明。歌詞が英語のまま。

○ふるどけい ♯の説明。Fisが出るがハ長調。

○メリーゴーランド 今までの復習。

○楽隊 ヘ長調。半音的進行をうまく使っている。右手ラ登場。

○グリーンスリーヴス 連弾。右手シ登場。6度ポジション(12で3度)がある。メロディーだけだからさほど難しくなった感じはない。 secondは難易度4。

○あめの日 スタカートの説明。2点ハ音登場、これで右手は1オクターヴそろったことになる。

○バンジョウ フラット登場。やや旋法的で面白い・・かな。

○ちょうちょう ヘ長調。左に重音。最後が日本で普通に歌われるメロディーと異なる。

○おまどのそとで 完全に両手奏になる。

○チェロキー インディアン ニ短調。こういう感じの曲はアメリカ系教本にはつきもの。

○こだま fとpの説明。ポジションの移動あり。

○風車 ナチュラルの説明。35の4度あり。

総合評価   B+

Aかなと思っていたのですが、最後の数曲がぱっとせず1ランク落ちてしまいました。

とはいえ、難易度1~2の段階でこの評価を得ることはなかなかのものです。たとえばトンプソンは評価Aですが難易度3以降の曲で点を稼いでいますから、2冊に分けてしまったら、その前半はこの本と同等かそれ以下の評価にしかならないでしょう。過去に調べた中でこの本と同等もしくはそれ以上といえるものは「ピアノランド」だけでしょう。

ピアノランドは全曲樹原さんのオリジナルである。こちらは耳になじんだメロディがちらほら含まれている。どちらをとるかは考えの分かれるところであろう。

必要最小限の説明しかない。つまり先生の裁量に委ねられる部分が大きい。それを喜ぶ先生にはおすすめ、本になにもかも書いてくれてあるほうが、めんどくさくなくていいという先生には向かない。

幼児から使えるが、幼児に使う場合にはソルフェージュを別にして、読譜に注意してやる必要がある。いきなり大量の新しい音が出てくることはないが、それでも次々と新しい音が出てくるので、この本だけを特に注意せずに進めていくといつの間にか消化不良を起こしている可能性はある。

薄い、ということは子どもにとっては次々新しい本に進めるということで、いいこと。ただ親にとっては結局値段は高くなっているということで、歓迎できない。あまりそういうことを気にしなさそうな家庭の子どもに使うべきかな。

2巻以降が楽しみ。

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