あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 教本 

 

成田剛編著 ゆめのミュージックトレーン ピアノさんこんにちは②  橋本金夢 絵  音楽之友社

前に取り上げた1巻の続き。

曲名 難易度 評価
かばさんのいびき   2 A(B)
へおん きごうは おとうさん   1  B
きりんの あかちゃん   2  B
じょうき きかんしゃ   2  B
はら へった  1(2)  B
ジャンボ ジェットき   2  B
きゅうきゅうしゃが とおります   2  A
ビーマーチ   3  A
うんどうかいの マーチ   2  B
はじめての スケート   2  A
わたしは ピエロ   2  A
しろい ヨット  2(3)  B
ことりの ララバイ   2  A
あといくつ あるでしょう   2  B
おひめさまの こもりうた   2  B
ポップコーン   2  A
ひまつりの おどり   3  B
とけい   3  A
ぞうさんの おさんぽ   2  C
たぬきの ぽんぽこぽん   3  B
ゆびさんの うた   3  B
ケーキやさん   2 B(C)
ピアノの せんせい   3  A
きたかぜ ふいて   3  B
アマリリス   3  B

1.かばさんのいびき この巻ではヘ音記号が登場する。最初はハ~ホ。曲は面白い工夫がある。

指のたいそう1がある。

2.へおんきごうはおとうさん FとGが登場。前曲もだが左手のみ。

3.きりんのあかちゃん 両手。右手に6度がある。 

4.じょうききかんしゃ レパートリー1だそうですが、成田さんの作曲。D.Sとセーニョとto Codaが出てきます。

5.はらへった ポジションの移動あり。ヘ音記号上部加線のCが出る。

指のたいそう2がある。

6.ジャンボ ジェットき ヘ音記号A登場。右手6度あり。歌詞と曲が何となく一致しない。

7.きゅうきゅうしゃがとおります 成田さんは擬音の扱いがうまい。

8.ビーマーチ レパートリーの2です。ひらがなの「ろ」音が出てくる。大抵の子どもが知ってる曲で、頑張って弾いてくるだろうが、難易度的にはかなり難しい。

9.うんどうかいのマーチ 「ロ」音が出てくる。8分音符登場。全音符登場。

指のたいそう3がある。

10.はじめてのスケート 小音符を入れた方が断然良い

11.わたしはピエロ 曲は良いが、横長で5線の大きさがこれだと、5線と5線の間がつまりすぎて1ページ3段は少し見にくい。もう少し楽譜を小さくする方がまだ見やすい。

12.しろいヨット 13のクロスがある。13の分散4度がある。

指のたいそう4がある

13.ことりのララバイ レパートリー3です。ヘ音記号の小音符は先生パートであることが明白、12のは? 10もひょっとして先生パート? こういうところが少々不親切。2ページ2段目左3131とあるが3241の方が良いかも。曲はきれい。

14.あといくつあるでしょう 最後にアルペジオがある、右手に4和音。良い曲だが、入門者にとって4和音というのは非常に困難です、だからアルペジオにしたのだろうが、少々違和感。

15.おひめさまのこもりうた 「2点ニ、ホ」音登場。8分の6拍子。二短調。

16.ポップコーン 12の分散三度がある。結構面白い。

17.ひまつりのおどり レパートリー4です。縮小がある。

18.とけい 最後の跳躍はテンポによっては難しい。

19.ぞうさんのおさんぽ 最後の左はスタカートでも良いが「ぞうさん」だからやっぱりレガートでしょうね。

20.たぬきのぽんぽこぽん 右手の5指の連続が気になる。 

ここで指のたいそう6が入る。

21.ゆびさんのうた レパートリー5です。同じメロディーをC、D、e、F、Gで弾く。子どもは好きかもしれない。

22.ケーキやさん 半音的進行。14の縮小がある。

23.ピアノのせんせい 冗談とあるが当然右ページも弾くべき。5指の連続が気になるが「まほうの」のところをシンコペにすると少しましか。

24.きたかぜふいて 6度ポジションの良い練習。最後の小音符を入れると大分難しい。

指のたいそう7

25.アマリリス(れんだん) レパートリーの6。中間部を同じメロディーでマイナーにしているが、連弾だから工夫すれば原曲のメロディーをそのまま生かせたのではないかと思う。 

総合評価   B(A)

 この巻はこれまで調べたミュージックトレーンシリーズの中でも曲の出来映えは最も良い。評価Aのピアノランド2巻と比較してその面に関しては遜色ないと言えよう。

 にもかかわらずAとは言えないな、という判断になる。なぜかなと考えてみるに

 一言で言えば詰めが甘いのであろう。

 つまり教則本というものは、作曲家は技法を制限されるわけである。子供向き曲集でもある程度制限されるが、教則本ともなればピアノのテクニックを順を追って少しずつマスターしていくための本なのであるから、その制限の度合いは曲集の比ではない。

 どうも成田さんは優先順序が違うというか、自らの曲の完成度を優先させ、そのために教則本としての秩序だった順番というものが崩れている。これがこの本の大きな欠点であろうと思う。1巻でもそうであったがこの2巻においても、どういう順にピアノの技術を教えていくか、ということをおそらく本人は最初に決めてあるのだろうが、それに対しての例外事項が多すぎるのである。

 少々の例外があってもこなせる子ども、つまり相当頭のいい子ども、には素晴らしい入門書であると言える。ただ入ってきたばかりの生徒がどのような素質を持っているかは普通は不明であろう。

 詰めの甘さは、たとえば1ページ3段になって5線どうしの間隔が狭くなって見にくくなっていたり、小音符が先生パートなのかそうでないのか不明な個所があったりというところなどにも現れている。

 教則本とは思わずに、入門者向け曲集ととらえたならば、非常に良い出来、評価Aであると言える。

 よそから移ってきた入門間もない生徒などに一からやり直しで与えるにはぴったりかもしれない。幼児を中心に引き受けている先生にとっては、発表会用のレパートリーになりそうなものがあるので持っているといい。

 途中にも書いたが成田さんは半音を使った擬音の表現がうまい。

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